【てならい後記】刀鍛冶技法を受け継ぐ職人から学ぶ、包丁作り2022/9/24
こんにちは。てならい堂スタッフのまつもです。
千葉県成田市にある正次郎鋏刃物工芸の石塚さんの工房で包丁づくりのワークショップが開催されました。
その様子をお届けします。
今回で2回目の開催になります。
個人的にも普段から刃物を扱うことも多いので、楽しみにしていました。
教えて頂いたのは、前回から引き続き教えてくださっている正次郎鋏刃物工芸の石塚祥二朗さんです。
江戸時代から続く石塚さんの技術は、日本刀から裁ちばさみ、 包丁へ時代とともに作る刃物も変化していきましたが、熱した鋼を 叩いて作る「火造り」と呼ばれる技術は、今も変わらず刀鍛冶の技法を伝承した製法で 製作されています。
ワークショップの前半は、
包丁を作ってもメンテナンスの方法が分からなければ使い 続けられないということで、包丁とお持ちいただいた刃物の研ぎ方をレクチャーしてい ただきました。
今回はいろんな種類の刃物が集まりました。
革太刀、鎌、錆の強く入った包丁など…
その他砥石のメンテナンスなども教えていただきました。
定期的に研ぎを行う習慣がつけば、自然と身についていきますね!
後半は包丁づくりをしていきます。
最初に包丁のもとが配られたました。まだ細長い棒状です。
刃物の土台となる地金と刃となる鋼が鍛接されたもので、これから叩いて包丁にしていきます。
先ずは炉に入れて叩ける温度にします。
色で見分けて叩けるか判断するのですが、経験を積まないと見分け るのが難しいです…
熱すると赤くなりさらに熱すると白っぽく光ってくるのでそこが叩 くタイミングだそうです。
パチパチ火花が上がってくると熱しすぎで、温めすぎると鋼が使い物に ならなくなってしまうので、みなさんで恐る恐る作業されてました。
全体的に叩いて均等の厚みにしていきます。
地金と鋼の付け根の部分を念入りに叩いて剝がれないようにします 。
先端を叩き、厚みが出るので横にして均等な厚みになるように叩いていく。
失敗もしながらですが、少し包丁の形になって来ました◎
その後弟子の役割をする機械を使って刃物全体を薄くしていきます 。
機械の動きに合わせて刃物を動かしながらペダルを踏んで機械を動 かすのですが、 みなさん初めてだったこともあり先生にサポートしていただきなが ら作業を進めました。
全体を薄くした後は、また鉄鎚で包丁らしい形に整え、 柄の部分をカットします。
最後に軸出しと言う、柄の部分の形を鉄鎚で整えるのですが、 みなさん思い通りの形にするのに苦労されていました。
最後の方になると腕も疲れてきて力が入らなくなってきてしまいま すね…
今回体験できるのはここまで。包丁づくり工程の約3割程だそうです。
この後先生に仕上げていただき、10月末頃に完成、 発送予定です。
自分で作った包丁で料理したらとっても美味しく感じそうですね!
完成が楽しみです。刃が切れにくくなったら、習った研ぎでmy包丁を育てていってください。
教えて下さった石塚さん、参加者のみなさん、ありがとうございました!
11月は包丁、ハサミの”診断会”を開催します。
普段使っている包丁やハサミを今回教えていただいた、石塚さんに診てもらえます。
診断会なので、見てもらうだけでもOKですし、包丁ならその場で研ぎ直してもらえます。ぜひ、参加してみてください!
次回開催のときにはまたHPでお知らせしますので、参加希望の方は、お知らせメールが便利です◎