「つくり手とつながる」を考える てならい堂の6月。
てならい堂では自分にとって心地よく、社会にも環境にも良いことをしていると感じられる生活を、”こころよい生活”と呼んでいます。これまでもそれを知るための様々な機会を模索してきましたが、さらにさらに自分たちにとって”こころよい生活”を探すために、季節ごとにテーマを決めて、取り組んでいます。
2022年 春のテーマは「つくり手とつながる」です。
つくり手とつながるとどんなことができるでしょうか。身近なところで、モノを作ったり、直したりしているつくり手さんがいますか?普段よく使ってる道具をつくった人を知っていますか。
「つくり手とつながる」を考えるために、
てならいに参加してみる。
てならい堂(ひみつの小店)に遊びに来てみる。
自身の生活の中で見つめ直してみる。
それぞれのやり方で、皆さんも自分にとってのこころよい生活を探してみませんか。
「つくり手とつながる」6月の話題。 ・夏から冬へ。TOKIIROに学び、多肉植物を育てるワークショップ |
1)譲り合ってめぐって、輪っかは広がる
こんにちは。スタッフのリムです。夏がやってきそうで、お庭にあるアジサイはそろそろ綺麗なお花を咲かせる準備をしています。夏、日本の夏といえば私は浴衣姿で花火をみに行く風景が一番最初に思い浮かびます。
日が暮れて少し涼しくなった夏の夜、皆で色とりどりの浴衣を着て花火を見に町内の神社に向かうことは、私が日本に来て毎日のように夢見ていたことです(ちょっとダサいですかね笑)。日本に来たばかりの時に、ちょうど友達が「自分には色が合わないから、リムにあげる!」というので、その人の浴衣を一着譲ってもらったのに、コロナでまだ「夏の夢」を実現することは成し遂げられないまま残っています。 コロナが落ち着いたら絶対浴衣姿で行くつもりなので、デビューできる日だけを首を長くして待っています。
ですが、せっかくいただいたのだから正式な方法で着付けして出かけたいなと思ったんです。でも着付け方をネットで調べて一人でやってみてもよくわからなくて、そのまま押し入れに仕舞ってしまった状態で時間は経っていきました。誰かにちゃんと教えてもらえるといいけど、どこに行けばいいのでしょう。
そこで、突然思いついたのが、「着物の先生に教えていただけないか!」ということでした。てならい堂では毎月運針・小物作り・着物作りという3段階の和裁教室を開催しており、「ツヅクキモノ」の二人の先生に教えていただいてます。私もしばらく体験の時にアテンドさせていただいたことがあり、先生方々に仲良くしていただいておりました。
訳を説明しながら先生に相談したら、快く手伝ってくれると言っていただきました!仕舞ってから時間がだいぶ経ったので少し古くなったので、これからのお手入れ方法や着付けも教われたいと思っています。早く習いたいな!(できればその後記もお伝えしますね笑)
初めは運針という、和裁の基本になる縫い方を学ぶ場でお会いしたけれど、作ることだけではなく、長く着るための方法など、着物と浴衣というモノのまわりのことまでよく教わって、考えて、私もまた私の子供に、あるいはまたお友達に譲りたいなと思いました。
この浴衣をよくみつめてみるときっと作った人の想いと、着た人の性格、譲り合った同士の間での感情、そしてそれを伝えるためにすべての工程に係っているたくさんの人たちが手を繋ぎ、輪っかになっていると思います。その輪っかをまた長く、遠くまで広げられるよう、作り手さんと使い手がどんどんつながってほしいです。
皆さんももし子供に譲りたいモノがあれば、今日は作り手さんに会いに行ってみるのはいかがですか?きっと子供の世代までそのモノがめぐるようたくさん教えてくださると思いますよ。
2)実際に“つくり手とつながって”みる
・工房を訪れ、つくり手に出会い、モノを手に入れる特別な体験
