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「職人の爪のあいだ」④富山県高岡市漆器くにもと編

伝統産業・職人・町工場・手しごとをこよなく愛する、オタクな日本伝統産業女優の村上真希です。
私だからこそ聞けるつくり手の芯の部分、根源を探る質問を投げかけていきたいと思います!

聞き手/文 ”伝統産業女優”村上真希

彫師さんデザインの40年来のヒット商品。

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漆器くにもとのベストセラー製品。梅彫シリーズ。いま見てもとってもオシャレで、お品があって、きゅん。としますね!!

真希(以下、真)
:こんにちは!今日はよろしくお願い致します!いつもお世話になっております高岡兄貴代表!國本兄貴!!!ッと、インタビュー始めさせて頂きます!(笑)でわでわ・・・漆器くにもとさんのお仕事内容と、國本さん本人のお仕事内容も教えて下さい。


:『高岡漆器株式会社』で漆器の企画・製造・卸売りをしております。そして小売店の『漆器くにもと』では全国の漆器を販売しており、2階のクラフトショップ『B’come』では漆器に限らず高岡のものづくりを紹介しています。


:お!そうだったんですね!では、國本さんのお仕事内容を教えて下さい。


:僕は先ほどお伝えした、会社とショップの両方関わっており「漆器の企画・製造・販売・卸し」を担当しながら、ショップの仕入れや企画と両方やってます。


:國本さん何でも屋さんですね!!よっやり手!!!ふぅっーーーーうッ!!はいっ。では、『高岡漆器株式会社』さんの今までの一番の代表商品を教えて下さい。


:一番・・・そうですね。彫刻塗りという高岡の技法を使った“梅彫シリーズ”というのがあって、定番なのはお盆で・・・コレなんですけど(カタログを持ってきてくださる)・・・


:最近のですか?


:いや、40年近く前から売れ続けているロングセラー商品なんです。


:あぁーーーー!!わかります!!コレ本当にステキですよね!!職人さんの温もり感じられますし、デザインも落ち着いたお色もステキ!!!


:同じデザインで、お皿や茶托、文箱やお盆まで色々あるんです。この彫りだけで色んなバリエーションがあるんですね。コレは昔からすごく売れてヒットしたもので、累積で一番売れてる商品ですね。


:選ばれ続けるってことは、他の漆器屋さんが真似できないってことですよね?


:そうですね。デザインがね。このフチにはみ出させて、梅の花を大胆に彫っているのはうちが初めてでしたね。高岡の彫師さんがデザインを考えてくれて生まれた商品なんですけど・・・ま、当時は地元の他社にもデザインを模倣されたりと・・・


:おぉ~!!!パクられたんですね!!でも本物が必ず生き残りますからね。パクれパクれ!!ってパクられてなんぼ!じゃないんですかね?


:ま、でも地元でパクられてる分にはいいと僕は思うんですよね。高岡の職人さんにお金が入るっていうことを最低限守らないといけないなって思いますけどね。


:高岡愛ですね!!しかし“梅彫”シリーズ、彫師の職人さんが発案されたというのにびっくりですね!デザイナーさんではなく職人さんが直々・・・


:そうですね。40年前は・・・、“デザイナー”は特に、伝統産業界では一般的じゃなかったと思います。
高岡ではまだその時代は職人さんがしっかりデザインを生み出していたんですね。

デザイナーが連れてきた職人ゆとり時代?

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螺鈿体験!@お箸作り

スウジバッジ。螺鈿で型取られた数字と各デザインがとってもかわいい!!

スウジバッジ。螺鈿で型取られた数字と各デザインがとってもかわいい!!


:ほぉ~~~~!いまでも、デザインも率先してされているような職人さんはいらっしゃるんですかね?


:やぁ~最近は少なくなってきてますね。“デザイナー”という存在が定着してくるに連れて、職人の発想力が無くなってきている気がしてるんです。

とってもキレイ!!!一目惚れです!中は漆で塗られている硝子でできたマス上の器。うっとり。

とってもキレイ!!!一目惚れです!中は漆で塗られている硝子でできたマス上の器。うっとり。


:おぉ・・・それは、やはり外からの「外注」や「請負」のお仕事が増えてきてるっていうのもあるんですかね?


