【てならい後記】深める金継ぎと深みにハマる蒔絵教室。23年春(第2回)
こんにちは、てならい堂スタッフのまつもです。
10年に一度の大寒波も落ち着いて、そろそろ暖かくなったらいいなと思っているところです。
「深める金継ぎと深みにハマる蒔絵教室」第2回目は、接着した器にルーターで溝を作り錆漆をつけることと、
前回接着したお皿は、しっかり接着できていましたよ。
割れ編:ルーターで溝切、錆漆作り
まずは、ルーターを使って接着した割れ目に溝を作ります。
溝をつけるのは、この後の工程でつける錆漆の面積を多くするためです。錆漆の面積が増えることで、後に塗る漆を剝がれにくくなります。
みなさん初めて扱うルーターにドキドキです。歯医者さんのようだとの声も上がっていました。
錆漆は、砥の粉と漆を使って作ります。
代表的な砥の粉は、粒度の違いで3種類に分けられています。赤砥の粉、黄砥の粉、白砥の粉ですが、赤土の粉が一番粒度が荒いもので、黄、白とだんだん細かくなっていきます。
それぞれ用途はありますが今回は、中間の黄砥の粉を使っていきます。
まず、砥の粉に水を染みこませる。
ダマのない錆漆を作るためにむら無く染みこませることがポイントです。
滑らかな砥の粉ができたら、瀬〆漆を混ぜていきます。
錆漆ができたら、筆を使って溝に錆漆を擦りつけるようにつけていきます。
陥入に入り込むこともあるので、ティッシュに溶剤を染みこませて拭き取ることもあります。こういった一工夫も仕上がりに影響するのだとか。
錆漆は下地漆の中でも漆のベースになるとても大切な作業。
今回の割れ編は、漆を塗る前の下地の工程でした。
下地といってもとても大切な工程で、一工夫、一手間加えることによって仕上がりも格段に変わってきます。
欠け編:コクソ漆作り
大きくかけている部分は、コクソ漆と言う漆を作り、充填させます。
このコクソ漆は、粘土のように形作ることができるので、大きな欠けに使うことが多いです。
コクソ漆の作り方は、前回も作った麦漆の作り方に似ています。
小麦粉を水練り、輪島地と砥の粉も水練りして混ぜておく。
そして同量の漆を加えます。その後、木粉(ツゲの粉)を粘土状になるくらい入れる。
欠けの大きさに合わせて、継ぎ足しせずに付けると後の工程もスムーズに進められます。
今回は使っていないですが、コクソ漆と言う繊維状の麻を入れることもあります。
コクソ綿は大きい欠け、
用途を考えながら素材を選べるようになると、実験しているようで楽しくなっていきますね。
コッチのブローチ制作編:貝を貼る
ブローチも皆さんの手元に届いたので、金継ぎの合間に進めていきます。
このブローチは、胡桃の木なので下地なしでも加飾できるそうです。
こちらは、青い色の貝を貼っています。
丁度いい大きさの貝を選んでいくのでいくので、とても細かな作業ですね。
今回はここまで。
最後に仕上げも考えました。
それぞれの器に合う色味の仕上げにしたいですね。
先生のおすすめは、錫粉仕上げとおっしゃっていました。
錫粉は腐食しにくく、色味を長く楽しめることもあり、最近は人気なのだそうです。
次回は、「割れ編」「欠け編」共に研ぎと下塗りの工程です。漆の工程が増えてくるので蒔絵筆など道具のお話なども聞けるのではないでしょうか。。次回も楽しみです。