はじめまして。てならい堂インターンのはなと申します。
初めてワークショップのアテンドとして今回の拭き漆を担当させていただきました。温かく見守ってくださった参加者のみなさま、楽しいひとときをありがとうございました。

3回目となる今回は、1月23日と30日の2日間、午前と午後の部合わせて8名の方に参加していただきました。

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今回の拭き漆の注目ポイントは、生漆・ベンガラ・黒呂色漆3色の中からお好きな色をお選び頂けたことです。かわいいケーキ、おにぎりにお漬物。自分で ”育てる” 器に何を乗せようか想像を膨らませながら色をお選びいただけたのではないでしょうか。
実際に、「かまぼこを乗せたい」と教えてくださった参加者さまが。乗せる様子を想像すると今から胸が高鳴りますね。

他にも完成した器をご友人へのプレゼントに、とお皿を追加される方、自宅でどんぶりを育てたいとご自分で用意された方も。時間をかけて育てた器を大切な人と使う。生活のなかで人のぬくもりを感じられるものって最高じゃないですか?

てならい堂の金継ぎ教室でもお世話になっている梅澤先生が拭き漆ワークショップを担当してくださっています。じっくり、楽しく、漆の特性やかぶれのこと、道具やお皿のお手入れのことまでなんでも教えてくれる先生です。

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それではさっそくワークショップ開始です!
1日目は器の下準備と1回目の拭き作業です。

最初の大切な作業は、お気に入りの木目の器を見つけること。拭き漆は木目が引き立つのが一つの特徴なのでどの子を育てるかはとっても重要なのです。

選んだらサンドペーパーで表面をやすっていきます。木がきれいに漆を吸ってくれるように、お化粧の前にお肌を整えるようなイメージで。
この時点でもう愛着が湧いてしまう方も。これからどんどん育ちますよ!

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やすりがけが終わったら、いよいよ漆の作業に入ります。
多くの方が漆を扱うのがはじめてということでドキドキ、ワクワク。
肌につかないようにビニール手袋と軍手を二重に着けて行います。

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漆はベンガラや黒呂色漆のように着色されたものほどねっとりとしています。塗り心地は結構固め。
ムラができないようにしっかりと塗り込んでいきます。

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塗れたらすぐに漆を拭き取る。塗ってから拭くまでは時間を置けないので休まず作業をします。
実は結構力がいるので筋肉痛になりそう!
拭き作業は木目に沿って拭くと仕上がりがきれいになるそうです。
1回目の作業は一番漆を吸うのでとっても大切。丁寧にやっていくとこんなに木目が引き立って艶がでました。

1日目の作業はここまで。あとはお皿が乾くのを待ちます。
冬は漆が乾きにくいので、ダンボールで寝床を作って漆が完全に乾くように保管します。

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さて、1週間後。
漆は無事乾いてくれました。2日目は目止めという作業から始まります。
目止めとは、木目の中にある小さな穴を砥の粉・水・生漆で作ったペーストで埋めていくものです。
最初にこの作業をすることにより、表面の繊維のケバ立ちを防ぎ滑らかな肌触りを長持ちさせることができます。
お手入れの際自分でもできるように、ペーストの硬さをみんなで覚えます。

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穴がちゃんと埋まっているか先生と確認しながらしっかりと埋めていきます。
2日間で一番静かだった時間。黙々と、埋めて拭く、埋めて拭く。

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埋め終わるとどうでしょう!
またもや素敵な艶と深みが出てきました。
二日間で素朴な木の器がここまで育ちました。もうここまで来たら我が子のように愛おしいこと間違いなしです。

ここでワークショップは終了。
器と道具を持ち帰って、続きは皆さんのおうちで。
拭き漆は作業の上限は決まっていないのでお好きな回数好きなだけ、器を育てていただきます。

2日間を通して漆のおもしろい特性や扱い方などを知れただけでなく、漆製品がいかに手間をかけて作られているのかもわかる貴重な体験となりました。
発見だらけの漆の世界、漆の魅力にもっと触れてみたいです。

みなさんの器が温かく生活を彩る存在になりますように。
参加してくれた皆さま、そして梅澤先生、ありがとうございました。