:そうですね・・・自分から発想していないんですね。昔は職人さんたちが年に一度、問屋さんに新作を見せに来たっていう。『こんなん作ってみた!どうやっ!!売ってくれんか?』て。


:わぁ…職人さんの本気を感じますね!!その思いステキ・・・(ドキドキ)


:でも今はもう、問屋さんからが企画したものを作るっていう流れが主流で・・・。


:え・・・でも素人目線かもしれませんが、自ら創りだすほうが楽しくないですか?私なら請け負っている仕事していても、どこかで(あ!ひらめいたっ!!次オリジナルでこんなんつくってみたいなぁ~)なんて考えてしまうと思うんですが・・・


:そうですね・・・僕的には近年、職人さんには『一年に一個でいいから自分で作りたい作品を作ってくれ』と伝えていて、なんなら『ちょっとぐらいならお金出しますよ』って。・・・でも全然でてこないんですよねぇ・・・。


:その状況は、職人さんの年齢にもよります?


:や、逆に年齢が上の方のほうが出して来てくれるんです。嬉しいですね。だけど、いまは現代風のデザインがやはり求められるところはあって、そこに大きなズレが生じてしまうと実際商品化するのが難しいんでね・・・。
分業制というのもその原因のひとつです。
じゃんじゃん売れてた時代は、職人さんは作るだけで、消費者との接点を無くしてきたという過去があり、その弊害が出ていますね。
今の30代・40代の職人が発想するモノが見てみたいんですよね・・・Uターンしてきたその世代の職人たちは初めの頃は、年に1、2個提案してくれていたんですが、やはり外注の仕事や、家庭を持ったりとかでね(笑)


:でも、日々のお仕事以外に“つくりだす”“生み出す”という気持ちは絶対持ってらっしゃるんじゃないかと思うんですよね・・・本当はやりたい!!と思ってるんじゃないんですかね?


:ん~~~『作りたいもんないんか?』って聞くと『やぁ~いまはないっすねぇ~ポリポリ。。。』『何でもやります!』な返事が帰ってくることもシバシバなんですよね。


:ぬ???!ゆとりか???職人さんのゆとり世代到来ですか???!


:ははは!!や、ゆとりよりもっと年上の代ですね。(笑)


:ふ~ん・・・でも腕は確かなんですもんねぇ。。。なんか作り始めたら止まんなくなるタイプだらけなんじゃないんですかね?


:そうですね、いまはそういうメンバーを集めてチームを組んでやっています!

“いつかきっとここにいる”場所

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裏から色を塗ったカラー螺鈿で、好きな形にカット。これがめちゃくちゃ難しかった!!職人さんの凄さをまた肌で感じました。

初公開。取材ノートです

初公開。取材ノートです

真:
って、この絵なかなかじゃないっすか?

國:
ほんまや!しゃしゃっと書いたにしては上手いな。絵が得意なんやね?

真:
ま、絵は下手くそではないっすね・・・ふぉふぉふぉ・・・。画家の孫であり元彫刻家の娘なんでね(笑)

國:
ほほ~う。血筋やね!!(笑)

真:
そうですねっ!(笑)血筋といえば・・・國本さんは、大学卒業後すぐ家業の漆器屋さんを継がれたんですか?

國:
いや、小学生の頃の文集に『将来の夢は“漆器屋さん”』とは書いてはいたんですが…。もともとものづくりは好きだったんですね。特に高校生の頃にオートバイにはまって・・・乗る方というよりか、友達のバイクの修理とかがとにかく楽しくてね。それで、バイクのメカニックの仕事に付いたんです。最初は千葉県で・・・。両親からは一度も『帰って来い』とは言われなくて・・・。


:おぉ帰ってきてくれって言われなかったんですね。


:代わりに、妹が居るんですけど、その妹に言われるっていう。(笑)『お父さん寂しがっとるよ・・・』ってボソッていってくるんですね。ま、いずれは帰ろうと思ってはいたんで。継がなきゃとは思っていたんですね。


:あ、元々そういう考えを持ちながら、オートバイ屋さんへ就職したんですね。


:オートバイ屋はもう勢いですね。『オートバイが好きだ!!』っていう若い時の勢い。(笑)なんせ『バイクのメカニックになりたんだ!本物になりたいんだ!』と、若いときは生まれた場所から一歩でも遠くへ行きたくなるのが男の子なのかな?・・・でも心の奥底では、いつかきっと“ここ”にいるっていうふうには思っていましたね。で、キリのいい30歳で帰ってきたんです。


:きっと“ここ”にいる。・・・心に来ますねその言葉!メモらせて頂きます!!(←全部メモれやぁ!!(笑))


