【てならい後記】本革でつくるがまぐちワークショップ
こんにちは。てならい堂スタッフの大石です。
てならい堂では、7月に千葉県でがま口づくりのワークショップを開催しました。今年2回目となるがま口づくり。とっても楽しかったのでその模様をご報告します◎
がま口づくりを教えてくださるのは、千葉市にある中川守和匠店の中川さんとスタッフの北川さん。中川さんは、関東のがまぐち文化を築いてきた第一人者でもあります。お会いするのは初めてで緊張していたのですが、とっても物腰の柔らかい方で、お話した瞬間にホッと力が抜けました。
北川さんはがま口好きが講じて工房に長年勤めている方です。北川さんもとっても優しい方なので、終始和やかな雰囲気で開催することができました◎
今回つくったのは”ナカクボ”と呼ばれる、中央部分が凹んだタイプのがまぐち。まずはお好きな革と裏地を選んでいただきます。どんな組み合わせがいいかしら、と皆さん楽しそうに選んでいました!
革と裏地が選べたら、それぞれ両面テープを使って仮留めしていきます。これがマチ針の代わりとなります。職人さんは普段仮留めなどしないそうですが、初めての方でも作りやすいようにと用意してくださいました。
仮留めができたら、続いては縫製作業を行います。使用するのは革もスイスイ縫える工業用や職業用のミシン。家庭用とは少々勝手が違うのですが、中川さんと北川さんのサポートもあり、普段ミシン使わないんですという方も大丈夫でした◎
縫製が終わったら、革と裏地を貼り合わせる作業に入ります。接着にはゴム糊を使用するのですが、ゴム糊は貼って剥がしてが可能とのこと!やり直しが効くというのは安心ですね。シワができないように、きっちりくっつけます。
さあ、ここからがま口づくりの山場、貼り合わせた本体を口金(くちがね)にはめ込む作業に入ります。
どうやってはめ込むのか知らない方も多いかと思いますが、写真のような先が鍵型になっている”ハメゴテ”という道具を使います。非常に難しい作業なので、一度接着剤を付けずにはめてみます。革を入れ込みすぎたり、途中で外れてしまったりと加減が難しいのです。。
わあ、やっと綺麗に出来上がった!と喜ぶのも束の間、あくまでも予行演習なので、もったいないですが一度外してしまいます。
外したら、口金の内側にボンドを付けてもう一度はめていきます。この時、ボンドは極力薄ーくつけることがポイント。これはやってみないと分からないのですが、多いと革をはめたときに溢れてきてしまうんです。
口金にはめれたら、更に紙紐を間に入れ込みます。こうすることでテコの原理で口金が外れにくくなるのだそうです!紙紐を入れるなんて全く知りませんでしたが、今後がま口を購入したら入っているのか見てみたいと思いました。
中川さんに最終チェックをしていただいて完成となります◎
完成したがま口を見て「うん、綺麗にできたねえ!」と中川さん。プロの方にそんな風に言ってもらえるととっても嬉しいですよね。
見ている私も嬉しくなっちゃいました!
最後にがま口を持って記念撮影。それぞれ個性が出ていて、どれも素敵な仕上がりでした!
中川さんは長年大手のメーカーさんからの委託でがま口をつくられてきました。委託の場合は仕様が決まっているため、皆さんが自由な組み合わせで作るのをみるのはとても勉強になるそうです。
また、今回の参加者の中に「革に刺繍してみたいんです。」という方がいたのですが、どうやったら刺繍できるか、中川さんが色々と機械を紹介しながらこれだったらできるかもと考えてくれました。
作り手さんにも気づきがあったり、お客さんが直接相談できたり、そいうところがワークショップの良いところだなと改めて思いました。何より、中川さん北川さんのお人柄が知れて本当によかったです。私も含め、みなさんファンになったと思います!
今回に限らずこの輪が繋がっていくと良いなと思いました◎
そしてそして、8月20日にもがま口のワークショップを開催します!今度は手のひらサイズの小さいがま口づくりです。みなさんぜひご参加くださいね。
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