こんにちは。スタッフのくらです。

先日、<初めての拭き漆ワークショップ>を行いましたよ。午前午後とも満員御礼!(ありがとうございます!)

この日は中学3年の男の子が、漆に興味がある、とお母さまと来てくれたり、海外ご出身の方も◎

今まで金継ぎをやっていたり、サーフボードを漆で仕上げるWS(!)に参加したことがある方など、漆にもともとなじみがあった方も、初めての方も、この日はまた新しい漆とのお付き合いが始まりましたよ~!

先生は、いつも金継ぎ教室でもおなじみの松本先生♪ まずは拭き漆の説明をしてもらいました。

一般的な“塗り物”と言われる器は、何度も漆を厚く塗り重ねることで、丈夫さとツヤを出していきますが、拭き漆は、一度塗った漆を拭き取って、木に浸透させながら何度も塗り重ねていく技法です。

これは先生が作ってくれた塗り見本で、0回から4回塗りまで、違いが一目瞭然!(塗りのサンプルですが、かっこいいですよねこの塗り方デザイン。。)

説明が終わったらさっそく、拭き漆をする木のお皿を選んでいきますよ。ここではみんな、好みの木目を選ぶのにとっても真剣!

なぜなら、拭き漆は一度塗った漆を拭き取っていくので、元の木目がそのまま活かされる。自分の好きな木目のを選ぶの、とっても迷いました。。!(でも楽しい)

今回は、橡(トチ)の木のお皿を用意しましたよ。

ちなみに、今回のお皿は裏面にこんな風に筋が入ったもの。※千本筋というそうです!

うつわを選んだら、まずは紙やすりで木の表面を整えていきます。漆がなじみやすいよう、240番のあと、400番のやすりで研いでいくのですが、ここがとっても大事なターン!

木目の方向に添っていくんですが、どこまで削るのがベストか!見極めがちょっと難しいので、先生に確認しながらやっていきます。

今回は、裏面に筋がはいっているデザインなので、ここもなかなか大変。。!

集中しすぎてどんどん時間が過ぎていく。。!先生も「これは時間が溶けていく作業ですよね(笑)」と言っていました!

やっと研ぎができたら、さっそく塗っていきます。今回は生漆、弁柄漆、黒呂色漆など、好きな色で。もちろん、全色制覇もOKです!

漆を扱うときはいつでも身が引き締まりますよね。

前面に塗るの、緊張します。。!

ふちも、例の裏面も、しっかり塗っていきます。

しっかり塗れたら、ウエスで拭き取っていきます。せっかく塗ったのに、何だかもったいない!という気もしますが、しっかりとがっつりと拭いていきますよ。

先生のおすすめは、お家でいらなくなった白い靴下などを手にはめて拭くこと!また細かい部分などは竹串や消しゴムとかに布をかけて拭いたり。いろんなポイント教えてもらいました!

拭いていくと、漆が浸透してさらに木目も見えてきれいー!

しかも、さっき研いだ時には気が付かなかったくらい薄い木目も、漆を塗ることで浮き出てきてくれてました。漆を塗り重ねていく<塗り物>とはまた違った楽しみ、美しさがありますよね。

拭き漆は、やる回数はお好みですが、やればやるほどツヤが出てくるのもおもしろさの一つ。何回塗ってもいいけど、5回くらいやると、かなりいい感じのツヤが出てくるそうですよ。

拭くターンも集中です!!

弁柄漆の方は、拭いても1回だとまだまだマットな感じで、木目もまだ見えづらいですね。これも素敵ですが、これからの変化も楽しみ!

今回のワークショップはここまで。2回、3回。。とこの続きはみなさんおうちで、時間をかけてお楽しみくださいね!お家で拭き漆をやる際の注意や、大事なお片づけについてもしっかり教えてもらいました。

漆って、なかなか敷居が高いイメージ。実際、間違った扱いをするとかぶれてしまったり。。でも、今日拭き漆を一緒にやってみて、おうちでも続けていけるイメージがみなさんわいたようで嬉しかったです!

さっそく、大事にしている箸や、家族分のうつわを拭き漆したい!と言って追加の漆をご購入してくれた方もちらほら。(てならい堂神楽坂ストアでは、漆のチューブを気軽に買えますよ♪)

みなさんのお家で、どんな風に拭き漆のものたちが変化していくか。。いままでより少し身近になった漆のたのしみ、ぜひ続けていってくださいね。

参加してくれたみなさん、松本先生、ありがとうございました!

こちらは先生が以前塗ってくれたもの。木の種類や、漆の種類、塗り方で表情がいろいろなのに、さらにここから変化していくなんて。。漆沼にはまりそうですね~!