:実は親父も、一旦は商社に務めたんですね。やっぱりよその釜の飯を食べるっていうのはとっても大切なことで。漆器の問屋さんでよくあるパターンが“百貨店問屋さん”っていうのがあって、僕らの商品を百貨店に専門に卸す問屋さんで、そこに“丁稚奉公”に行く人がすごく多かったんです。


:丁稚奉公って・・・・


:今では労働基準法で良くないことかもしれんが、住み込みでそこで働いて…要は自分の店の一番の取引先のところに修行を修行しに行くっていう、そうすると人脈がいっぱい出来るんね。
内部に一回喰い込んで、で数年したら実家に戻って家業を継ぐ。そうすると、取引先に元同僚がいて『あ、どーもどーも』で通じるようになるんですね。直で繋がれるんです。


:ほぉ~。いろいろ戦略があるんですね。


:でもうちの父親は全く別の商社で働いて・・・ま、その会社が倒産して帰ってきたんやけど。(笑)


:わあ!倒産…


:でも、逆に言うと“倒産した会社を見れる”っていう人生経験ってあんまり無いですよね。こうしたらこうなるんやっていう、会社の終わりを見れたことが、のちのち役に立った言ってました。やっぱりそういう状況を一回経験すると“危機管理能力”や“危機回避能力”が培われて、経営者としてはとてもプラスになったんでしょうね。
なので父親はどっちかっていうとものづくりより“経営者”という立場でしっかり会社を支えてくれていましたね。
で、僕はもともと幼少時代からプラモデルなどものづくりが大好きで、やはり“ものづくり側”の仕事が得意なんですね。
だけど経営者の分野もきちんと強くならないといけないんですよね。
あと、会社に入った頃、取引先や職人さん、役所などいろんな所に挨拶に行くと決まって「ああ、國本さんとこのあんちゃん(長男のこと)か~! お父さんにはお世話になったんや。」と言っていろいろお話を聞かせてもらえて、名刺がなくても最初から信用して頂けるのはありがたかったですね。


:お父様と國本さんのそれぞれの得意分野で役割分担がしっかりされてるんですね。
今はゆくゆく継ぐ日に向けて、今は徐々に学んでいっている最中なんですね!

 

つくり手とつかい手のあいだの人

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指に力を入れ過ぎても割れてしまうし、入れなさ過ぎてもキレイにカット出来ないし・・・とで、苦戦中。笑

富山県高岡伝統産業青年会40周年記念作品  菱川勢一監督作品 『すず』@2013年 ここから、伝統産業女優 村上真希と高岡との関係は始まりました!

真:
ではでわ・・そんな國本さんの得意とするその「ものづくり」の中のポジションを教えて下さい。

國:
やっぱり・・・企画ですかねぇ。本当は販売も強くなきゃいけないんですけどね。(笑)でも、好きなのは企画ですね。


:國本さんプロデュースによるプロダクトブランド“With TARO”の活動などとっても魅力的な企画で要注目してますね・・・YO!チェケラ!!!な感じで。(笑)


:あぁ・・・ありがとうございます。光栄です。苦笑
やあ、俺らの時代はまだいい大学行ってなんぼな“学歴社会”だったんですね。
みんな東京・大阪・名古屋の大学へ行き、一旦外へ出たらそこで就職する奴も多くて。
伝統産業に関して言うと結構Uターンで帰ってきてる気がするんです。
けど、他のこの辺の商店の息子さんは東京・大阪って人が多くて・・・向こうで家庭を持って安定した職業について、安泰を最優先ていうね。
それに対して、何故か戻ってくるっていうのが、伝統産業の世界の暗黙の了解というか、親もそうだったと思うんだけど、その継ぐ子供にも“プライド”みたいなのがあって。『日本の守らないといけないものだ』っていう。


:“プライド”のなかに『俺が守っていくんだ』っていう熱い意思は、國本さん始め高岡の職人さん方から、日頃とても感じることが多いですね。それはエゴではなく、新しい形として更新しながら。

國 
:その反面“伝統産業”っていうので、守られ過ぎているところがあったりとか、誇りを持てるいい部分があればそう言った部分もあり…。
元々は“伝統産業”っていっても普通の生活用品屋さんだったはずです。家具や食器や小物を作る仕事がずーっと続けてきたことで“伝統”と言われ、続けてるだけで偉いみたいな。
本当は、それだけでではもちろん売れなくて、続けてきているけどその時代時代で必要としているもの、欲しいものを作っていかないと当然売れない。のだけど、そこでつくり手は「いいもの作っているのに何故売れない!!」て愚痴がでてくるんですね。(笑)

