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てならい堂では自分にとって心地よく、社会にも環境にも良いことをしていると感じられる生活を、”こころよい生活”と呼んでいます。これまでもそれを知るための様々な機会を模索してきましたが、さらにさらに自分たちにとって”こころよい生活”を探すために、季節ごとにテーマを決めて、取り組んでいます。

2022年最初のテーマは「時間をかけて暮らす」です。

時間をかけて暮らすとはどんな生活なのでしょうか。日常の中、あなたにとって時間をかけたい事、あるいはかけたくない事はなんですか?

「時間をかけて暮らす」を考えるために、
  てならいに参加してみる。
  てならい堂(ひみつの小店)に遊びに来てみる。
  自身の生活の中で見つめ直してみる。

それぞれのやり方で、皆さんも自分にとってのこころよい生活を探してみませんか。

てならい堂では関連したワークショップの開催や、神楽坂のてならい堂(ひみつの小店)では、時間をかける暮らしにお助け役になる道具の展示や販売をしていますので、ぜひ遊びにきてください!

 「時間をかけて暮らす」2月の話題。

1)“時間をかける暮らし”と“待つ暮らし”

2)実際に“時間をかけて暮らし”てみる

・自分の好きな布でつくる、ミツロウラップのワークショップ

・ほうきで掃除してみる

・木のまな板をお手入れしてみる

・木のスプーンを育ててみる

3) “時間をかけて暮らす”について考えてみる(てならい365日のススメ


1)“時間をかける暮らし”と“待つ暮らし”

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こんにちは。てならい堂スタッフのリムです。

てならい堂で1月より取り組んでいるテーマ、「時間をかけて暮らす」。時間をかけて暮らすを考えるために、まずはなんでもいっぱい体験してみる。そうすると自分が何に時間をかけたいのかがわかるはずです。

去年、私は時間をかけて味噌を仕込みました(その話はこちらから)。自分で作ってその味噌を味わって、文章にまとめてみたら、「時間をかけて暮らす」というのは「待つ」ことなのではないかと考えました。

モノやコトに出会うために、私たちには長い時間が必要です。何気なくそこにある味噌だって、原料になる大豆が育つまでの時間、海水から塩を取り出すまでの時間、そして、ようやく原料が揃った後も、味噌を発酵するまでの1年という長い時間、たくさんの「待つ」が集まってようやくお味噌が食べられるのです。

それはもちろん味噌だけの話ではないでしょう。「送信」ボタンさえ押せば伝えたいメッセージがすぐ送れるけれど、その便利さを少し諦めて手紙を書くとしたら、届くまで待つ時間が必要です。美味しいコーヒーを飲むためには、お湯を注いでコーヒーが落ちるまで、「待つ」ほかないんです。何かができるまでにかかる時間は当たり前のことなんですよね。

だけど、なんだか早く結果が欲しくて、「待つ」その時間がもったいなくて、それを「面倒なこと」とまで思ってしまいまうこともあります。便利な道具やサービスを使って「時短」できないかなって。それもまた良いのだと思います。生活には正解はないですからね。

私は、全てのことに時間をかけるのではなくて、時間をかけたいところにはしっかり時間をかけたいと思います。だから、「どこに時間をかけたいか」ってとても大切だと思うんですよね。

1年かけて自分で作った味噌は、私がどこに時間をかけたいのかを教えてくれました。作る楽しさがある。待つ楽しみがある。そんな仕事に、私は時間をかけて暮らしたいです。

今月は皆さんが手間をかけて待ちたい、時間をたっぷりかけたいことが見つかりますよう、さまざまな体験や道具をご用意しました。ぜひご覧ください!


