こんにちは。てならい堂スタッフの大石です。

4月も終わりに差し掛かり、晴れの日は暑いくらいになってきましたね。このくらいの気温で止まってくれーと毎年思っています。

唐突ですが、私は北海道の木彫りの熊が好きです。木彫りの熊って、鮭を咥えているアレです。でも木彫りの熊にも色々あって、とっても可愛いのですよ。。今日はそんな私の木彫りの熊活動と、熊を通して出会ったつくり手さんについてお話できたらと思います。

木彫りの熊との出会いはとある3年前に訪れたアンティークショップ。お店の一角に10体ほどの木彫りの熊が並んでいて、その横に「北海道木彫り熊の考察」という本が置いてありました。中を見ると、お馴染みのポーズの他にも色んな種類があり、職人さんによって作風が全然違うことを知りました。お店にある熊たちもよく見ると、顔つきも毛並みも全然違っていました。

その本と初めて買った木彫りの熊

そのお店で初めて買った木彫りの熊、やさしい顔をしています。

 それからは、アンティークショップなどで熊を見つけては連れて帰り、家に熊が増えてくると、次第に自分でも彫ってみたいと思うようになりました。

私は小さいころから絵を描いたり物を作ることが好きだったのですが、特に動物を描いたり工作でつくることが好きでした。その気持ちを久しぶりに思い出したのです。木を彫る感触、木の香り、形ができてきて熊になる瞬間。自分でつくるってやっぱり楽しいですね。

初めて彫った這い熊

初めて彫った這い熊

熊のことをもっと知りたいと思って、昨年は北海道にも行きました。まずは本物を見るためにクマ牧場へ!

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そして絶対に行きたいと思っていた札幌にある「遊木民」さんへ。木彫りの熊を中心に木彫民芸品や木の手づくり雑貨を販売しているお店なのですが、店主の川口さん親子も熊を彫られているんです!

とても気さくなお二人で、熊を彫っていることを話すと道具や木のことをたくさん教えてくださいました。お店の奥の工房も見せていただいて、「何かわからないことがあったら連絡くださいね。」と優しすぎます。

お店には有名な職人さんが作られた熊もたくさんいるのですが、この熊をつくった人はこういう人でね、と教えてくれました。熊や職人さん、木への愛が感じられて私はすっかり遊木民さんファンになりました。

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東京へ帰り、早速道具を揃えなければと、彫刻刀を取り扱っているお店を探しました。そこで行き着いたのが小信さんという鍛冶屋さん。一本一本手作りでつくり、美大などへ卸しているそうです。

彫刻刀を購入して品物を受け取る際に、研ぎ方を教えていただきたいんですが、、と相談すると、今度教えてあげますよと言ってくださいました。実は私が訪れたときにはもうお店を畳むことが決まっていたのですが、まだもう少し居るからと快諾してくれたのです。

お言葉に甘えて後日教わりに行き、2,3時間かけて丁寧に教えていただきました。職人さんのようには全然研げないけど、研ぐ前よりは彫れるようになりました。練習あるのみですね。。最後にコーヒーを入れていただいて、ゆっくりお話もさせていただきました。

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小信さんで購入した彫刻刀

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小信さんの彫刻刀で彫った、クマ牧場のナッツくん

小信さんはお弟子さんを取らず、引退すると決めていたので、このタイミングで出会えたことがとても幸運だったなと思いました。もっと早く出会いたかった、とも思いましたが、熊を通して回りまわってのこの出会いが良かった気がします。

研ぎ方も教えてほしいと、勇気を出して相談してよかった。これからも、すばらしい作り手さんには思い立ったらすぐに会いに行こうと思いました。

ちなみに、遊木民さんは今上野の松坂屋の「北海道に魅せられた人たち」に参加されています。5/3までなので、熊好きの方はぜひ行ってみてくださいね!

みなさんも、普段は出会うことのない作り手さんたちと、てならい堂をきっかけに繋がっていただけたら嬉しいです。