真 
:あー。。。でもそのつくり手側の気持ち…なんとなくわかる気もして…

國 
:「なんでこんなにかっこいいの作ってんのに、伝わんないんよ!!」て、でも現代からすると「いやいや、いらんから。」てなっちゃうんですね。そのズレがほんと、いつの時代も天敵なんですね。

真 
:かっこいいやろ!って作ってても必要とされなければそれは容赦なくスルーされてしまうんですもんね…。残酷であり、でもそこからが職人の腕の見せ所ですよね!!

國 
:長くやってればやってるほど、経験がある人達は自分たちに非を求めずに、周りに求めがちなところがあって「景気が~」「気候が〜」「材料費が〜」とか。そんな 話ばかりで「自分たちが変化出来ていないから厳しんだよ!」ってところを認めない。
危機感を持ってる僕らの年代が、先頭切って変えていかないとって。
あと20年以上はこの業界で飯食っていかないといけないし、この時代に生きていかないといけないんで、俺たちは。
愚痴なんて言ってても仕方ないんで、とりあえず動くしかねえなって。


:その時代に合った。それはきちんとアンテナ張ってリサーチして、良い物必要とされていないものって紙一重で、常に意識していないと見逃してしまう感覚ですよね。
そして、まさに國本さんはズバリそういった活動を現在されていますよね!高岡でそういったプロジェクトの発信の大元、そして活動をリアルに先頭切ってされている方だと思っています!

國 
:結果を出すには中々手強いところは有りますけどね。金にならんことばかりしているんですが、でもいつかそれが全てつながる日が来ると思っているんですね。その時=僕の50歳迄になんとかせないかんなって…。

真 
:あと一年ですか?(笑)

國 
:いやいや!!!!あと5年あるから!!(笑)や、50じゃ遅いかな…


 :やぁー國さんいつも楽しそうだからなぁ〜5年なんであっという間ですよ!!(笑)

國 
:そうだよね、真希ちゃんも“伝統産業女優”てジャンルを切り開こうとしてるんやもんね!!

真 
:そうですね!やっと1年が経ちましたけどね。濃かったですよ、もーひとつひとつが。そして出会い。職人さんお一人お一人との濃いお話。やーでももっともっと出来ることあるんじゃないのかなって常に思っていましたね。でも、本当今まで生きててかなり濃厚な時間を過ごしましたね今年は。忘れられないです!!(笑) しかも、高岡来るようになって10年くらい経ってる気すらしますしね。(笑)

國 
:ははははーー!!!確かにっ!(笑) でもすごいスパンで高岡来てるけど、まだ映画『すず』の撮影から2年なんだよね…


:二年!!!!!???(笑) わたし、高岡来過ぎでしょ!!高岡伝統産業青年会好き過ぎでしょ!!!(笑)

國 
:もう、真希ちゃんが高岡歩いててもなんも違和感なくて、普通にちゃんとした挨拶すらしないくらい自然で「よっ!」て通り過ぎるよね。(笑)

真 
:いやいやいや!!!・・・ん?いや。そっちの方が嬉しいっすむしろ!!(笑)


:あれからまだ二年なんだもんね。やぁ、大人になってこんなに濃い人間関係築きあげれるのって、本当素敵なことだよな…大人になってなかなか友達って出来ないじゃん…

“伝産”を軸に繋がるヒトとマチ

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丁寧に教えてくださる、伝統工芸士の折橋さん。優しくて高岡でも最も大好き職人さんの一人です!

クリエイ党の活動が行われている、富山大学のお教室へ、伝統産業女優も出席中。 学生に混じってアイディア出ししました クリエイ党 http://creatou0000.web.fc2.com/about.html 【高岡の職人と学生がものづくりを通して伝統産業の新しい価値を見出し 、創造、発信していく団体。】

クリエイ党の活動が行われている、富山大学のお教室へ、伝統産業女優も出席中。 学生に混じってアイディア出ししました クリエイ党 http://creatou0000.web.fc2.com/about.html 【高岡の職人と学生がものづくりを通して伝統産業の新しい価値を見出し 、創造、発信していく団体。】


