【てならい後記】漆のお皿を自分で仕上げる。初めての拭き漆ワークショップ。10月
読書、ファッション、芸術、スポーツ、食欲、睡眠。もう少しだけ秋を楽しんでいたいですが、冬が着々と近づいてきていますね。
こんにちは。てならい堂スタッフのまるです。
10月24日と31日の2日間で拭き漆のワークショップを行いました。
漆は湿気で固まるため、雨がぱらぱらと降ることもあったこの期間は、まさに漆日和。
場所は神楽坂のひみつの小店です。
4名の方にご参加いただき、金継ぎ教室が気になっていたけど、まずは拭き漆を体験してみたいという方もいらっしゃいました。漆がどんなものか触れてみたいという方にも最適なワークショップです。
金継ぎにも使われる漆は昔から重宝される万能樹液。機能的なのはもちろん、素材を生かした光沢と質感が魅力的ですよね。
1枚の木地の平皿を塗っていくワークショップですが、おうちで家族にも使ってほしいと人数分お皿を追加される方も。料理もこの器もお父さんお母さんがつくったんだよって。素敵ですよね。
もちろんおうちにあるお箸やスプーンも自分で塗れるようになります。
金継ぎ教室でもいつも丁寧に教えてくれる梅澤先生が拭き漆ワークショップの先生です。漆全般のこと、金継ぎについてもなんでも教えてくれるので、いつも質問が絶えません。
さっそく拭き漆ワークショップ、スタートです。
2日目に分けて大きく4つの工程を行います。工程自体はシンプルだけど、ひとつひとつを丁寧に。
自分の好きな木目のお皿を選んだら、まずは木地調整。2種類のサンドペーパーでやすって、表面を整えていきます。
そして、漆でかぶれないように注意しながら生漆を刷毛で塗って、木地に吸わせていきます。時間が経つと多少色ムラが出てしまうので、ここは全体にササッと素早く塗っていきます。
チューブから出してすぐの生漆はクリーム色なのですが、酸素に触れる外側からだんだん色が濃くなっていくんです。
そして、すぐにウエスを使って表面の漆を拭き取っていきます。
けっこう力を入れて、くまなく拭き取るイメージです。
次週の会やおうちでも漆を重ね塗りしていきますが、この最初に塗った漆が1番吸収するので、ここで色味のベースが決まるといっても過言ではありません。
なので赤や黒など、色のついた漆を塗りたいときはこのタイミングで塗って、2回目以降は生漆で重ね塗りしていくそう。
初日はここまで。
温度20度以上、湿度70%前後の漆風呂と呼ばれる環境をつくり、次週までお皿を保管しておきます。
季節によって注意は必要ですが、おうちにある段ボールでもつくれます。
・・・そして1週間後。寝かしておくとこんなに色が濃くなるんです。
2日目は目止めから。木の道管とや繊維の部分を埋める工程です。
砥の粉(とのこ)と水、生漆を混ぜてサビをつくり、それを木目に合わせてウエスで刷り込んでいきます。きなこみたいな砥の粉がチョコペーストみたいになっていく過程が楽しいです。
そしてウエスで表面を拭き取っていきます。
ここでワークショップで行う工程は終了です!
使った道具もテレピン油で拭いて片付けて、続きはおうちで。
3回4回と漆を重ねていくと、深い色味と光沢を楽しむことができます。
これからも引き続き、拭き漆ワークショップを行いますので、お楽しみに。
参加者のみなさん、梅澤先生、ありがとうございました!