沖縄に伝わる伝統的な織物で生地を織り、さらにはそれをバッグやクッションカバーなどに自分で仕立てるワークショップです。

開催場所は沖縄!沖縄市で織物を織るblossom cloth琉球とその生地を扱うFABRIC SHOP MINAMIのお二人の伊波(いは)さんにb’koza (ビコザ)織を教えてもらいます。

木製の織り機を一台お借りして、シャー、トントンと織っていって、自分自身の手から一枚の生地が出来上がる感動を味わえますよ。

そして生地で終わらずに、織った生地をミシンを使ってバッグやクッションカバーなどの形にして、生活の中で使えるものに仕立てます。

初心者でも、織物もミシンでの縫製もしっかり指導してもらえるから大丈夫。織り物に半日、ミシンを使っての仕立てに半日と一日がかりの大仕事になりますが、終わる頃には、上達してもっとやりたい!ってなってるはずです。

日程は、1ヶ月前までのお申し込みで、沖縄へ行くタイミングに合わせて、随時お一人から開催します。沖縄へ、自分が使うものを生地から織って、つくりに行ってみませんか。

ずらりと並んだ織り機。この一台をお借りしますので、自分で生地を織上げてもらいますからね。

ずらりと並んだ織り機。この一台をお借りしておきますので、自分で生地を織上げてもらいますからね。

花織って知っていますか?

 

さて、皆さんは花織(はなおり)って聞いたことありますか?

花織とは沖縄に伝わる織物で、琉球王朝時代からの歴史があります。

それにしても、全国どこの産地で説明してもらっても、織物って複雑で難しい、、、その中でも花織は特に複雑に思えます。そんな織物音痴のてならい堂なりに理解した内容をちょっと説明してみます。

織物はたて糸とよこ糸を重ねていく(=織る)ことで一枚の布になります。一本ずつ交互に重ねていくのが最もシンプルで、これが平織(ひらおり)と呼ばれる生地ですね。

花織はそこに別の色の糸を加えて柄を表現します。平織の生地はつまり、たて糸とよこ糸が交互に顔を出していますが、このたて糸やよこ糸の上に別の色の糸を表に出す(=浮かす)ことで、柄をつくっていく技法です。

奥のグレーの地糸の上に、黄色と紺の浮糸がセットされていて、これを浮かせたり隠したりして、グレーの地の上に花織の柄を表現していくんですね。

奥のグレーの地糸の上に、黄色と紺の浮糸がセットされています。これを浮かせたり裏面を通したりして、グレーの地の上に花織の柄を表現していくんですね。

これは浮き織や紋織と呼ばれ、日本の他の地域にもありますが、沖縄ではこれを花織と呼び、この別の色の糸を浮かせて作った模様は”花”と呼ばれ、その組み合わせによってさまざまな意味があり、さらにその柄の組み合わせは無限です。

そして柄をつくるためには、その糸を事前に柄を浮かす位置に”おさ”と呼ばれる櫛(くし)の様な道具に一本一本通しておくという、気の遠くなるような準備があります。

沖縄の織物の柄はシンプルです。シンプルに見えますが、実は気の遠くなる様な手仕事で作られているのですね。

けれども基本的には平織ですから、高度な技術を必要としないため、初心者でも楽しく機織りができますし、花の部分では同じデザインでも、織った人によって表情が変わるとっても魅力的な織物なんです。

こちらが「おさ」。今は金属ですが昔は竹製。設計図に従ってこの目を数えて、一本一本あらかじめ通していく必要が、、、気が遠くなります。大丈夫、ここまでは準備していただいてます。ありがたい限りです。

手前の道具が「おさ」。今は金属ですが昔は竹製。柄を入れるときは、設計図に従ってこの目を数えて、この間に一本一本あらかじめ通していく必要が、、、気が遠くなりますよね。でも大丈夫。ここまでは準備していただいてます。本当にありがたい限りです。

b’koza 織とは

 

沖縄には首里花織や読谷山花織など地域ごとに特色ある花織がありますが、これらは王様に献上される税として織られていたので、幾何学模様が連続していくようなその紋様や色について、厳格な決まり事があった様です。

