【だし】その土地の食文化によって変わるだし
あなたが住んでいる地域では、どんなものを食べていますか?
私の家では毎日の味噌汁は欠かしませんし、大根やレンコンなどをつかった煮物もよく作ります。蕎麦やうどんも好きなので、おいしいお店はチェック。冬だったらお鍋やおでんなども恋しくなりますね。
これらの料理に共通しているものは「だし」。
日本の食卓には欠かせない調味料の1つと言えるだしなのですが、普段よく口にしているものなのにちゃんと知りません。
今回「だし」ついて、静岡県沼津市で70年続くだしの原料となる節の生産をはじめとした水産加工業を営まれている山平水産と、本当においしいおだしとその魅力を伝えるための商品開発・販売をおこなっている株式会社ミカコーポレーションから代表の野中 美香さん、野中 晃広さんにお話を伺ってきました。
「だし」とは、かつおや昆布などの素材を煮出してつくる汁のこと。普段だし自体にフォーカスされることは少ないですが、和風料理の味付けの基盤となる重要な役割を担っています。
そんな「だし」で使われる素材ですが、地域の食文化によってだしになる素材も違うと言います。
例えば東京は「かつお節」一択。名古屋はきしめんで使われる「ムロアジ」。関西はサバやいわし。最近では関東でも広まりはじめ密かなブームとなっている「焼きあご」は九州でよく使われている素材だそうです。
日本と一言でいっても海の特性は違い、とれる魚もさまざまです。今のように流通手段がしっかりしていない時代は、その土地でとれるものを上手につかうしかなかったそうです。
その土地でとれるものを上手につかって工夫して調理する、ということが今の日本全国の多様な食文化が生まれた背景なのかもしれません。
今は流通手段やインターネットの発達により、日本中だけではなく世界中の食材を手に入れることができます。しかし多様な食文化が生まれた背景を考えると、便利さとは正反対ですがその土地でとれるものを上手につかうということも大切なことかも、と考えさせられました。
旅行ではその土地の食べ物を食べるのが楽しみの1つですが、だしの違い・その土地でとれる素材の違いを意識して探ったら、また今までとは違った楽しさを見いだせそうです。