【てならい後記】初めてのしっかり金継ぎ教室。2023夏~1回目~
こんにちは!てならい堂スタッフ山下です。
あちこちで紫陽花をみかける季節になってきましたね。
てならい堂の植え込みにも、可愛らしいピンク色がお目見えしてきました。
さて、先日てならい堂では、しっかり金継ぎ教室の2023夏 がスタートしました。
今回はその第1回目の様子をお届けします。
講師は、てならい堂の金継ぎの監修をしてくださったお馴染みアマノ先生、
そして今回から、あらたに松本先生も加わっての新体制です!
じつは松本先生、金継ぎ修理とともに てならい堂スタッフとしても活躍されています。
そのため ほかのワークショップなどでもお見かけできるかもしれませんよ◎
お2人とも気さくでとてもお話しすい先生方なので、新体制の今シーズンも楽しみです!
さて、これから4ヶ月弱という長いあいだをご一緒する皆さん。
わいわい楽しく作業できたらとの想いもこめて、まずは自己紹介とともに参加されたきっかけをお聞きしていきました。
集めてきた器たちを大切に使っていきたい
実家にねむっていた思い出ある器を生かしていきたい
お気に入りのお皿をどうにかして直したい
というお声や、
ずっと金継ぎをしてみたくてやっとタイミングが合った方、
2回目のご参加で金継ぎの技術を自分のものにしてみたいという方まで!
この日ご担当のアマノ先生からも、金継ぎをはじめたきっかけや想いをお聞きしました。
皆さんそれぞれの言葉をつうじて、教室の空気感に温かみが増していくのを感じます◎
距離感がすこし縮まったところで、ここから学びの時間がスタートです。
ここで唐突ですが、「金継ぎ」と聞いて皆さんはなにを思い浮かべますか?
スタッフ山下、そのことばの響きから、当初は「金」を真っ先にイメージしていました!
ところが実際の作業でいちばん身近になる素材、じつは「漆」なのですね。
金継ぎをするうえで欠かせないこの「漆」について、まずは理解を深めていきましょう。
そもそもどんな植物?どうやってとるもの?
「漆」にまつわるお仕事や職人さんについて
「漆」が好む環境や性質、注意点
これから教室で学ぶ作業について(「割れ」と「欠け」、道具など)
などなど。紙芝居のかたちで学んでいきます。
漆産業をとりまくお話もあり、漆や金継ぎという技術のこれからへも想いを馳せることができました。
さて、漆のいろんな面を知ったところで、いよいよ手を動かしていきましょう。
教室では、「割れ」と「欠け」、2種類の技法について学んでいただきます。
今日の作業は、それぞれの下準備という位置づけです。
まずは「割れ」の下準備、器の養生から。
漆はザラザラしてるところが大好きだそう。ここにうっかり漆がついてしまうと落ちないそうです。
そのため、高台などザラザラしているところはマスキングテープやラップで予め養生していきます。
つぎに「欠け」の下準備に入っていきましょう。
次回作業の下地として、生漆にテレピン油を混ぜたものを器の欠けたところに塗っていきます。
こちらを筆で塗っていくのですが、漆の性質から、あつかう道具にもひと工夫が必要になります。
そもそも漆を塗るための筆には、保管中に油(教室ではキャノーラ油を使っています。)が染み込ませてあります。少しでも漆が残っていると筆がカチカチに固まってしまうので、それを防ぐためです。
まずは、この油を少しづつ落としながら筆に漆を馴染ませていきます。
準備完了です。それでは器へ塗っていきましょう!
ここから15分ほど器を乾燥させていくのですが、その間に筆を洗ってしまいましょう。
筆につづいて、ガラス板もお掃除していきます。
何もつかなくなるまで、ウエスで繰り返し拭いていきましょう。
金継ぎをしていくうえで、道具の使い方やお手入れも大切な要素となります。
そのつど覚えていきましょう!
さて、器がちょうど乾く頃合いになりました。
今回は器に漆を浸透させることが目的のため、塗った部分はウエスで拭きとっていきます。
今日の作業はここまでです。
リピートでご参加してくださった方も数名いらっしゃるためか、本当に初回だったのでしょうか?!
と思うほど和気あいあいとした雰囲気で、素敵な笑顔にたくさん出会えた2時間でした◎
次回は、
「割れ」には糊漆で接着を、「欠け」には刻苧をこねて埋めていく作業をしていきます。
それぞれ《のりうるし》や《こくそ》、、なにやら新しいことばが登場しました。
どんな作業になっていくのでしょうか? 次回も楽しみながら学んでいきましょう。
これからおおよそ4ヶ月、よろしくお願いいたします!