お店で気軽に欲しいものが買えるけど、自分が手に入れたモノの中でつくり手の顔が分かるモノはいくつあるかな?と思うんです。つくり手の工房へ行き、想いを聞くこと、モノが作られる周りの土地の空気を直に感じることはきっと素敵な体験になるし、手に入れたモノも長く大切に使っていきたいと思える。今回はそんな特別な体験を楽しめる企画をご用意しました。
もうすぐ父の日、私も毎年贈り物をしてます。が、そろそろアイディアが尽きる、、、お酒もお洋服も色々あげてきたなー。皆さんは今年の贈り物決まりましたか?今年は工房体験をしてから傘やネクタイをお父さんへプレゼントするのはどうでしょうか。
開催は6月18日(土)父の日の前日!特別な体験させたいお父さんがいるあなた!今年は山梨の工房へ訪れてみませんか?もちろん自分のために!という方も大歓迎です。
■最高の傘をつくり手から直接手に入れる。工房見学+お買い物体験
伝統を続けていく傘のつくり手と出会える特別な一日。
■最高のネクタイをつくり手から直接手に入れる。工房見学+お買い物体験
上質でオシャレなネクタイのつくり手と出会える特別な一日。
同時開催なので、両工房を見学できますよ。
・夏から冬へ。TOKIIROに学び、多肉植物を育てるワークショップ
コロナになって家にこもっている時期に、小さな段ボールが届きました。その中には可愛らしい多肉植物たちが並んでいて、また隣には綺麗な色の小さな砂利と砂がありました(なんか科学時みたにな感じがして、盛り上がってました笑)。
コロナで外には出かけられず、先生にオンラインで多肉植物の寄せ植え方法を教えていただいたんですけれども、不安や心配でいっぱいだったその時期に会ったとても多彩で素敵な時間でした。ベランダで日光を浴びてる多肉植物をみたり時々水をやったりしながらたくさん共感し、小さいけど存在感のある緑は一人のおうち時間を楽しくしてくれましたね。未だにもその時のことをよく思い出します。
TOKIIROさんは「植えた時の姿を完成形として捉えず、育てながら時間が経って季節が変わるとどういう変化があるか、どう成長していくか」を大事にしています。人間と同じく生き物ですから、人とともに成長していくこのちび子を育てて毎年違う季色を見せてもらうこと、その「育てる」が植物の本質ではないでしょうか。そして私はたくさんの緑に囲まれ、一緒に成長していくそのような暮らしを夢みます。
この度、てならい堂で開催する多肉植物ワークショップは夏と冬、2回開催です。せっかく植えたのに上手くいかなくて枯れてしまったりしないように、育て方や基本知識も教えていただけます。夏に寄せ植えた多肉植物が冬にはどういう表情をしているか一緒に見てみませんか?詳細は以下のリンクよりご確認ください。
■【てならい】夏から冬へ。TOKIIROに学び、多肉植物を育てるワークショップ
・あづま袋も自分でつくれる。”好き放題”染めワークショップ。6月
てならい堂のひみつの小店からそれほど遠くない落合は江戸の染物の産地でもあります。今も工房の周りを歩くと所々に仕立て屋さんとか染の工房の看板とかが残されており、染めで栄えた町であったことがわかります。そこで100年も続く歴史を持つ「染の里おちあい」さんの工房があります。
染の里おちあいさんに出会ってから、てならい堂では定期的に色んな染めの体験を開催しています。桜が咲く時期には桜染め、夏には藍の生葉染めを。型染めや板締めなど染め方を変えたり、スカーフやエコバックなど作るものを変えたりして、染めの可能性を皆さんに伝えています。桜や藍のように自然素材は収穫した時期によっても、その植物の状態によっても染まり具合や色味が全然違うので、もし染の里おちあいさんに出会えなかったら私はその不思議さを一生知らなかったかもしれません。
私にそのような気づきを与えてくれた染め体験、今回は市松模様で長い布一枚を染めてみる、いわば「好き放題染め」体験をご用意しました。防染してある布の上に点をつけてみたり、色を変えてみたり、線を重ねてみたり。やってみたいことは全部やってみてください。そんお好奇心の結果どんな素敵な染物ができるか楽しみですね。
