暖かくなってきて、久しぶりに再会する春夏の服。
あれ?買ったあの頃ほどワクワクしてないって思うこと、ありますよね。思い出深いものだけど、今はもう着られない、と奥に仕舞いっぱなしのものもあるかもしれません。

生活も気持ちも見た目も、変わっていくから当たり前だと思います。でもそんな服を、もう一度ワクワクして着られたら良いですよね。

今回開催するのは、おうちから持ってきた服を自分の手で染める、染め替えワークショップです。

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「染め替え」とは元々、古くなったり、似合わなくなったきものや上物の色を上から染め直すことです。聞いたことがある、知ってるけど実際自分で染め替えしたことのある人は少ないのではないのでしょうか。

ひとつのものを長く着続けるための昔からある手法ですが、これは、洋服にも置き換えられます。きものの染め替えと聞くと敷居が高いけれど、リメイクするという感覚だとなんだか身近に感じますよね。

捨てるのがもったいない、今持っているものを生かしたい、染色を自分でしてみたい、とか、新しく服を買う楽しさとはまた違った喜びがあると思います。

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今回は藍染で染め替えをします。藍の色は日本人の肌に合う色味なので、染め替えにぴったりです。

染料はインディゴピュアという濃く、染まりが良い染料なので、綺麗な色にも渋い色にも染めることができます。夏に行い、摘みたての藍の葉を使う生葉染めとはまた色味が違います。しっかり濃い色に染めて、柄を目立たなくして雰囲気をガラッと変えても良いですね。

反対に模様をつけることもできます。生地を結ぶ(絞る)ことによって、染色液に浸けない白い部分を残すことで柄をつくります。この絞りと呼ばれる技法を駆使して、狙った通りに柄を出すのが結構難しいですが、それが面白みでもありますね。

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持ち込みいただく衣類の種類としては、Tシャツ、シャツ類に限定しようと思います。後々、アウターなど大きなものも染めたいと思っているのですが、みなさんが染色に使う染料の量の関係で、今回はアイテムを限定させていただきます。

素材は、綿、レーヨン、麻などさまざまなものを染められます。特に綿や麻などの自然由来のものはしっかり色が出ると思います。地の色は、黒などの濃い色を避けていただければ、それぞれの表情で染まっていきますので、真っ白でなくとももちろんOKです。藍色は48色あると言われていますので、さらに地色があることでおもしろい染め上がりになると思います。

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このロングTはもともとグレー。割り箸で”しじら織風”の絞りを入れて染めています。

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ビー玉や割り箸、輪ゴムを使って、さまざまな絞りをつくることができます。無地で寂しいと思ったら、絞りの技術を使って染めてみてくださいね。

 今回も、いつも染めのワークショップでお世話になっている「染の里おちあい」さんで開催します。100年間もの間この土地で着物を染め続けている染めの里おちあいは、今は地域の染め工房として場所をひらくことで、私たちに五感を通じて、染め文化を伝えてくれています。

普段、きものの染色を行なっている工房での染め替え体験は貴重です。

100年前と今とでは、「染める」という仕事は、全く違う立ち位置になってしまったのだろうと思います。けれど、「自分で染める」という経験は、そのモノがどのような思いでつくられているかを知ることにつながります。

場所は、新宿区落合で100年に渡り着物の反物を染めてきた工房「染めの里おちあい」です。

場所は、新宿区落合で100年に渡り着物の反物を染めてきた工房「染の里おちあい」です。

染め替えをして色を変えることで、もう少し長く着られるようにする。地色や柄など、すでにある要素を生かしながら、予測できない染め上がりの具合を楽しむことができます。

同じ染料でも、みなさんまったく同じ色になることはありません。そして、翌日からは空気に触れて色味が変化したり、逆に褪せたりして「育っていく」過程を愉しむことができます。

今年の春夏は、自分で染めた藍色を纏って過ごしてみませんか?