暮らしのコラム #04 夏も近づく、八十八夜
夏も近づく、八十八夜。
誰でも耳にしたことのある、日本の童謡・唱歌「茶摘み(ちゃつみ)」の歌い出しですね。
八十八夜は、日本独自の暦である“雑節”のひとつで、季節の変化の目安となる日のこと。 他にも節分・入梅・半夏生・二百十日・土用・ 彼岸などがあります。節分、彼岸…と聞けば、おなじみですよね。日本の暮らしの営みから生まれた、日本生まれの言葉であり、暦なんです。
時期は、立春から数えて88日目の、毎年5月1日から3日頃。ちょうど春から夏に移り変わるこの時期は、霜もなく安定した気候で、農作物の「種まき」にちょうどよい時期とされています。
ところで、この八十八という文字。“八十八“という字を組み合わせると「米」という字に…。なりますかね?なるんです。昔の人は、そう考えたんです。それで、この日は特別に重要な日とされてきたのだそうです。例えば、八十八夜の日に摘んだ茶の葉は、珍重とされてきたのだとか。
そしてこの八十八夜の3日後には、立夏。暦の上では、もう夏がやってくるのですね。
季節の変わり目である八十八夜。“ちょうどよい”とされるこの時期に、みなさんも自分への「種まき」をしてみませんか?
文 / 増村江利子
国立音楽大学卒。Web制作、広告制作、編集を経て現在はフリーランスエディター、ライター。一児の母。主なテーマは、暮らし、子育て、食、地域、エネルギー。暮らしの工作家。毎日を、ちょっぴり丁寧に暮らしたいと思っています。