【てならい後記】深める金継ぎ(欠け編)と深みにハマる蒔絵教室。7月期(第3回)
こんにちは。にっぽんてならい堂の松本です。
お盆休みをはさんで、約1ヶ月ぶりの開催です。
生徒さん同士「お久しぶりです!」の挨拶から始まり、教室の後は「やっぱり楽しい、あっという間に終わっちゃった。」と久しぶりの金継ぎを楽しむ声が聞かれました。
前回作業した器を確認しながら、気持ちのスイッチをオンにして指先の感覚や記憶を呼び覚ます感じでしょうか。
さて今回は、錆漆を盛った器を水研ぎして黒漆で下塗りをしていきます。
「高台やフタはシャープに仕上げること。」と行庵先生。何故かと言うと、器物がどこかに接するような箇所をふっくら仕上げてしまうと蒔絵が擦れて取れてしまうため。
どこに欠けがあるのか、その修復はどうすれば適切なのか、常に考えながら作業を進めることが必要なんですね。。教わった通りにやること以上に、もしかしたら“器の状態を判断する力”が大切なのだと改めて思います。
早速、ペーパーやすりに水をつけて錆漆を研いでいきます。ペーパーを折って細かな凹凸は研ぎ、平面を出したいところはスポンジやすりを使います。
生徒さんが均一なちょうど良い厚みで下塗りができたマグカップ。そこをしっかり褒めた上で、もう一つ先を見据えた作業を行庵先生から教えてもらいました。
漆はゆっくり固まっていくのですが、塗った後に重力でその漆が垂れていくそう。そのことを想定して、塗る時は下の方を薄めに塗っておくと、より均一な下塗りになるとの事!
フチもしっかりと塗ります。
案外忘れがちな事として、塗った後に器を入れる漆風呂(乾燥させる箱)を用意しておくこと。欠けやヒビが多かったりすると、全部塗り終えた後に「さぁ、どうやって入れて保管しよう…。」と頭を抱えることになり兼ねませんのでご注意を!
欠けの器にツヤっと光る黒漆の下塗りが出来たら、本日の作業は終了です。
こちらは並行して作業をしている、黒漆で線をひいた割れの器とお盆。
ブローチとお揃いのピアスに、黒漆で繊細な線をひいていきます。
和気藹々と楽しみながら、どんどん技術が上がっていく生徒さん。次回も楽しみです。