【てならい後記】はじめての金継ぎ教室2020秋〜6回目〜
少し遅めですが、明けましておめでとうございます。てならい堂スタッフの小野寺です。
皆さんお正月はいかがでしたか?
毎年不思議に思うのですが、なぜか大晦日あたりになると外の世界がキリっとしてきて、空や空気が凛としてくるのを肌で感じるのです。そして年が明けると、ビシッとお正月の空気になっている。あれは、気持ちの問題でそう感じるだけなのでしょうか。
さて、染の里・おちあいで開催している秋の金継ぎ教室も終盤間近の6回目を迎えました。(直近の後記はこちら:3回目・4回目・5回目)
今年初めての金継教室は「塗り」を完成させて、ついに、ついに、、「蒔き」の工程です。
とはいえ前回から約1か月も空いたので、最初は感覚を取り戻すのに少し時間がかかりそうですね。しかし皆さま、漆やヘラや筆の扱いにはもうすっかり慣れていらっしゃるご様子。
「水とぎ」をした後、自分のペースでササっと筆を動かし始めていました。頼もしい限りです。
前回同様に薄く漆を塗り、少し乾燥させた後。さぁて、お楽しみの時間がやってまいりました。「錫粉」「銀粉」「金粉」を蒔いていきましょう。
塗った漆を擦らないように、真綿に粉を含ませて上っ面で軽く滑らせて、と先生からのアドバイスが。傍で見ているとお化粧のチークを軽くポン、ポンとしているような感じです。
粉は漆に沈みやすいために、何度か時間をおきながら重ねて、やや厚塗りにするのがポイントです。
参加者からは「今までは次の工程まで待つことが多かったけれど、今日は塗った後にもう蒔けるだなんて。嬉しいです!」と喜びの声がありました。
さあ、自分の器が「これぞ金継ぎ!」な見た目に変身する瞬間をしっかりと楽しんでいきましょう。
皆さんどの色で仕上げるのかなとわくわくして見ていましたが、はい。どれも素敵ですねぇ。
品があったり、涼し気だったり、馴染みよく味があったり。ちゃんとそれぞれの器に合った粉を選ばれていますね。
「器が真っ白でシンプルだったので、内と外で色を変えてみました。」という方も。漆の色と錫の色と両方を楽しめますし、これはユニークな発想ですね。
先生のお話によると金粉は特に種類がたくさんあるそうで、最初からラメのようにキラキラと輝いているものから、きな粉のようなものも。先生も何種類もの金粉をお持ちでした。
そして蒔いた後に更に磨くか、また、その磨き加減によっても表情が全く変わってくるようです。
その細かい使い分けは職人さんの領域になってくるのだと思いますが、改めて、奥が深い世界です。
金継ぎ教室は10月から始まりここまでじっくりと向き合ってきましたが、金継ぎの工程は本当に「待つ」ことが多く、時間がゆっくりと流れているような、優雅さのようなものを感じました。
一休さんの「あわてないあわてない、ひと休みひと休み」というフレーズが私は好きなのですが(昭和生まれです、 ふふ。)、いつも器が戻っていく漆風呂もそう言っているような気がするのでした。
次回はついに最終回。オンラインで、これまでの振り返りの回となります。
先生に聞いておきたいこともこの機会にたくさん質問して、金継ぎを極めましょう!
そして、またおうち時間も増えてまいりましたので、こちらもどうぞご覧くださいね。