こんにちは。てならい堂スタッフの小野寺です。
新緑が芽吹き、お花も色とりどり。そして、ふらふらと寄り道をしたくなってしまうこの気候。みなさん、春を満喫していらっしゃいますか。

会場のおちあいさんの和室。窓の配置が絶妙。

会場のおちあいさんの和室。窓の配置が絶妙。

全7回の金継ぎ教室の2回目。今回からしっかりと手を動かして、金継ぎの「埋め」の工程に入ります。
1回目の最後に、欠けた部分に何を埋めていくのだろうという話がありましたが、答えは「刻苧(こくそ)」というパテ状のものなんです!

割れた器の本体と破片は、上新粉でできた糊と生漆を混ぜ合わせた、「糊漆(のりうるし)」で接着します。
欠けた部分は、糊漆にコクソ綿(麻の繊維)を混ぜ合わせた「刻苧」で欠けた部分を埋めます。

繊維でポソポソしている「刻苧」。

繊維でポソポソしている「刻苧」。


接着の際、割れた箇所には全て「糊漆」を塗っておきます。塗る量は薄すぎず、厚すぎず。梅澤先生がわかりやすく見本を示してくださったので、皆さんも良い塩梅の量をすぐにつかめたようです。

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そしていざ接着の時は、両手で圧をかけながらジリジリと微調整します。
漆は瞬間接着剤のようにすぐに固まるわけではないので、小さなズレが無いかを指先で確かめたり、絵柄のズレも目で確認しながらここでしっかりと時間をかけて合わせておきましょう。そうしたら、マスキングテープで両面を固定します。

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欠けを埋める作業は、一気に埋めてしまうと「刻苧」が中まで乾かなくなってしまうために、焦らず、数回に分けて行います。そして水分が蒸発すると少し凹むそうですので、その分はまた次回、埋めていきましょう。

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そしててならい堂では、おまけの可愛いタイルでちょっとお遊びもしちゃいます!
お好きな2色を選んで、こちらも「糊漆」を塗って接着しておきましょう。
何ができるのかはお楽しみに。

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さて、今回はここでおしまいです。
今日塗った漆は3週間~1か月かけてゆっくりと固まっていくそうで、器たちは「漆風呂」に戻り、皆さんとの再会を待ちます。
「再会までにゴールデンウィークもあるし、忘れないかしら。ちゃんと迎えに来てくれるかしらねぇ。」と、今頃ヒソヒソと話しているのかもしれません(笑)。

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次回は今日の内容をちょうど忘れかけた頃の開催ですが、また埋めの工程をおさらいできますので、ご安心くださいね。
この忘れた頃にやってくる、金継ぎ教室ののんびりとしたペースが私は好きです(笑)

教室でも何度か金継ぎキットに関しての質問がございましたが、実物は神楽坂の秘密の小店でご確認いただけますので、お近くにお出かけの際はどうぞお気軽にお立ち寄りください!