近頃の日本では9月に入ってもまだ夏の暑さが残りますね。しかしながら自然界では、少しずつ日暮れの時間も早まり、夕方から夜になれば秋の虫たちが自らの美声を聞かせはじめます。

中秋の名月が過ぎ秋分の日を迎える頃には、気持ちのうえでもだいぶ秋モードになるのではないでしょうか。芸術に触れたり美味しい味覚に出会ったりしながらの街歩きが楽しい季節になってきます。

そんなお出かけのときにも、自分の好きな香りを持ち運べたらいいなと思いませんか?

今回のお香ワークショップでは【秋の香りを持ち歩く】をテーマに、香袋を作ります。

 

平安時代から「六種の薫物(むくさのたきもの)」というものがあります。調合した香料を蜜で練り固めたお香(練香)のことです。季節に合わせた6種類の代表的な香りがあり、その中のひとつが秋をテーマにした「菊花(きっか)」という香り。菊の花は公家や武家たちの家紋にも好まれ、現代でも皇室や国の機関のシンボルとしても使われている高貴なイメージを持つ花です。

でも“菊の花”の香りと聞いてすぐに、それがどんな香りか思い浮かべることができますか?はたして菊の香りそのものなのでしょうか?

今回のワークショップでは平安時代から伝わるさまざまな「菊花」の香りを例に挙げながら、9種類の天然香料をもちいて、お香ブランドJuttoku.(ジュットク)さん監修の「菊花」を皆さんで一緒に調香していきます。仕上げた香りは、カードケースに入れてお持ち帰りいただきます。名刺やハンカチと一緒にそっと忍ばせれば、それらを取り出すたびごとに、菊花の香りがフワリと漂うはずです。

また薄紙に包んで文香にし、手紙に添えて送ることもできますね。これは“送る”というよりもむしろ“贈る”ということ。自分の気持ちを香りとともに相手に贈る、素敵な香りのメッセージです。

それからそれから、栞として使っても素敵。…ああ、あれにも使えるこれにも使いたいと思いめぐらせるだけで楽しくなってきます。

 

そのあとは、皆さんお一人お一人が思い描く「秋の香り」をご自身の嗅覚を使って調香、それを香袋に仕上げます。

香袋とは常温で香る香料を使って調香し、布袋に入れて持ち運べるようにしたもの。欧米であればサシェのようなものですね。

作っていただく香袋は2つです。たっぷりと時間をかけて1種類の香りを作りそれを2つに分けて、一つは携帯用もう一つはクローゼットの中、なんていうのも良いですね。もしくは、持ち運ぶときのシチュエーションで2種類の秋の香りを作ってみても良いかもしれません。仕事用、休日用とかね。

ワークショップの最後には、自分で調合した香りにネーミング(香名)をします。名前をつけることで、その香りが自分にとってきっと素敵な意味を持ち始めるのではないでしょうか。

同じ原料を使っても、お香のタイプそれぞれで、香りの仕上がりは違ってきます。ワークショップで一緒になったお隣の参加者とも、きっと違うはず。香りの好みの違いも、お互いの平穏の違いも、みんなで愉しんで欲しいと思います。

皆さんからどんな【秋】が生まれるのか、とても楽しみです。

 

日本人は古くから「お香」というかたちに、「やすらぎ」や「心の平穏」を求めました。そう、日本の「お香」の真ん中にあるのは、「心を落ち着ける」ことなんだと思うんです。

とかく心がざわつくことも多い日々の生活。このワークショップは、自分の嗅覚を使って、自分の心とつながり、自分の好きな香りを探す旅のようなもの。

旅へといざなってくれるのは、天然香料のみを原料とし淡路島の職人による手作業で丁寧に作られたお香を扱うブランドJuttoku.です。Juttoku.さんは、日本の香文化を「自然に寄り添いながらその恵みを暮らしに取り入れてきた、日本人の心の豊かさから生まれたもの」と考えています。

嗅覚は、視覚や聴覚以上に記憶との結びつきが強く、五感の中でも最も原始的かつ本能的な感覚なんですって。だとすれば、人は自分の”嗅ぐ”力をもっと使った方が良いのかもしれませんね。

そんな記憶と本能に直結する香り。昔から日本人は、自然の中にある香料を自らの手で調合し求める香りを作って、それを自分自身の心を落ち着かせるために、使っていたのだそうです。私たちは本来、そういう力を持っているのかもしれません。ただ今は、それをあまり上手く使う機会がないだけで。

日頃ちょっとさぼってる嗅覚を駆使して、本当に好きな香り、こころから落ち着ける香りを、みんなで探してみませんか。

ワークショップでは、9つの天然香料を使って香りを調合していきます。

ワークショップでは、9つの天然香料を使って香りを調合
していきます。

今回使う香料は、塗香や線香を作るときの粉末状よりも少し粗めです。

今回使う香料は、塗香や線香を作るときの粉末状よりも
少し粗めです。


皆さんお一人お一人が思い描く「秋の香り」をご自身の嗅覚を使って調香、それを香袋に仕上げます。

皆さんお一人お一人が思い描く「秋の香り」をご自身の
嗅覚を使って調香、それを香袋に仕上げます。

ワークショップの最後には香名をつけて。私だけの香りが完成です。

ワークショップの最後には香名をつけて。
私だけの香りが完成です。


内容 :

「六種の薫物」のひとつである「菊花」の香りをJuttoku.さんと一緒に作ったのち、ご自身でも秋の香りを調香し香袋にして仕上げます。ご自身で作った香りには、最後に香名を名付けます。
サポート会員価格:3,500円/ゲスト価格:5,500円(共に税抜)

日時 : 2019年9月25日(水)
19時〜21時

申込締切:9月23日(月・祝)

定員 :  8名
場所 :  にっぽん てならい堂(ひみつの小店)
東京 神楽坂。詳細はお申込み後にお知らせします。

その他注意事項:

※現地までの交通費等はお客様ご自身でのご手配、ご負担となります。
※準備の都合上、キャンセルは1週間前迄とさせていただきます。
※スマホからお申込いただく際に、クレジットカード決済通信中に通信が途切れてエラーとなるケースがあります。カード決済をする際は、電波の安定した状況で行って下さい。