【てならい後記】毎月、繕う事にじっくり向き合う。さらに楽しむダーニング教室 3月
こんにちは。
てならい堂スタッフの五十嵐です。
ダーニングコースでおなじみの、みっちりと並んだたくさんの糸。何度見ても、ついついシャッターを押したくなります。そしてこの日は、かわいらしい糸に加えて、ユニークなハギレも揃いました。
今回で最終回を迎えた全6回のダーニングコース。最後の教室では、繕いたい部分にハギレをあてて、ステッチで留めていくことを学びます。すでにさまざまなステッチで彩られたみなさんのトートバッグに、「あて布」というさらに華やかなダーニングが仲間入りです!
まずはじめに、中須賀先生からあて布のお手本を見せてもらいました。トートバッグの表面に上から布をあてたものと、セーターの裏側から布をあてたもの。アイテムに合わせてさまざまな繕い方があるんですね。どんな布で、どんな糸で、どんなステッチで……組み合わせは無限大です!

右下のダーニングは布のようにも見えますが、羊毛フェルトを針で刺したものだそう。ふかふかでかわいいです!

無地のセーターもステッチでこんなにかわいく生まれ変わります!
前回の教室で、すでにあて布を留めるステッチを学んでいるみなさんは、さっそくハギレ選びにはいります。
いろいろな布を手にとり、どれにしようか真剣に悩みながらも、なんだかとっても楽しそう。ひとりでじっくり吟味するのもいいものですが、こうしてみんなでワイワイと選ぶ時間も楽しいですね。

楽しそうにあて布を選ぶみなさん。たくさんあり過ぎて悩んでしまいますね。
布が決まったら、さっそく繕っていきましょう!
最終回の教室とあって、今回はじめてこのコースに参加している方も、前回から継続して通ってくれている方も、縫い方に関してはお手のもの。手はしっかりと動かしつつ、お話もはずんでいましたよ。(笑)
先生に質問したり、アドバイスをもらったりしながら、これまで学んだステッチを組み合わせて縫っていきます。 Y字やX字など、布の上を直線状に伸びるステッチはスッキリとしたデザイン。一方、お花のように広がっていくタンバリンというステッチはとっても華やかです。

生地と糸のやさしい色合いが溶けあうようにマッチしてます。

鮮やかなピンクのお花が咲いているようなステッチ。目を引きますね!
教室も後半を過ぎたころ。個性的でかわいらしいステッチが次々と誕生しはじめると、あれ? さっきまでとてもにぎやかだった教室は、気づけばとっても静かになっています。みなさん、手しごとのゾーンに入ってますね!

集中して縫い進めているみなさん。静かで心地よい時間が流れます。
「え! もうこんな時間? いつも集中しだしたころに教室がおわっちゃう……」という方も。(笑) アイディアをかたちにすべく、夢中で縫う時間はあっという間に過ぎていきます。まだまだ続けてもらいたいところですが、ごめんなさい……。そろそろ終わりの時間が近づいてきてしまいました。
繕う時間は終わりとなってしまいましたが、最後に行うもうひとつのお楽しみ……みなさんでステッチを見せあう時間がやってまいりました!
見せあうといっても、ただただ「かわいい」と褒めあうのではありません。どこがどんなふうにかわいいのか、とても具体的に伝えあっているのがみなさんのすごいところ。

鑑賞会のように楽しい時間です。
これまで、中須賀先生からさまざまな「直して生まれ変わらせる技術」を教わってきました。そしてその技術と同じくらい先生が大切にしていたのは「自由なステッチ」を楽しむことです。
ユニークでかわいらしいステッチが生まれるたびに、「すてきですね!」「どうやって縫ったんですか?」と、みなさんで目をキラキラと輝かせてお話している姿がとても印象的でした。

トートバッグはまるでキャンバスのよう。さまざまなステッチで彩られています。
教室は今回で最終回となりました。でも、バッグのほころびや靴下の穴を見つけるたびに、どう直そうかとワクワクしてくる——そんな生活がすでにはじまっているのではないでしょうか。
通ってくれたみなさん、中須賀先生、本当にありがとうございました。
これからもダーニングのある暮らしを楽しんでいきましょう!