【てならい後記】はじめての金継ぎ教室2021秋〜1回目〜
こんにちは。てならい堂スタッフの大石です。
からっと晴れた日が続いたと思ったら今度は台風がやってきたり、まだまだ気の抜けない季節ですね。
みなさん変わらず元気にお過ごしでしょうか?
この日も台風で雨が降りしきる中でしたが、てならい堂では、はじめての「金継ぎ教室」2021秋。がスタートしました!
講師は、てならい堂の金継ぎの監修をしてくださったアマノさん(日曜日)と、金継ぎ修理でご協力をいただいている梅澤さん(金曜日・土曜日)。会場は、藍染めの教室でもお世話になっている染めの里おちあいさんです。
初回ということで、まずはみなさんの自己紹介から。それぞれが金継ぎに興味をもったきっかけを話していただきました。
「旅先で購入した思い出の器を直したくて。」
「祖父が大切にしていた器を使えるようにしたい。」
「子供たちが器を割ってしまうので、直せるようになって怒るストレスを減らしたいんです!」
最後の方は、直せるようになってお子さんに器を大切にする姿勢を示せたらとおっしゃっていて、とっても素敵なお母様だなあと思いました。
自己紹介が終わったら、先生から生漆について教えていただきます。
漆とは何かということから、漆の採り方や漆工芸に使用する道具、漆の性質など、漆について紙芝居形式でお話していただきました。
中でも印象的だったのが、「途中で手を抜いてしまうと、どこかで漆の逆襲がきますよ。」というお話です。
金継ぎもなかなか工程が多いのですが、すべての工程を丁寧に行わないと、どこかで必ず綻びが生じてしまうそうです。下地をしっかりつくることがとっても大切なんですね。
美しい仕上がりを目指して、ひとつひとつ頑張っていきましょう。
それでは、金継ぎの作業に入っていきます。
今回は初回なので、今後の作業のための下準備をしていきます。
漆は一度ついて乾いてしまうととれないので、欠けや割れの部分以外を養生する必要があります。
薄い色の器は全体を、それ以外は釉薬のついていない高台を、しっかりと養生しましょう。
養生ができたら、いよいよ漆の登場です。
生漆とテレピン油をヘラで混ぜ合わせ、欠けの断面に筆で塗っていきます。
これは次の工程の土台をつくる作業なのですが、漆を中に浸透させることで、ペーストで埋めていく際に接着しやすくなる効果があるそうです。
少し乾かしたらウエスでしっかりと拭き取ります。
漆を浸透させている間、筆などの道具をお掃除していきます。
筆は菜種油(教室ではキャノーラ油で代用)で、それ以外はテレピン油でしっかりと漆を拭き取ります。
漆が残っていると、固まって道具が使えなくなってしまいますし、手袋を外した際に触ってかぶれる原因となるので、しっかりやっていきましょうね。
この道具のお手入れや、部屋の気温と湿度の管理など、漆を扱う際は気をつけなければいけないことが結構たくさんあります。なので、上手く付き合っていけるかなあと心配になったり、ちょっとめんどくさいなあと思うこともあるかもしれません。
私も少し不安に感じたのですが、「漆をわがままなお嬢様だと思って扱ってください。」と先生がおっしゃっていたんです。
なるほど、お嬢様だと思うと、扱いが難しいところもなんだか可愛らしく思えてきませんか?笑
まったくしょうがないなあ!という感じで、ぜひ根気よく付き合っていただけたらと思います。
まずは3ヶ月間、みんなで一緒に漆と仲良くなっていきましょう。
次回は、割れをくっつける・欠けを埋める作業です。
漆をたくさん使うそうなので、ドキドキしてしまいますね。
ご興味のある方は、おうちでも本格的に楽しめる金継ぎキットも是非ご覧くださいね。