:今は“ものづくり”だけじゃなくて、空き家を再利用してゲストハウスやシェアハウスを運営して、ものづくりを目指す若い人たちが高岡に集まりやすい環境を作りたいなって思っていて。空き家たくさん余ってるのであれば月1万円~くらいで住めるように提供できたら良いのにって・・・まだそこまでは行けてないけど・・・。


:そんな環境ステキですね!!どんどん高岡に来て欲しいですね!!!むしろ、私住みますわ!そこ!!(笑)

毎年10月に開催される『高岡クラフト市場街』での一環、直接工場へ見学へ行くことができ、そして職人さんのお仕事や、お話を伺えるツアー【高岡クラフツーリズモ】 毎年、募集後瞬は時に定員になってしまう人気企画!! 目でみて触って、聞いて、そしてその工場の手しごとが生まれる空間を感じて…他に無い贅沢なツアーです!!

毎年10月に開催される『高岡クラフト市場街』での一環、直接工場へ見学へ行くことができ、そして職人さんのお仕事や、お話を伺えるツアー【高岡クラフツーリズモ】 毎年、募集後瞬は時に定員になってしまう人気企画!! 目でみて触って、聞いて、そしてその工場の手しごとが生まれる空間を感じて…他に無い贅沢なツアーです!!


:来た人達を楽しませる自信あるんだよね。工房見学や交流会という名の飲み会もそうなんやけど、、、


:本当ですよね!!そこ毎回ホンっととっても感謝しています!東京では「また高岡飲みに行くの?」って新橋あたりにある飲み屋さん並の言いようですよ。来すぎて。(笑)


:はははは!!(笑)高岡伝統産業青年会の現役も勿論、OBなども含め、盛り上げ役や・話が面白い奴に・個性的なキャラや、飽きさせないチームワークがもう自然と出来ていて。ノリノリかと思ったら、熱~く仕事やまちづくりの話してみたり。


:本当文句無しに確立されたバラエティー揃いですよ!!(笑)高岡の一番の魅力ですよね!!!他の県では中々ありえない【伝産の現役&OB&大学生&教授&大学】までが連携をとってるのって素晴らしすぎる羨ましさですよ!そのブレる隙を見せない絆!家族ですよねもう!親戚のおっちゃんだらけ!!みたいな。(笑)
て・・・こんな感じに伝産がなってきたのは元々なんですか?


:いや・・・8年位前からかな?“嶋モデリング”の嶋くんが自分の母校の【富山大学】で声掛けをして「なんか伝産と一緒にやろうぜ!」ってのが始まりで。で、5年前から「クリエイ党」っていう“伝産の職人✕大学生”っていうものづくりのサークルが始まったんです。そこからですね。どんどん仲良くなったのは。


:クリエイ党!!何回か参加させて頂いたんですけど本当とっても楽しくって、私が大学生の時に知ったらこんなに贅沢なサークル!!編入させてくれ!!って言いたいですね!!や、ほんとう。


:そう考えると“伝産”を軸に横へ繋がっていってるんですね。大学とクリエイ党、そしてクラフツーリズモや鋳物体験に、まちっこプロジェクトの活動にしても、ぜーんぶつながってるんですね。伝産を軸にしているけど、伝産だけでは成し得ないことで。皆が仲良くしていることで、情報交換がしやすくて皆が集まりたくなる環境って、本当良いと思うんですよね。とっても。
県外出身の学生なんかにもただキャンパスで勉強しているだけじゃなくてまちに出ていろんな人と関わって欲しいね。飲み屋の隣のおじさんと話ししておごってもらったりとかね(笑)
「高岡のまちを知り」「高岡の人を知る」事でそこにいろんな繋がりが生まれて、卒業してもまた戻ってきたい町になったらいいなと。


:気持ちいいくらいのフットワークですよね。大学生の子達!その関係性があるからこそだと思うんですけど。


:上の人が自由にやってると「俺達も自由にやって良いんだっ」って楽しくなりますよね。先輩方に、能作さんや二上さんそして、折井さんなどがガンガンやってるのをみたら、身近にいる人だからこそ「俺も出来るんじゃないかな?」「よーし!俺も頑張るぞ!」って。
より近い位置で目標とする人が居るのと居ないとでは全く違いますよね。


