【てならい後記】深める金継ぎと深みにハマる蒔絵教室。23年春(第3回)
こんにちは。てならい堂スタッフのまつもです。
教室の開催日がバレンタインデーで生徒さんからチョコレートいた だきました。
パッケージが手作りでとっても素敵だったり、 かわいいお菓子もいただき、とっても嬉しい気持ちになりました。
さて第3回目は、錆漆、中塗りの工程を行いました。
器や割れの具合により、錆漆をつけるものと、 錆漆を行わず中塗りに進む器に分けて工程を行いました。
基本的にはコクソ漆の後は錆漆の工程を行いますが、無釉の器、 錆漆を行う事によって器を汚してしまいそうな器は、 錆漆の工程を行わずに中塗りに進みます。
この中塗りでは、新しい漆(サラサラの漆) を使うとへこみを埋めるのに何度も漆を塗らないといけないのです が、 この教室では先生特製の粘度を高くしている漆を使って中塗りを行 いました。
この漆は刷毛洗いなどで一度使った漆を、 溜めておきそれを濾してまた使えるようにしているそうです。 漆の中の水分が少し抜けて厚みをつけて塗っても湿度を調整して乾 かしても縮まないのだそう。 数回分塗った時の厚みで乾いてくれます。
ただ、 粘度が高く伸びにくいので筆で塗るのがちょっと大変で時間がかか ります。
金継ぎ難易度が高いので、 まずは釉薬がしっかり入った器で筆の練習をしてから行うと良いと 思います。
【欠け編】
前回コクソ漆をつけた部分を600番のペーパーやすりを使って面 を整えていきます。
600番のペーパーと1000番のスポンジやすりを使い分けると 器を傷つけずきれいに仕上がります。
錆漆を作っていきます。
錆漆は乾かなくなることが多いので、この教室では輪島地( 細かい物)を少し入れて乾きやすくします。
錆漆は砥の粉と輪島地4辺地を水練りし、瀬〆漆を加えます。 分量は2:1ほど。
漆が多すぎると乾かなくなってしまうので、 漆は少なめでもいいそうです。
今回は刷毛付けで錆漆をつけていきます。
錆漆は空気に触れていると乾いてだんだんカピカピになってしまう ので、 作った半分くらいをラップに取っておくと後からまた新鮮な錆漆を 使えます。
あまり時間をかけすぎないことがポイントです。
【割れ編】
前回はルーターで溝を作ってから錆漆を入れていました。
まずは、前回付けた錆漆をスポンジやすりで水研いでいきます。
研ぎを行う時も器に負担をかけないように気を付ける。
中塗りでは黒呂色漆を塗っていきます。
黒呂色漆は、漆に鉄分を加えて変質させて黒くなっています。 顔料が入っていないのに色が変わるって不思議ですね。
細い線を描くときは根朱替わり筆を使っています。
根朱替わり筆とは、漆用の蒔絵筆です。
本来は根朱筆で琵琶湖沿岸に生息するカヤネズミの脇の水毛を使用 したもの。
猫の毛などで代用しているものを根朱替わり筆と呼びま す。
本来は根朱筆で琵琶湖沿岸に生息するカヤネズミの脇の水毛を使用
猫の毛などで代用しているものを根朱替わり筆と呼びま
みなさん上手にスピーディーに中塗り終えていました◎
【ブローチ制作編】
前回の続きで螺鈿の方
猫さんは今回初登場です。
まず、白漆で全体を白く塗りました。
首輪の鈴を金粉の平目12号粉というとても大きな粉を使っています。
ブローチ制作も楽しみです。
今日の作業はここまで。
教室の中で先生より隔週で行われている道場の拭き漆のお椀などを 見せていただいたり、生徒さん自身の器の相談が出来たり、 本当に様々なお話が聞けるので深みにハマってきている様子です。 次回も楽しみです!