千葉県千葉市美浜区にある皮革工房に伺って、普段使っている本物の道具をお借りし、がまぐち職人歴50年!の中川さんから本革のがまぐちの作り方を学ぶワークショップです。

好きな革を選び、ミシンを使って縫製し、口金と革とを接合する技術を教わって、パチンと気持ちいい音が響くがまぐちを作りましょう。

蝦蟇(がま=カエル)の口のように大きく開くカタチが、“がまぐち”と呼ばれる由来。膨らんだカタチが金運をアップしてくれるらしいですよ。けれど、大切にしたいと想うモノを守ることが、がまぐち本来の役割でもあります。

使い込むほどに味わい深くなる、自分で作った本革のがまぐちに、さて、一体どんな大切なものを入れるのか、今から楽しみで仕方がありません。

ナカクボと呼ばれる、中央部分が凹んだタイプのがまぐち。今回作るがまぐちのカタチがこちらになります。

ナカクボと呼ばれる、中央部分が凹んだタイプのがまぐち。今回作るがまぐちのカタチがこちらになります。

まず、好きな本革を選ぶところからスタート。革がやわらか過ぎたり、逆に硬過ぎたりすると今回のがまぐち作りに向かないので、予め裁断した本革を何種類か用意しています。本革といっても、その種類は実に様々で多岐に渡ります。

今回選べる本革。爽やかなカラーや柄、人気の本革を用意しています。

今回選べる本革。爽やかなカラーや柄、人気の本革を用意しています。

裏地の色も選べます。予めカードが入る位の大きさのポケットが縫製されているので、使い勝手も良いがまぐちですよ。

裏地となるシャンタン生地。本革との組み合わせを考えるのも楽しいですね。

裏地となるシャンタン生地。本革との組み合わせを考えるのも楽しいですね。

選ぶ楽しさも今回のワークショップの醍醐味でもあり、味わってもらいたい体験の一つ。予め、どんな色のがまぐちを作りたいか想像しておくと、その後の作業がスムーズになって良いかもしれませんね。

本革が並ぶ、工房内の棚。選べる革は限られますが、それでも迷ってしまいそうですね。予め、どんな色のがまぐちを作りたいか想像しておくと、その後の作業がスムーズになります。革の裁断や、革漉きの作業は、希望があれば見学もできます。

本革が並ぶ、工房内の棚。革の裁断や、革漉きの作業は、希望があれば見学もできます。

作りたい革が決まった後は、裏地となる部分と、革の部分それぞれの縁の縫製を行っていきます。本格的なミシンをお借りして縫っていきますが、ミシンでの縫製が苦手だったり、間違ってしまったとしても、サポートしていきますのでご安心ください。

マチの部分を縫うときは少し緊張するかもしれません。

マチの部分を縫うときは少し緊張するかもしれません。

縫製が終われば、裏地と革とにゴムのりを付けて重ね合わせていきます。

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ここまでできたらいよいよ口金にはめ込んでいくのですが、ここからが大変。革と口金部分との接合は難しく、繊細な作業が求められるところです。口金にはめ込んで全体の出来具合を確認した後、一旦外し、今度は紙紐を使ってしっかりと接合していきます。

口金を一旦外して確認していきます。

口金を一旦外して確認していきます。

この作業に、作業全体の約半分の時間がかかります。中川さんの他にもサポートしてくれるスタッフの方がいますので、都度確認しながら進めていきましょう。

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教えてくれるのは、がまぐち職人歴50年、多数の業界関係者から信頼を寄せられている、有限会社ナカワの中川守和さん。長年、幾多の大手革小物ブランドの受託製造を行ってきており、その品質には定評があります。

上質な本革を使い、長年の経験によって培われた技術を活かして、一点一点丁寧に革小物を仕上げています。がまぐちはもちろんのこと、革小物全般の製作を行っています。

がまぐちは、見た目の可愛らしさはもちろん、機能性もある優れ物。パカっと大きく開くので、出し入れしやすかったり、片手だけで開閉できるメリットがあります。パチンという音の響きも素敵ですね。小銭を入れるお財布としての用途が中心になっていますが、大切にしたいと想うモノを守ることが、がまぐち本来の役割です。

数々のがまぐちを世に送り出してきた、中川守和さん。大手メーカーからの信頼も厚い。

数々のがまぐちを世に送り出してきた、中川守和さん。大手メーカーからの信頼も厚い。

海外製の安い革小物が日本で普及し始めた頃から、国内のがまぐち需要と共に職人も年々減っていき、残念ながら今では殆どいないのが現状です。本革でがまぐちを作れる職人は、全国でも一握り。がまぐちの文化やその技術を、次の世代へとつなげていきたい。しかし、どうすれば良いのか・・・という想いが、中川さんにはあると言います。

てならい堂は、実際に作って手に入れる体験をすることで、改めてがまぐちの魅力を知り、そのことが次につなげていくことに繋がるのではないかと考えました。

今回使用する主な道具類。どれも、普段使っているものばかり。

今回使用する主な道具類。どれも、普段使っているものばかり。紙紐は、口金に革を入れる時の押さえとして用います。

どの家庭にも一つ以上はある(もしくはあった)のではないかと思うほどに普及していたお財布の代表格、がまぐち。近年はカードの普及で長財布の需要の方が伸びていますが、使い勝手の良さから見直されてきており、女性を中心に根強い人気があります。

本革は、触れて心地よく、使い続けると馴染んでくる素材。長く使ってもらえるがまぐちを作りたいという想いで、本革にこだわったがまぐちを50年作り続けてきた中川さんだからこそ、誰よりもがまぐちの魅力を知っているし、そんな方から教わったがまぐちの魅力は、きっと次の世代へと繋がっていくと、てならい堂は思いました。

完成したナカクボのがまぐち。選んだ革によって、仕上がる雰囲気も人それぞれ。比較的しっかりした本革を使って作るので、中に入れるものを守ってくれます。小さな手鏡やリップクリーム、化粧品、お薬、アクセサリー、最近ではモバイルバッテリーを入れる方も多いとか。

完成したナカクボのがまぐち。選んだ革によって、仕上がる雰囲気も人それぞれ。比較的しっかりした本革を使って作るので、中に入れるものを守ってくれます。小さな手鏡やリップクリーム、化粧品、お薬、アクセサリー、最近ではモバイルバッテリーを入れる方も多いとか。

口金(くちがね=がまぐちの金具部分)一つで、いろんな形のがまぐちを作ることができるのが、がまぐちの魅力だと中川さんは言います。これまでに扱ってきた口金は分かっているだけで200種類以上もあるそう。

天溝押口と呼ばれる、口金のつまみの部分が無いすっきりとした印象を持つがまぐちの開発にも、いち早く着手されました。つまみが無いがまぐち、さてどうやって開けるのでしょうか。実物はショップに置いてあるので、ぜひ手に取って体験してみてくださいね。

ショップ兼工房となっている中川守和匠店は、最寄駅である稲毛海岸駅から徒歩約15分、近くで止まるバス停もあります。東京からであれば、京葉線で一本で来れますよ。

本革で作ったがまぐちに入れたい、あなたの大切なモノは何でしょうか。皆さんのご参加をお待ちしています。

商店街の一角に佇む、中川守和匠店。

商店街の一角に佇む、中川守和匠店。がまぐちの他、革小物製品が多数販売されている。

※6月23日(木)10時まではサポート会員優先期間となります。

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