革職人夫妻が営むブランドsafujiの物語。
親子おそろい。微笑ましいポシェットを、職人と一緒に作ってみませんか
今回のワークショップで作成するのは”kinariバッグ”と名付けられた親子バッグ、シンプルな形で革の色合いもかわいい、肩掛けのポシェットです。
元々は生後6ヶ月のお子さんの為に作られたこちらのポシェット。
友人のお子さんにもプレゼントするうちに寄せられた、親子で持ちたいというリクエストに応え、大きなサイズも試作したところ、お揃いのポシェットにお子さんも大喜び。
こうして完成した親子お揃いの可愛いkinariバッグを、手にして笑顔にならない母子は、きっといないと思います。
シンプルながらも、携帯や財布などちょっとしたお出かけに必要なものがきっちり収まるサイズ感や、紐の結び目を変えることで長さの調節も可能であったり、厚ぼったくならない様に部分的に漉いたりと、随所に職人の心遣いが配されたバッグは、使い勝手も◎。
職人の仕上げでそのまま持ち帰っても、もちろん幸せな気持ちになれるバッグですが、今回はこれを自分で手縫いすることで、欲張ってさらに豊かなストーリーを持ち帰ってみようというワークショップです。
革小物を作ったことがあるという人よりは、作ったことが無いよ、という人の方が多いはずですので、ご安心を。
あらかじめ職人さんに革をカットして準備しておいてもらいますので、お好きなカラーをその場で選んで、最初は職人さんと一緒に、子供用の小サイズを縫ってみます。
完成したら、今度は一人で大きい方にチャレンジ。日頃職人さんが実際に作業しているアトリエにお邪魔し、職人の手仕事を垣間みたり、時には職人ならではの革へのこだわりに耳を傾けながら、順調に行けば、3時間ほどで完成。
最後に大切なお名前を自分で刻印して、お子さんに、そしてママ自身に、最高のプレゼントになるでしょう。
もし、あなたがパパならば、パパが縫ったバッグを贈られた母娘の幸せな顔を、思い浮かべてみるだけで、ちょっとうるっときちゃいませんか?
革職人夫妻が営むブランドsafujiの物語。
今回見つけた親子バッグを作るのは、東京の西、少しだけゆったりしたつくりの街で、沢藤夫妻が営む革小物ブランド”safuji”さん。
ご主人の勉さんは、学生時代から趣味で革小物の制作を始め、大学卒業後は迷いなくアルバイト先でもあった革メーカーで、職人の道へ進みました。
「革のどういうところが好きなんですか?」と尋ねると、「匂いとか」(笑)という答えが返ってくる程に、完全に革に魅せられている沢藤さん。
最初から独立を考えていたのでは無いそうですが、いくつかの偶然が重なり、導かれる様に2010年に自分のブランドsafujiを立ち上げることになります。
自然な流れに身を任せただけという沢藤さんですけれども、まっすぐに革を愛し続けた訳ですから、導かれた道は、必然だったのではと思ってしまいますね。
そして、学生時代から沢藤さんと革の蜜月を知る存在でもあった奥様の加奈子さんも、このタイミングで勤めていた会社を辞めて合流し、safujiは革職人夫婦のブランドとしてスタートしたのでした。
safujiの革小物の特徴は、手仕事だからできる機能と味わい。
過度な装飾をする訳でもなく、手縫い自体を目的にすることもなく、自分たちが欲しいと思う機能や形を追求しています。
その形が今までに無いものであれば、職人の技術を駆使して、何とかそれを実現しようと研究と試行錯誤を重ねる結果、機能性と手縫いならではの味わいとデザインが活きた、独特の革小物が出来上がります。
safujiから生まれたkinariバッグの持つ魅力
最近のsafujiのヒット作は、ミニ長財布。ミニ財布も長財布もここ数年の財布のトレンドでありましたが、ミニ長財布というのは無かったジャンル。
一万円札ぴったりのサイズを、縫いや漉きの工夫を積み重ねることで、実現したこちらの財布はsafujiの真骨頂。
勉さんはその過程を「発明」と表現しますが、こうした創意工夫の積み重ねこそは、正に日本のモノづくりの精神なんだろうなと思えます。
その知恵と業が詰まった、やはり職人的なsafujiの他の”発明品”とは、今回製作する”kinariバッグ”は、そのシンプルな造りや優しい色合いといった点で、少しテイストが違う様ですし、実際、沢藤さんも「safujiのラインとは違いますね」と言っています。
けれども、愛娘への純粋なプレゼントとして作られたこちらのバッグには、どこかお二人の素の部分が出ているようで、「これはこれで沢藤さんらしいよ」と、てならい堂は思ってしまうのです。
“kinari”は実は、沢藤さんの上の娘さんのお名前。
音楽でも料理でも、特定の誰かの為だけに作られたものが、より多くの人を感動させることがあることを、私たちはよく知っています。
仕事上ではぶつかることも多く、夫婦で仕事するのも簡単じゃないですねと口を揃える、沢藤夫妻。
そんなことは知りませんが(笑)、十分に素敵と思える沢藤夫妻、いや沢藤親子による”kinariバッグ”を、その背景にある空気感を感じつつ、あなた自身の想いをひと縫いひと縫いに込めて、大切な人に贈ってみませんか。