【てならい後記】園芸店に教わる。はじめての園芸“店”ワークショップ 第2回目
こんにちは。
てならい堂スタッフの五十嵐です。
「暑いですね~!」ということばが挨拶のようにかわされる日々が続いていますね。まだ梅雨入り前だというのに、この日も朝とは思えないほどの強い日差しでした。
たしかに暑いけれど、目の前の青々とした植物たちをみていると、大切なエネルギーである太陽の光をありがたいとも感じます。(とはいえ、あまりの酷暑はつらいのですが……)
今回は、お日さまをたっぷりと浴びた植物たちが暮らす園芸店、qivacoで行われた「はじめての園芸“店”ワークショップ」をご紹介します! 知識を得るだけでなく、さまざまな土や草花、道具などに触れながら、しっかりと園芸を学べる教室ですよ。
教えてくれるのはqivacoのオーナー、みのりさんです。全6回のうち、本日は2回目の教室。土と鉢の種類や用途について学び、実際に鉢に植え替えをしていきます。1回目の教室で、植物の水やりについてしっかりと学んだ参加者さん。「水やりを意識するだけで変わりますね!」と、まずは前回の振り返りから和やかにスタートしました。
つぎに、本日のテーマのひとつ、土について教えてもらいます。
・土
・土壌
・用土
この違い、なんとなく分かるでしょうか。
「用土」はイメージしやすいですよね。水分や粒度を調整するなどの加工が施された、まさに園芸で使われる土です。赤玉土、腐葉土、ピートモスなど、ホームセンターでもよく目にします。
「土」と「土壌」については、それぞれの定義や違いを意識することはあまりないかもしれません。同義で使われることも多いのですが、「土」は岩石などの母材が風化しただけのものを指します。たとえば、砂漠や岩場のことで、養分が存在しないため、植物は育ちません。
一方「土壌」とは、土に動植物の死骸などの有機物が混ざった土のこと。山林や畑、庭土がそれにあたります。
と、ここまでのところで、私は土についてとてもよく分かったような気になっていたのですが、メインとなるのはもちろん「用土」。資料をみると、その数はざっと20種類以上! すでにご自宅などで園芸を楽しまれている参加者さんは、用土の知識もあり、うなずきながらとても真剣に聞き入っていましたね。
そして、このたくさんの用土、みのりさんがサンプルを用意してくれたので、実物を見ながら、その重さを比べることもできました。見た目は似ていても、水はけがいいものとそうでないものとでは重さがまったく違います。どのような環境でどのような植物を育てるのか、みなさん具体的なイメージを膨らませながら、用土の違いを体感できたのではないでしょうか。
これらのさまざまな用土を、目的に合わせてブレンドしたものが「培養土」です。
ここで参加者さんから、「培養土は値段もさまざまなので、質の違いが植物にどう影響するのかとても気になるのですが……。」と質問がありました。
用土や培養土には、原料の表示がないことが多いのだそう。「あまりにも価格が安いものであったり、まったく表示がないものというのは、植物が健やかに育つには不向きなものかもしれませんね。」とみのりさん。
ほかにも、腐葉土選びについて気をつけなければならないことや、植物に適した用土の選び方など、たくさん質問が飛び交っていました。
教室ということで、各回のテーマにそって、参加者さん全員同じペースで学んでいきます。でも、みなさんそれぞれに、植物を育てる環境は違います。庭なのか、ベランダなのか、日当たりはどうなのか、水やりはどれくらいのペースでできるのか。みのりさんは、環境やライフスタイルにあった植物との暮らし方について、たくさんアドバイスをしてくれました。
さて、「土」の次は「鉢」について教えてもらいます。鉢植え栽培の歴史は古く、特に17〜19世紀のヨーロッパで大きく発展したそうです。
みなさん、テラリウムの起源となった「ウォードの箱」はご存じでしょうか? 19世紀、イギリスの植物学者ナサニエル・バグショー・ウォードが発明した、植物を輸送するためのガラスの輸送箱です。この発明は、世界の産業の発展に大きく貢献したとされています。
このような歴史的背景も楽しく学んだら、いよいよ、土と鉢、そして本日の植物ロニセラ「レモンビューティー」を使って、実際に植え替えてみましょう!
まずは「赤玉土」と「腐葉土」というふたつの用土をブレンドして、「培養土」をつくります。
次に、ロニセラの根をほぐしながら余分な土などを落とします。
鉢底石を敷き詰め、先ほどつくった培養土と、根をほぐしたロニセラを入れます。さらに培養土をふんわり、たっぷりと入れたら完成です!
なんだかあっという間の2時間でしたね。
次回は、このロニセラの鉢植えを持ってきてもらって、剪定について教わります。
人も植物も、水分補給が大切な季節。しっかりとお水をあげて、また元気な姿でお会いしましょう。
教えてくれたみのりさん、そしてご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!