これに対して知花地域周辺にあった知花花織は、献上品ではなくてあくまで自分達がお祭りなどのハレの日に着るものとして織られました。

それゆえに知花花織の特徴は、その自由さにありました。始まりと終わりで柄が違ったり、予め用意された浮糸の代わりに、直接糸を刺繍の様に織り込んでいく”手花織”を駆使するなど、自分達の着たいモノを作るために、織る人の気持ちが反映されている布なんだと、伊波さんに教わりました。

そして明治に入り、モノが外から入るにつれて段々と衰退。そしてさらには戦争で全て焼けてしまい、一度は知花花織は消えてしまいました。

しかし花織は沖縄の人の心。かつてはどんなときにも花織だけは持って逃げたとか。

そうして残っていた生地とかつてを知る人たちからの伝承を聞き集めて、伝統ある織物を復活させたいという人たちの熱意で、知花花織は1989年に約100年ぶりに復活を遂げたそうです。

今回教えてくれるblossom clothさんは、この知花花織を原点としてコザの街で創業し、ご自身が学んできた様々な伝統的な織物の技法の中に多くの花のモチーフを混ぜ合わせた『b’koza織』(ビコザオリと読みます)を立ち上げて、織物の技術を継承するだけでなく、織物をやってみたい、学びたいという人たちにもつないでいます。

伝統的なものに、新しいやり方や新しい人たちを巻き込んでいく。これって異文化と独自の個性を大切にするコザの街のちゃんぷるー文化そのものだと話す伊波さん。”ごちゃ混ぜの文化”ってなんだか心惹かれる言葉ですよね。

こちらが縫い取り花織。設計図を見ながら、手で色糸を加えながら折り込みます。知花では「てぃばな」と呼ばれます。

こちらが縫い取り花織(手花織)。設計図を見ながら、手で色糸を加えながら織り込みます。知花花織では「てぃーばな」と呼ばれます。

そもそも沖縄では機械化が遅れたために、手織りが残った様です。

けれど機械化されていたとして、果たして沖縄の織物は衰退しなかったのでしょうか。戦争で焼けた機械式の織物を復活させたいという熱意ある人は現れたでしょうか。

歴史に”たられば”はなく、分からないことですが、世の中から遅れてしまうことで逆に残るものもあるのかもしれません。

沖縄の歴史、特に女性の歴史は、その女性自身の手による織物によって伝え継がれてきたものが少なくないはずです。だからこそ土地の人たちはこの織物を復活させたのではないでしょうか。

私たち日本人は、沖縄の歴史とその風土に、特別な敬意を持っています。花織の織り機に向き合う時、私たちの気持ちとこの土地で受け継がれてきた想いとが、初めてつながるような気がしませんか。

てぃばな。模様に決まりはなく、織り手による自由奔放な柄が知花花織の本質です。

てぃーばな。模様に決まりはなく、織り手による自由奔放な柄が知花花織らしさです。

選べる体験!

 

実際につくるものは、次の3つの中からお好みで選んでいただけます。

①b’koza織で作るファスナー仕立てのクッションカバー

沖縄の街でよく見かける花ブロックの柄をモチーフとしたクッションカバーです。

地色と模様の色糸をそれぞれ選んで、表面の模様入りの生地を織って、裏地とファスナーと縫い合わせて、クッションカバーに仕立てます。

台風の多い沖縄の建築物はほとんどがコンクリートですが、その外側には風通しと目隠しを兼ねた「花ブロック」と呼ばれる外壁材が使われています。花は花織に通じる模様を指すという説も。

沖縄の風景をさりげなく生活の中に持ち込んでみませんか。

・サイズ:50cm×50cm
・所要時間:5時間(機織り3時間 縫製2時間/端縫いファスナー取り付けなど)
・作業内容:織物はクッションの表面50㎝〜60㎝を織います。
・仕様:裏地およびクッション裏面には既製の布を使用します。
・お渡し:作品は当日お持ち帰りいただけます。
(選択肢)
・事前に地糸の色、柄の部分(浮糸)の糸の色の組み合わせを上のサンプル画像から選択してください。
 A.オートミール×ラスト×エメラルドの3色
 B.ベージュ×ダークベージュの2色
 C.オレンジ×アフリカンブラウンの2色
・後方の布とファスナーは当日、現地で現物の色を確認しながら選んでもらいます。

②手結い絣と経浮織物のショルダーバッグ

 

