【金継ぎ・風景】「みんなの金継ぎ」朝と午後のふうけい
てならい堂の『みんなの金継ぎ』今回、朝のじかんは5回目、午後のじかんは今日は4回目でしたね!みなさんいかがでしたでしょうか。
朝のじかんのみなさんは、「欠け」も「割れ」も下地の調整をしてほぼ最終作業の「粉まき」の作業。
仕上がりを金にする方もいれば、銀の方もいる。粉が違うだけで仕上がりの印象も全く変わってきます。器を傷つけないように注意しながら、先週かいた黒呂漆のラインを耐水ペーパーを丸めて優しく表面を整えていきました。
ポイントは、前回かいたラインがとれないように撫でるように優しく表面を整えることです。
表面を平らにしておかないと、この後に載せる漆が縮む原因になります。整えた後は上塗りを行いました。金など赤みが強いものはベンガラ漆を。銀や錫は青みが強いので、黒呂色漆や白漆を塗りました。漆を塗り終わったあとは一旦漆風呂にいれて20分ほど乾かし、表面が少し乾いたところで粉蒔き作業。粉を蒔いていく際は漆で描いた順番でしたね。理由は先に線を描いたところから順に乾いていくからです。真綿に粉を含んで錫粉や金粉を落としていくイメージで粉を蒔いて作業は完成。
午後のじかんのみなさんの「割れ」の作業は、はみ出している錆漆を彫刻刀で削って平らにしていきました。細かいところは水をつけながら耐水ペーパーを使って慎重に行い、接着面がラインとなって見えてきましたね。
その後、蒔絵筆を使い黒呂色漆(くろろいろうるし)で、このライン上を薄く均一に塗っていきました。
今回使用するのは生漆ではなく黒呂色漆。黒呂色漆は生漆を精製し、鉄分を入れて化学反応させて黒くした漆です。
漆は筆につけたらなるべくつけ直さないことがポイント。厚塗りになってしまい乾きのムラの原因になるからです。筆は出来るだけゆっくりと動かし、線を引きながらゆっくりと回転させるのが理想です!
「欠け」の作業は、前回塗ったコクソのはみでた箇所を彫刻刀とヤスリで「割れ」とおなじように綺麗にしていきました。器本体とコクソの表面が凸凹がなく滑らかになるのがゴールです。漆の塗膜はとても薄くセロハンテープよりも薄い厚みです。この段階で凸凹があると、漆を塗ってもその凹凸の形が出てきてしまいます。コクソをこの段階でどれくらい滑らかに出来るかがとても仕上がりに影響します。ここも大切なポイントでしたね!その後こちらにも黒呂色漆を塗っていきました。
その後はムロに入れて一週間また乾かします。
今回はここまで。おつかれさまでした!また来週おまちしております。
みなさんも金継ぎの基本、いっしょに探しませんか?