みなさんこんにちは。てならい堂の小野寺です。

秋が深まってまいりました。朝、布団の中でぬくぬくと過ごす時間が幸せですね。「あとせめて3分…いや、5分ぐらいはいけるか…zzz…」と、二度寝注意報が続く季節の始まりです。

さて、新宿区上落合の染の里・二葉苑にて開催されている、全7回の金継ぎ教室の第3回目。本日は妙正寺川がすぐ傍にある図案室での教室でした。メモをしっかりとる姿や「無心でやっちゃいますね」というお声もあり、みなさま大変高い意欲を持って参加されていました。

よく見ると、柿の実がたくさんついています。

よく見ると、柿の実がたくさんついています。

前回から約1か月、しっかりと乾燥させましたが、今回も再度欠けている(隙間になっている)部分を埋める作業となります。今回のような小さな欠けや細かい隙間は肉眼では見えにくいですが、なぜか次の塗りの段階に入ると目立ってくるのだそうです。今回は前回よりも工程は少なくとも、仕上がりの綺麗さに関わってくるため、とても大事な作業なのです。

では、さっそく始めていきましょう。

右側の器。前回は欠けの部分にしっかり刻苧を盛って漆風呂に入れましたが、乾燥による変化で、少しへこんで戻ってきました。

右側の器。前回は欠けの部分にしっかり刻苧を盛って漆風呂に入れましたが、乾燥による変化で、少しへこんで戻ってきました。

 

まずは彫刻刀で、乾いてはみ出した糊漆をカリカリと削り取り

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細い線のようになりました。

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欠けの部分は形を整えるためにヤスリがけをします。

波型のような、少し難易度が高い形の器も綺麗に整いました。

波型のような、少し難易度が高い形の器も綺麗に整いました。

そして、大きく欠けている部分(2mm程度)は前回も登場した「刻苧」で埋め、小さく欠けている部分(1mm程度)は砥の粉と水を生漆で作られた「錆」で埋めます。「刻苧」は乾燥に1週間・強度はあるが粗い・表面にざらつきがあるなどの特徴に対して、「錆」は乾燥に1日・滑らかな仕上がりになるという特徴があり細かい作業に向くため、それぞれ使い分けをします。錆はマーガリンぐらいの柔らかさになるまで練り、隙間になすりつけるように擦り込みます。

「お化粧で例えるならば、今回までが下地づくりでしっかり毛穴を埋めるところで、次回からはファンデーションです。」と梅澤先生。とてもわかりやすい例えです。お化粧は下地づくりが一番重要とよく聞きますよね。

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錆を塗った部分は一見汚れているように見えるため、ついつい拭き取ってしまいたくなりますが、ここはグっと我慢。今日はここで漆風呂に戻します。次回きちんと削るので、はみ出した錆は気にしなくて良いそうです。
次は2週間後。「埋め」の工程は今回で終わり、ついに「塗り」の工程に入ります。これもまた集中力を要する慎重な作業なので、みなさま、しっかりとお腹を満たしてから挑みましょう!