ストライプの記事にシンプルな”花”を織り込んで一枚の生地を織り上げ、その後、ショルダーバッグ(サコッシュ)の形に仕立ててください。

シンプルな四角を組み合わせた模様は、花織の定番と言えます。

肩掛けのサコッシュはちょっとしたお出かけに使いやすいですよ。

・サイズ:H25cm×W17cm
・作業内容:生地50㎝を織って、その後バッグにします。ショルダー紐の部分も自分で織ってから紐に仕立てます。
・所要時間6時間(機織り3時間 縫製3時間/本体袋縫い、ポケットや裏布取付、ショルダー紐作り)
・仕様:裏布付き。内ポケットあり
・お渡し:作品は当日お持ち帰りいただけます。
(選択肢)
・事前に地糸の色、柄の部分(浮糸)の糸の色の組み合わせを上のサンプル画像から選択してください。
 A.ベージュ×ダークベージュ×ブラウン の3色
 B.ベージュ×トルコブルー×ゴールドイエローの3色 
 C.ブラック×アフリカンブラウン×ゴールドイエローの3色

③二重織りの”てぃーばな”のタペストリー

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てぃーばなの柄を入れて、タペストリーを織り上げます。波が上に上がっていく模様は縁起が良いとされています。

予めたて糸をセットせずに、刺繍の様に色糸を加えていく縫取花織(てぃーばな)は、b’koza織らしさ溢れる技法。

こちらの体験は縫製無しで、一日中ずっと織り機に向き合うことができますよ。悔いは残りません。笑

・サイズ:巾38㎝×長さ90㎝
・体験内容:生地を1m織ります(この体験は、織物のみの製作となります)
・所要時間:6時間
・お渡し:洗い張りして、棒を差し込んで後日配送します。
(選択肢)
・地糸の色はブルー1色(一択)となります。
・てぃーばなと呼ばれる柄の部分の糸色は、作業しながら選んでもらいます。

いつか自分で作るに還っていく

 

伊波さんは生地屋の2代目。多くの生地を扱う中で、「どうやって作っているんだろう」と、その製法に興味を持つ様になったそうです。

やがて、そこここに織物はあると気付きます。「じゃあ自分でもできるんじゃないか」と織りを学び始め、今では「blossom cloth琉球」の屋号で、仕入れた生地だけでなく自分達で織ったb’koza織の生地を販売しています。

そして自分がそうであったように、「つくり手だけじゃなくて誰もが生み出せる」ということを知ってもらいたくて、織物を教えてらっしゃいます。

また、「生地で終わらずに生活の中で使えるものまで提案すること」がこだわり。併設のfabric shop minamiでは、洋裁の教室も開催しています。

女性たちが自分達が着るもの、着たいものを作るための織物であった知花花織の歴史そのままに、自分で作るということを提案してくれるつくり手さんです。そう、昔はみんな自分達で織っていたんですから。

織り機の浮きを上げて、柄が出てくるとみんな感動するそう。伊波さんはとにかく「楽しい」という気持ちを持ってもらいたいと話します。

皆さんも、買うだけじゃない選択肢を楽しく手に入れてみませんか。

ブロッサムクロス琉球、そしてルーツとなるファブリックショップミナミ。いずれも、沖縄の青い空の下です。

ブロッサムクロス琉球、そしてルーツとなるファブリックショップミナミ。沖縄の青い空。

旅行のついでに、あるいは織ることを目的に沖縄へ行きませんか

 

この体験、なんと日程は自由です。ご希望の日にてお一人様から開催を調整します。

旅行の機会に体験するもよし、そもそも織ることを目的に旅行を組むも良し。

「blossom cloth琉球」は沖縄本島中部の沖縄市にあります。那覇から車で40分くらい。那覇の市街って、高いビルが林立していた、思っているよりもずっと「都市だなー」って感じがしますが、沖縄市まで来ると、のどかな風景も広がり、私たちが勝手に思う沖縄の景色が、そこにありました。

沖縄では布には精霊が宿っていると考えられているそう。そして、それを織る女性にも精霊が宿るんだとか。

b’koza織は織る人自身が着るための織物。花織の里で、あなたがあなた自身の生活で使うモノを織って、生活に取り入れてみませんか。

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伊波さん母娘。生地に対して一生懸命なお二人です。