:確かに!!その後姿は重要ですよね!
でわ!今後その後姿を見ながら“ものづくり”の世界を夢見ている若い子たちへのメッセージやアドバイスが有れば教えて下さい。


:僕がアドバイスできることはあまりない気はしますがね・・・でも、やっぱり一言言うなれば“ものづくりは楽しい!!!”ということですね。形あるモノを創りだすってとっても楽しいんだ!と。ものって残るものなのでその場限りでは終わらない魅力。ま、でもそこが辛いことでもあるしいいところでもあるんですけどね。
流行りものばかりではなく、10年後見ても使えるもの・愛せるものそういうものを生み出して作っていきたいなって、そうやって行かないといけないなって。百均で満足、使い捨てで便利とかではなくて、そういう意識から“ものづくりの楽しさ”を若い子達から変えていってもらったら嬉しいなと思いますね。


:私は、いいもの=流行ってるもの とは比例しないと思っていて、皆に人気あるものでお揃いになりたくないし、むしろ他のもの手に入れたい!ッて思うタイプで。もっともっといいものあるのになぁ~って。無知って罪だなって。。。(笑)
べつにオシャレでいたいとかもう思わなくなってきてますね。流行とかそんなのもうどうでもよくて、好きなモノをとことん愛せるものを側においておきたいし、使っていきたいし身につけたいんです。「もっとオシャレすれば?」とかいわれたりすると「ほっとけ!」ッて思うんです。(笑)
一個一個選び抜いて、こだわり持って身につけてるんだし、私にしか分からない幸福感感じて過ごしてるので大きなお世話!ってね。いい大人なんだしね。(笑)世界にたったひとつのものとかが、究極に今一番私が惹かれるカッコイイものだったりしますね!手にした時痺れ入りますからね。ホント。


:確かに!もっと日本のものづくりの知識を日本人にもって欲しいですね。最近テレビなどでよく取り上げられるようになったけど、どこで、どうやって作ってるのかっていう事をもう少し広めて行きたい。
そして、作り手のストーリーも込みで消費者に届けたいです。


:そうですね~もっと心と体と手を使って物を作り出す、生み出す楽しさ、そしてつくり手の素晴らしさを是非とも知ってもらいたいですよね!!
では、今後の國本さんのビジョンや方向性がありましたら教えて下さい。


:職人さんや、メーカーさんでは成功事例は出てきているんですけど、地方の“問屋さん”での成功事例はほとんど無いんですね。そこの第一弾になれたらなっと思っていますね。職人さんに余計な心配をさせずにいいものを作ってもらって、その職人さんの名前をきちんとつけて良い形で世の中へ出してあげるのが僕の役割なんだと。
この名前が重要なんです!職人を“スター”にしてあげてパートナーとして一緒に稼ぐというのが問屋の役割だとおもってるんですね。


:職人さんをスターに!!その言葉とっても好み!!素敵です!!!
では、最後に・・・”伝統産業女優 村上真希にやってもらいたいことNo1″はなんでしょう?

國:
おぉ・・・!うーーーーーーん。


:女優です!!( ー`дー´)キリッ


:はははは(笑)やっぱり。メディアに出てるけど、ちゃんと職人さんたちの目線まで降りてきてくれる、今話しをしてくれているこの伝統産業女優の村上真希を、ずっと貫いて変わらず居てほしいね。売れたら急に「え?誰?なに?高岡?え?いくらくれんの?ギャラは?」とかになってほしくないね(笑)


:いやいやいやいや!!!!!(笑)ならないですよ!!!!!(笑)わたし、もう救いようのないオタクですから。根っからの。(笑)


:職人さんと同じ酒飲んで、同じ飯食って、今現在のスタンスを崩さないで居て欲しいですね。


:もう既に“村上真希といったら高岡!”て東京でなってますんでね!(笑)


:もう、高岡観光大使になったら良いよ!!


:それそれそれそーーーーーーーーーれぇぇぇ!!!!!是非推薦を!!!!!!!!!!!!!(本気)やぁ~たくさんいいお話有難うございました!!!高岡に恩返しできるようにもっともっと活動頑張ります!!