どんな工程で染物ができるのか、真横で作り手さんの姿を見つめてみれる機会。なんなら染めについてなんでも聞けるチャンスです!遠く感じた物作りのことが一気に縮まると思いますよ。ご興味のある方は下のリンクより詳細をご覧くださいね。
■【てならい】あづま袋も自分でつくれる。”好き放題”染めワークショップ。6月
3)“つくり手とつながる”について考えてみる集まり(てならい365日のススメ)
いかがでしたか。みなさんも一度、つくり手とつながるということについて考えてみませんか?意外な発見があると思いますよ。
この3ヶ月、暮らしにある道具やモノを見つめてみて、つくり手さんと仲良くなりたいと思います。てならい堂ではそうやって自分の生活を見つめ直してみる機会を、「てならい365日」と名付け、皆さんにオススメしています。会場は自宅ですし、参加者は今日はおひとりですけれども、これだってひとつのワークショップと言えると思います。
やり方はとても簡単。ノートを用意して、テーマについて書き出してみる、以上です。けれど騙されたと思って書いてみてください。書き出された文字を見ていると不思議と次々と新しい考えが思い浮かぶものです。
そうやって自分の考えを進めていくことが、自分にとっての「こころよい生活」を見つけることにつながると思うんです。そして、はっ!とした気づきがあったら、ぜひてならい堂に共有してください。メールでもいいですし、てならいに参加した時やひみつの小店に来た時に、そっとスタッフへ教えてください。あるいは3ヶ月ごとに開催する「みんなのアイデア共有会」で一緒に話し合いませんか。
もしかすると同じワークショップに参加した人も、実は自宅でてならい365日に取り組んでいる仲間で、お互いに共感できるかもしれませんよ。
よーし、ちょっと考えてみようかな。と思ったあなた。今回は、「時間をかけて暮らす」を考えるにあたり、まずはてならい堂が提案するお題をご参考にしてみてはどうでしょう。
365日では新たに日々の事ごととして「お題」をアップしていきます。それをみてやってみたいな、と思うものがあれば是非やってみてみてくださいね。365日のインスタグラムでもアップしてます。こちらもどうぞよろしくお願いします。
てならい365日インスタグラムはこちらから
やってみて、どんなことでも結構ですので、気づいたことをノートに書き出してみてください。どんなノートでも構いません。構いませんが、形から入りたいという方(笑)向けに、てならい365日専用ノートもありますよ。
ノートの購入はこちら
さて、色々と「つくり手とつながる」についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
今月はスタッフのまきちゃんが”つくり手とつながる”についてコラムを描いてくれました。彼女の木彫りのクマを彫る話やクマを彫るつくり手、さらにはクマを彫る彫刻刀のつくり手の話。ぜひ覗いてみてくださいね。
お話しはこちらからどうぞ👉つくり手とつながる:熊を彫る
「つくり手とつながる」のテーマに取り組んでから3ヶ月。みなさんの「つくり手とつながる」についてぜひご感想もぜひ聞かせてください。
今後、てならいの参加者募集とともに、てならい便り(メルマガ)にて随時このテーマについてご案内していきますので、まだの方はぜひこちらからをご登録くださいね。
「こんなことも知りたいよ」みたいなご要望あれば遠慮なくお問い合わせフォームやメルマガにご返信ください。
今月も皆さまのご参加をお待ちしています。てならいの会場で、ひみつの小店(神楽坂)で、色々とお話ししましょう!
つながるとは
作った人の顔を思い起こせること
つくり手との輪っかができたら
いつか子どもも
つくり手とつながる