こぎん刺し針山キット

こぎん刺し針山キット

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津軽地方に伝統的に伝わる"こぎん刺し"を施してつくる針山キット。こぎん刺し経験者向けです。

”こぎん刺し”とは、津軽地方で、約300年ほど前からはじまったといわれる伝統的な刺し子のことです。刺し子は布目の数を数えずになんとなくの感覚で進んでいくものですが、こぎん刺しは、布目の数を1・3・5と奇数に拾って縫い進めていくことに特徴があります。

こぎん刺しが生まれた背景は、江戸時代後期に遡ります。農民が贅沢をしないようにと倹約令がだされたことにより、当時の農民は麻布の服しか着ることを許されませんでした。津軽地方は厳しい寒さでも有名ですが、麻布はうすい生地でとても寒かったので、防寒保温のために、当時の人たちは、糸を布目に通して厚みをつくり、それを何枚も何枚も重ねて着込んでいったのがこぎん刺しの由来です。こぎん刺しは、寒さの中での生活の工夫を追い求めた農民の知恵の集積なのです。

最初はまっすぐ縫うだけでしたが、これは模様になる、と思った方がいたのでしょう。その後、女性たちは競い合うように、美しい模様を施し、素敵な模様を次々と生み出していきました。今では、こぎん刺しは実に300種類近くの模様があるそうです。その技術は、母から娘へと、代々この地方で受け継がれてきました。今でも津軽地方には、学校の授業でこぎん刺しを縫うことがあるのだとか。

そんなこぎん刺しの技術を施してつくる針山キットのご紹介です。

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こちらの針山キットはこぎん刺し経験者向けとなりますので、初めてこぎん刺しをやる方は、もう少し布目の大きいもので練習してから取り組んでみるといいと思いますよ。布目が細かすぎて布目を数えるのがちょっと難しいかもしれませんので、視力に自信がない人はあまりおすすめできません。その点は事前にご留意いただけたらと思います。ですが、こぎん刺しを何度かやったことがあり、もう一歩踏み込んだ上級者向けのものに取り組みたい!という方にはぴったりの商品です。写真は、裏側からみた縫い目の様子です。
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この針山キットのこだわりの一つは、青森のひばのミニ升です。三つ豆さんオリジナルでつくってもらっているそうで、クッションがより美しくみえるように、本来フラットな升の内側の部分が削られています。ひばの香りもとてもよく、掌サイズで裁縫箱にも収まりやすい大きさです。また、この針山キットでは、こぎん刺しの模様の中でも「テコナ」という蝶々の模様を縫うことができるのですが、糸の通してない部分が蝶々に見えることからこのように呼ばれるそうです。
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このキットをつくっているのは、青森県津軽地方在住の親子三世代による刺し子ユニット”三つ豆”さん。制作の中心となっている工藤さんは、手仕事が好きだったお母さまの影響でものづくりや針仕事が小さな頃から好きで、こぎん刺しもいつかやってみたいなという想いがあったそうです。そして、大人になってから親子でこぎん刺しのイベントに参加する機会がたまたまあり、そこからこぎん刺しの世界にのめり込んでいったといいます。

「男女問わず地元の人はこぎんが好き。この地方の誇れるものという気持ちがあるんじゃないかな」という工藤さん。ちょっとした刺し間違いは気にせず進んでいる様子が当時の野良着から感じられることから当時の女性たちのおおらかな様や、貧しいながらもこういった文化を生み出した農民たちのたくましさなど、そういった部分にこぎん刺しの魅力を感じるのだといいます。

「津軽の名もなき女性たちが生み出したものが本当に誇らしいなと思っているので、青森の風土と共に、それをぜひいろんな人に知ってもらいたい、こぎん刺しを通して青森の昔の人を知ってもらえたらな」という想いで活動を続けていらっしゃいます。ぜひそんな三つ豆さんの想いを受け取りながらつくってみてくださいね。一つ出来上がったときの達成感はひとしおですよ。

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藍染の刺し子糸・布・綿・ひばのマス・簡単な手順書がセットでついています。この他に用意するものは、こぎん針と木工用ボンド、最後クッション部分を締めるために縫針と縫い糸もあるとよいですね。
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針山の糸はしっかりと縫われていますので、模様自体に針を刺しても全然大丈夫ですよ。まずは「テコナ」の模様に挑戦してみていただきたいですが、慣れてくると写真のような応用アレンジを自分でできるようにもなりますよ。

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