【てならい後記】“昇龍”のおりんの音色。音の波を体感するワークショップ
こんにちは!てならい堂スタッフのひかるです。
今回は富山県高岡市のシマタニ昇龍工房の島谷さんによる「おりん」の音色やヒーリングについて、実際に体験して学ぶワークショップです!
「おりん」と聞いた時に、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか??お寺で響く音であったり、仏壇に置いてあるイメージ??そもそも、いつから存在していたのだろう…
最初に島谷さんから昇龍や「おりん」の歴史について説明があります。「おりん」の起源はチベット。そこから日本に伝わり今の形となりました。
「おりん」の美しい音色は奥深く、穏やかに広がる音の波紋に古くから、場を清め、人々のこころを癒してきました。
…音の波紋とは?
「おりん」の音を実際に体験してもらうために、島谷さんが調音前と調音後の聞き比べクイズを出題!
「おりん」の音が響くと一気に空間が静かに。音の波を感じる為に、皆さんには目を閉じてもらいじっくり聴き比べをします…
今回の参加者は…全員正解でした!素晴らしい!!
仏具としての「おりん」の役割は“心を落ち着かせて祈りに集中する”こと。
「おりん」から響く音の波が早いと真空が激しく揺れます。一方、穏やかにゆったりと広がっていく音の波紋は一直線で集中しやすい良い音です。後者の音の波紋を調整することが理想です。
どうやったら理想の音色になるのか?調整をする時に、どこをたたいたら良いのか?それは、島谷さんにも分からないそうです…!
真鍮を百余りある金や木槌で叩き、炎を当てる焼き鈍し(やきなまし)を繰り返し、音の波紋を聞いては、たたいて、聞いて、たたいて…何度も、何百回もたたいて調整していきます。
自分自身の心に焦りがあると上手くいかない。心を落ち着けないと波が聞こえない、繊細な作業です。楽器の音階調整とは違い、うねりの波を調整するイメージです。
調整された「おりん」からどんな音の波紋が聞こえるのでしょうか?複数の「おりん」を使って島谷さんが演奏をし、皆さんに体験してもらいます。
様々なかたちの「おりん」から鳴る音は高さも、音色も違い、個性があります。けれど、その波が重なりあい、身も心も包まれ自然と心が落ち着く不思議な体験でした。
では、実際に「おりん」を鳴らして自分の好きな音を探してみましょう!!
「おりん」を鳴らす際は注意する点があります。「おりん」の見た目は金属で丈夫そうですが、実は厚い部分は上のエッジのみ。(持ってみると思っている以上に軽いです!)
音を鳴らすときは上の部分をばい(リン棒)で叩きます。
音探しと同時に、会場の奥では「おりん」の音によるヒーリング体験を実施。
お腹と頭の上に「おりん」置いて、耳で聞くだけではなく、音の響きや波紋を身体で体感することができます。
体験した皆さんからお話を聞くと「お腹が動いて、包まれている感覚があった。」「宇宙空間にいた気分」「根を張るような音だった」など一人ひとり感じ方が様々で、日常とは切り離された神秘的な体験だったようです。最後に集まって、自分のお気に入りの「おりん」の紹介や今日の感想を共有。締めに「おりん」を鳴らして、みんなで音を聴き合います
島谷さんから今日の体験を通し、仏具はお寺で聞くくらいしか機会が皆さんにはないと思うが「おりん」の音色は心地の良い音で、心を落ち着かせることを知って欲しい。「おりん」を皆さんにとって身近な存在になって欲しいと思います。と一言ございました。
私もワークショップで話を聞くまでは「おりん」は仏具で、日常に使うイメージは無かったです。けれど、音を聴くだけで静寂が生まれ、心が落ち着くことができる道具なのだと体感しました。
非日常だと思っているものが日常に入ってくる時に、今まで感じたことが無い感覚を知る事ができるのは豊かだなと思います。
富山県高岡市にあるシマタニ昇龍さんの工房では見学や、実際に「おりん」を鳴らすこともできるので、興味のある方は体験することもできます。一期一音の出会いがあるかもしれません♪
高岡は魅力的な町ですよ(^^♪
シマタニ昇龍
https://syouryu.co.jp