【てならい後記】はじめての金継ぎ教室2021春〜1回目〜
こんにちは。てならい堂スタッフの小野寺です。
桜も早々に満開となり、あっという間に葉桜。人生は儚いとはよく聞きますが、桜を見ると、本当にそうなのかも…と、強く実感する今日この頃なのでございます。(しみじみ)
新しいことが始まるこの季節、てならい堂でもこの週末からはじめての「金継ぎ教室@染め屋」2021春。がスタートしました。てならい堂では春と秋に金継ぎ教室を毎年開催していますが、こちらは募集を開始するとあっという間に満席になる、大人気の教室です!
講師は、てならい堂の金継ぎの監修をしてくださったアマノさん(日曜日)と、金継ぎ修理でご協力をいただいている梅澤さん(金曜日・土曜日)。
会場は染めの教室でもおなじみ、染の里 おちあいさんでの開催です。窓の目の前に桜が見え、優しい自然光が入る2階の和室なのですが、これまたとっても良い感じのお部屋なのですよ。
さて全7回の金継ぎ教室の第1回。今回は皆さま初めましてということで、ご指導いただく先生のご挨拶と、これから約3ヶ月間一緒に金継ぎを学んでいく参加者の自己紹介から始まります。
「陶芸教室で器をつくり、使ううちにやはり割ってしまうので、今度は自分で直したいと思い参加しました。」
「おばあちゃんの遺産分けの器を大事に使い続けたくて。」
「実は今回は2回目の参加なのです。1回目のことは…もう全部忘れちゃった!」
なんてお茶目な参加理由も(笑)。 でも、てならい堂の金継教室は、実はリピーターがけっこういらっしゃるのですよ。
その後は先生から紙芝居形式で、天然の漆についてご紹介。
漆とは?から始まり、漆の採り方、漆器についてや漆工芸に使用する道具、漆の性質についてなど、漆にまつわる様々なお話をしていただきました。
個人的に話の中で一番印象的だったのが、「漆は1本の木につき3~4か月かけて採り、その量はたった200cc」という事実。す、す、少なすぎやしませんか!そして漆を採り切った木は伐採してまた新しい苗を植えるのですが、漆が採れるように育つまでは10年かかるそうです。う~ん、漆が愛おしくなっちゃいますねぇ。
そんな漆についての理解と愛情が深まったところで、ではでは、金継ぎの作業を始めましょう。
漆は一度つくと落ちないために、染み予防として、まずはラップとマスキングテープで器の断面のまわりや、土台の裏の部分をしっかりと養生していきます。
次は漆の登場です。テレピン油と生漆を混ぜ合わせて、欠けている部分に薄めた漆を塗っていきます。
塗って浸透した漆が固まることによって、次のペーストの漆が絡みやすく(接着しやすく)なるという、土台づくりのような作業ですね。
今回の作業は終了ですが、最後に筆の洗い方や、その他の道具のお手入れ方法を教わります。
金継ぎ教室では道具のお手入れも大事なことのひとつで、筆に漆がついた状態で固まってしまうと、もうその筆は使うことができません。しっかりと菜種油(教室ではキャノーラ油で代用)で漆をとります。
それ以外の道具はテレピンというマツ科の樹木からとれた油(教室ではこちらも代用品を使用)でのお掃除。漆が残っているとかぶれの原因にもなるので、触った箇所はクロスに漆の色がつかなくなるまで、しっかりと拭きとりましょう。
今回はここでおしまいで、次回は「埋め」の工程に入ります。
「埋めって、一体何を埋めるんだろう。」とつぶやいた方がいらっしゃって、先生が「そうですよね、何を埋めるんでしょうね!?」「はい、何か型のようなものをはめ込むのかと思ったり… (笑)。」なんて会話が最後にありました。今は何でも一瞬で答えを調べられますが、あえて何も調べず、真っ新な感覚で飛び込んでみるのも楽しいかもしれませんね。
さて、埋めるものの正体や如何に…!?
皆さま、次回をお楽しみに!
てならい堂では、おうちでも本格的に楽しめる金継ぎキットを販売しております。
神楽坂のひみつの小店でも販売しておりますので、お散歩がてら是非お立ち寄りくださいね。