:期待してます!! また高岡へ帰って来いよぉ~!!(笑)

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できました!!ニコニコとキラキラの融合お箸です!これで、食事もニコニコです!自分で作ると、兎に角愛着が湧いて、そして使うたんびに職人さんのお顔や想いを思い出し・・・幸福度上がりまくります♡

「伝女」が掘る!5つのQA

「伝女」=伝統工芸品・職人・町工場・手しごとをこよなく愛する女子、が聞きたい5つの質問をぶつけてみました。

【Q1.好きなお酒&好きな食べ物は?】

:答え 勝駒(富山県高岡) ・ カレー(デリー)

「本当は好きな酒は“ボーモア”っていうウイスキーなんですけどね・・・高岡人としてココはね!!(笑)大体俺ら仲間が『たかまさ(職人さん行きつけ呑処)』とかに行くと、勝駒の一升瓶空けるくらい飲むからね。もう、中々手に入らなくなててね。こまったね(笑)
食べ物は、カレーだね。デリーのカレーは断トツ!!風邪気味の時や二日酔いの時に食べると“スカーーーッ!!”って治るよ。辛くて。あ、でも汗が尋常じゃないくらい出るので、女子は化粧崩れがね・・・。」

【Q2.小学生の頃に憧れだった人物は?】

答え:ジャン・アンリ・ファーブル (ファーブル昆虫記の著者)

「小学校の時はほんとサッカー好きで、三浦知良は憧れでしたね・・・しかーーーし!!やっぱりファーブル昆虫記のファーブルさんですね!!「ふんころがしの話」とか大好きだったんだよねぇ~(キラキラ)
かなり影響を受けましたね。自然や生き物の観察とか大好きで・・・生態を調べるのとか特に好きでね。ボーイスカウトに入ってて、カエルや蛇やうさぎなど、食用したりしたんですよ。蛇。美味しいですよ鶏肉みたいで。焼いたらそのままクルクルって、なんか面白いですよ。かわいくてスイーツみたいな見た目で・・・・」


:「はあ。笑汗」

【Q3.小学生の頃好きだった科目は?】

答え:理科

「理科かな・・・結構好きで得意でもあったからね。小学生の時は100点満点取りまくってたね。理科だけは。楽しくてしょうがなかったですね。勉強って感じほとんどしなくて、漫画とか読むよりも“図鑑”とかよんでわくわくしてましたね。」 


:「!そういう男子クラスに一人は居ましたよね!!その男子ですね(笑)」 


:「あ、でも科学者になりたいとかまでは思わなくて、文集の将来の夢は?の問に「漆器屋さんになる!」ッて書いてありましたね(笑)数学嫌いだったし。」 


:「おぉーーー流石!」 

【Q4.一生手元に置いておきたい“仕事道具”は?】

答え:巻尺

「巻尺かノギスですね。測定する機械は手元に置いておきたいですよね。・・・巻き尺ってなんかあれだな。「コンベックス」っていうんやけどね。ま、巻尺でいっか。日本人やしね。(笑)」

【Q5:好きな映画は?】

答え:富山県高岡 ローカルショートムービー『すず』

「やぁ、すずだな!映画はよく観ますし映画は好きですけど、ある意味“映画の裏側”を初めて見れたというか、見せて頂いてそして映画に関わった人達もひっくるめて、生涯で一番心に残る作品になりましたね。本当特別です。」 


:「コレは菱川さんにお伝えせねば!!!嬉しいです!!!」

おわりに〜伝女 村上真希のつぶやき

漆器くにもとさんは「高岡いくんだけどおすすめ何処かある?」って聞かれたら、必ずおすすめするお店の一つ。

高岡は【鋳物】と【漆器】の産地なのです。

“梅彫シリーズ”は40年前からある商品なのですが、いま見てもとっても心躍る商品で、実際私の生まれる前から作られているデザインに色に存在感に、痺れるものがありました。

逆にとてもそれが新鮮で不思議な感覚でした。

國本さんは色んなデザイナーさんとコラボや挑戦を率先して行っている問屋さんで、螺鈿でのアイフォンケースや可愛いアクセサリーなど、若い子たちにも漆器や螺鈿をより身近に感じてもらい、生活の一部として、そして宝ものになるような商品を打ち出されていて、村上真希的には、高岡で特に動きの気になる方です。

まだまだ、今後の動きに要注目です!!

つぎはどんなん挑戦へ向かっているのでしょうか?わくわく・・・♪

ちなみに・・・このインタビュー後、螺鈿職人の伝統工芸士 折橋さんの工房で、折橋さん指導のもと可愛い螺鈿お箸を制作したのでした!!

・・・・んーーーーーーーー!!!!ものづくり最高!!!!!!!!!

つくるの楽しいし、何よりも、また宝物増えちゃった♡大切に使います(*´艸`*)♡

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螺鈿の伝統工芸士 折橋さんと♡