【てならい後記】初めてのしっかり金継ぎ教室。2023秋~3回目~
こんにちは。てならい堂スタッフ山下です。
11月にはいり、気づけば色づいた葉っぱも見かけるようになりましたね。
先日知人宅で干し柿づくりを体験させてもらいました。以来、ちゃんと乾いているかな?と日々チェックするのも習慣に。
完成までの過程を楽しめるのも手仕事ならではだなぁ、と醍醐味を感じるこの頃です。
さて、9月からスタートしたしっかり金継ぎ教室も3回目。今回はアマノ先生のクラスをご紹介していきます。
まず前回のおさらいですが、ワレについては糊漆で接着、欠けについてはコクソで埋める作業でした。
3回目のこの日は、まず前回作業した箇所を彫刻刀やヤスリなどで整えたのち、
ワレ:接着箇所の細かいスキマを、とのこさびで埋める
欠け:前回埋めきれなかったところをコクソで、場合によっては とのこさびも使いながら埋めていく
工程です。
コクソは前回も登場していましたね。《とのこさび》は初登場。コクソのようにこちらも手づくりしていきますよ。一体どんなふうに作るのでしょう?
さあ、ここから作業スタートです。
まず行ったのは、コクソの材料のうちのひとつ、麻の綿を細かくしていく作業です。
ハサミでチョキチョキと小さくしていきます。
ちなみに..こちらの綿、別の植物でも代用できるそうです。それはガマの穂。
ガマ、生命力が強く水辺に自生する植物なのですね。
当たり前といえばそうなのですが、昔のひとは身近にあるものを工夫・活用して暮らしていたのだなぁと思いを馳せてしまいました。
綿が細かくなったら、ここで前回作業したところを整えてしまいましょう。
彫刻刀や耐水ペーパー、さらには天然の紙ヤスリであるトクサを使っての作業です。
整ったところで、またコクソや とのこさび をつくる工程に戻ります。
まずはコクソづくりの続きから。前回も登場した糊漆を作りましょう。上新粉でできた糊と生漆を混ぜていきます。
ここに、冒頭ハサミで細かくした綿を少しずつ混ぜていきます。
さらに地の粉も投入。ヘラで混ぜていくと、ジョリジョリと微かに小さな音が響いていました。
これでコクソの完成です。
コクソが出来上がったあとは、とのこさびの番です。
材料は、砥の粉と水、そして生漆です。こちらもヘラで混ぜていきましょう。
コクソも とのこさびも出来上がりました。ワレと欠けそれぞれの器に塗っていきましょう。
今日の作業はここまでです。
今回の工程では印象的だったのは、さじ加減でした。
器をヤスリなどで整えるとき
コクソ・さびうるしを手づくりするとき
それらを器に塗るとき
いずれの場面でも微妙な塩梅がもとめられ、みなさん探り探り作業されている様子がうかがえました。
でもその都度アマノ先生が丁寧に相談にのられていたので、皆さん安心して手を動かすことができたのではないでしょうか◎
ちなみにこの日は植物の話題も多く登場していました。前述したコクソ作りで使う綿についてだったり、天然の紙ヤスリであるトクサの話題だったり。派生するエピソードもみなさん楽しまれていましたよ。
集中しつつこうして楽しくおしゃべりできるのも、教室ならではの醍醐味かなと思います!
最後に..アマノ先生お手製のクマさんをご紹介して締めくくりますね♪
余ったコクソで少しづつ作っているところなのだそうです。フォルムといいサイズ感といい絶妙で、とっても可愛らしかったです◎ちなみに意外と重量感があるので、ちょっとした重しにするのも便利なのだとか。
アマノ先生の遊び心、素敵です!
次回は折り返し地点の4回目となります。
いよいよ漆を塗り重ねていく工程にはいっていきますよ◎
お疲れさまでした!