2)実際に“時間をかけて暮らし”てみる

・自分の好きな布でつくる、ミツロウラップのワークショップ

みなさんはミツロウラップってご存じでしょうか。ミツロウラップは、布に蜜蝋を塗り、水に洗って自然乾燥したらまた使える、環境にもやさしいラップです。ミツロウを塗ってできたラップは手の熱であたためると柔らかくなり、さまざまな形にフィットするので、残り物の器に蓋をしたり、使いかけの野菜を包んで保存することができます。

従来のラップに比べて硬く、しっかりとしています。なのに色んな形に動いてきちんと蓋をしてくれます。プラスチックのラップは、思わぬところで重なってくっついてしまったりすることも多いですが、ミツロウラップは自分の手に布が合わせて、ゆっくりしっかりと形を変えてくれます。 今までにさわったことのなかった、新しい感覚です。

これからの環境をきれいに保つために、少しずつ生活の中からプラスチック使用を減らすこと。時間をかけて少しずつ生活を変えていくのも良いかもしれません。もしご興味のある方は下のリンクをご覧くださいね。

■ 【てならい】自分の好きな布でつくる、ミツロウラップのワークショップ。

■ 【かいもの】ミツロウラップ tsu tsu mi


・ほうきで掃除してみる

ほうきを使い始めたのは多分5、6年前でした。お店でみかけた小さい箒で机の上を掃くといいかも、と思って買ったのが初めてでした。想像した通り、使いやすくていまだにもその小さい箒を愛用しています。

そしたら今度は「大きいものを買ってそれで床も掃いてみたい・・!」と思ってその後シュロ箒を手に入れました。使い心地も良いけれど掃除機とは違って音もしないし、電気もいらないので、この箒たちのおかげさまで掃除が少しだけ楽しくなりました(もちろん見た目がかわいいからというのもあります笑)。

箒の使い良さといえば、掃除機と比べての静かさもありますが、それだけではなく、「長く使える、一生もの」という点もあります。箒は、使うとだんだん穂先がすり減ってきますが、少しずつその穂先を整えたら短くなるまでずっと使えます。

箒の端部はとても柔らかいので畳など床を掃くのにちょうど良くて、だんだん短くなって硬い部分では家の外を掃除するのに良くて室内で使うなど、使った年数や状態によって用途を分けて使ったんです。だから箒は一回買ったら一生使うものと言われます。

ホウキモロコシが収穫できるまでに、作り手さんの手を通して箒になるまでに、そしてその箒を手に入れ、愛用して、お手入れして、一生使う。時間をかけてこの箒と一緒に暮らしてみるといかがでしょうか。

てならい堂では中津箒の使いやすく、美しい箒をご用意しております。詳しくは下のリンクよりご覧ください。

■ 【かいもの】中津箒(大きい箒:長柄箒・手箒・トモエ箒・ミニ手箒・荒神箒)

■ 【かいもの】中津箒(小さい箒:ななめ小箒・洋服用箒・筒型小箒・コーヒーミル専用箒)


・木のまな板をお手入れしてみる

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どんなまな板を使っていますか?木のまな板って気になりませんか?道具だから傷がついたり、染み付くのは当然のことです。でもその跡さえお手入れができるのならいかがでしょう。

自然素材である木のまな板は、なんだかすごく気を使う必要があるように思っている人も多いのではないかと思います。しかし予想とは違って、「たわしを使って洗うこと」「しっかり水分を拭きとること」そして「風通しの良いところで陰干しする」ことだけ覚えれば問題なし!木のまな板はたったこれだけのお手入れでずっと使い続けることができる道具なんだそうです。

時間をかけてお手入れすれば、長く使い続ける道具の一つ、木のまな板。道具って使う限りは壊れたり、傷ついたり、シミがつくのは当然なことです。だから直して、お手入れをします。毎日使うまな板を使うたびに少しだけ時間をかけてお手入れしておく。それだけでもっともっと長く付き合えますよ。

てならい堂ではwoodpeckerさんのイチョウの木のまな板と、お手入れセットをご用意しております。ひみつの小店にて実物を手にとっていただけますので、ぜひ遊びにきてくださいね。

【かいもの】まな板お手入れセット


・木のスプーンを育ててみる

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木のスプーンが持っている温度が好きです。木の質感と表情、口にした時の違和感のない柔らかさ。しかし、最近は手入れの手軽さのため、ウレタン塗装したものをよく見かけます。もちろんそうすると汚れても洗ったり水拭きで拭けば簡単に汚れが取れるし、水にも強い。しかし、逆にそのウレタン塗装が剥がれてきたら自分では簡単に直せないのが気になります。

暖かくて手触りの良いこの木のスプーンに自然素材を塗料として使ったらどうでしょう。

例えばオイル仕上げが思い浮かびます。オリーブオイルとか、くるみオイルとか、身近にあるオイルを木に薄く塗って染み込ませて乾かすのです。この方法なら木のスプーンを長く使い続けられます。ちなみにてならい堂でご用意している「育てるスプーン」はくるみオイルで仕上げるタイプです。

くるみオイル仕上げは普段食べるそのくるみをトンカチなどで潰して出るオイルをスプーンに塗るだけ!オリーブオイルより香りも強くないので特有の匂いもなくておすすめです。

時間をかけてオイルを塗ってあげる。薄くなったらまた塗り直す。かける時間ほどこの木のスプーンがきっと一生手放せない相棒になってくれると思います。てならい堂の育てるスプーン、ぜひ使ってみませんか?

【かいもの】てならい堂の育てるスプーン



3)“時間をかけて暮らす”について考えてみる集まり(てならい365日のススメ)

いかがでしたか。ミツロウラップ体験、ほうき、木のまな板のお手入れセット、そしててならい堂の育てるスプーンをご紹介しましたが、これ以外にも時間をかけてやってみたい体験や道具はもっともっとあると思います。みなさんも一度、時間をかけて暮らするということについて考えてみませんか?意外な発見があると思いますよ。

この3ヶ月、自分の手で、時間をかけたいモノやコトを見つけるのに時間を使いたいと思います。てならい堂ではそうやって自分の生活を見つめ直してみる機会を、てならい365日と名付け、皆さんにオススメしています。会場は自宅ですし、参加者は今日はおひとりですけれども、これだってひとつのワークショップと言えると思います。

やり方はとても簡単。ノートを用意して、テーマについて書き出してみる、以上です。けれど騙されたと思って書いてみてください。書き出された文字を見ていると不思議と次々と新しい考えが思い浮かぶものです。

そうやって自分の考えを進めていくことが、自分にとっての「こころよい生活」を見つけることにつながると思うんです。そして、はっ!とした気づきがあったら、ぜひてならい堂に共有してください。メールでもいいですし、てならいに参加した時やひみつの小店に来た時に、そっとスタッフへ教えてください。あるいは3ヶ月ごとに開催する「みんなのアイデア共有会」で一緒に話し合いませんか。

もしかすると同じワークショップに参加した人も、実は自宅でてならい365日に取り組んでいる仲間で、お互いに共感できるかもしれませんよ。

よーし、ちょっと考えてみようかな。と思ったあなた。今回は、「時間をかけて暮らす」を考えるにあたり、まずはてならい堂が提案するお題をご参考にしてみてはどうでしょう。

365日では新たに日々の事ごととして「お題」をアップしていきます。それをみてやってみたいな、と思うものがあれば是非やってみてみてくださいね。365日のインスタグラムでもアップしてます。こちらもどうぞよろしくお願いします。
てならい365日インスタグラムはこちらから


やってみて、どんなことでも結構ですので、気づいたことをノートに書き出してみてください。どんなノートでも構いません。構いませんが、形から入りたいという方(笑)向けに、てならい365日専用ノートもありますよ。

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ノートの購入はこちら


さて、色々と「時間をかけて暮らす」についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

1年の始まりであり、「時間をかけて暮らす」のテーマの始まりでもある1月。これからてならい堂と一緒に3ヶ月間時間をかけて暮らすについて感がてみませんか?今後、てならいの参加者募集とともに、てならい便り(メルマガ)にて随時このテーマについてご案内していきますので、まだの方はぜひこちらからをご登録くださいね。

「こんなことも知りたいよ」みたいなご要望あれば遠慮なくお問い合わせフォームやメルマガにご返信ください。

今月も皆さまのご参加をお待ちしています。てならいの会場で、ひみつの小店(神楽坂)で、色々とお話ししましょう!

コーヒー豆を引いてみる
掃除を箒に替えてみる
久々に編み物をしてみる
日が沈むのを待ってみる
時間をかけて暮らすとは?