こんにちは。てならい堂スタッフの五十嵐です。

しっかり金継ぎ教室は、てらない堂の人気コースのひとつ。今回は、全8回にわたって行われるこの教室の、4回目のおはなしです。

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3回目に続き、今回もアマノ先生の教室をご紹介します。この日は、はじまる前から先生を交えてわいわいとにぎやかです。それもそのはず、いよいよ仕上げの色を決める回なんですね。

金、銀、弁柄などで彩られた器を思い描きながら、先生のアドバイスを参考に仕上げの種類を決めていきました。

見本をみているだけでワクワクしますね

見本をみているだけでワクワクしますね

完成品をイメージしたところで、さっそく本日の手仕事のはじまりです。

前回までで、すでに割れと欠けの下地はできています。今回は下地の表面を研ぎ、その上に漆を塗るという工程です。

まずは紙やすりや彫刻刀を使って、下地の部分を研ぐ作業からはじまりました。

前回と同様に紙やすりだけでなく、トクサでつくられた天然素材のヤスリも使いましたよ。

右側、棒状のヤスリがトクサのヤスリです。

右側、棒状のヤスリがトクサのヤスリです。

形状にあわせて道具を変えながら、慎重に研いでいきます。ここからしばらく、てならい堂にはシャカ、シャカ、シャカ、という音だけが響きわたっていました。

トクサのやすりで丁寧に研いでいきます。

トクサのやすりで丁寧に研いでいきます。

「先生、ここは削りすぎですか?」

「ちょっとボコボコしてるような……」

こんなお声がぽつりぽつりと聞こえるようになると、みなさんの緊張の糸が少し緩み、お話も楽しみながら作業をしていましたね。

割れや欠けの形状や位置によって、進み具合に差がでるところではありますが、先生にしっかりと確認してもらい、下地を研ぐ作業が完了しました!

不安なところはしっかりと確認してもらいます。

不安なところはしっかりと確認してもらいます。

下地がきれいになったところで、器はもちろん、作業台のガラス板や机のまわりの細かなカスなども、きれいに拭きとっておきます。次に登場する漆にゴミが混ざらないよう、みなさん細心の注意を払っていました。

いよいよ漆を塗る段階になると、なんだか完成にぐっと近づいた気がしますが、この漆を塗るという作業は、今回を含めて3回にわたって行われます。

漆の塗り残しがないように、また、きれいな仕上げとなるように、その都度漆の色を選んで塗っていきます。

3回目の塗りは、仕上げの色と相性のよい漆を選択。そこから逆算して、本日の漆を色を決定します。

3回目の塗りは、仕上げの色と相性のよい漆を選択。そこから逆算して、本日の漆を色を決定します。

使った筆は、水彩画用の極細の絵筆。こんなにも細い筆を手にする機会は、めったにないのではないでしょうか。さらに、普段先生が使っている超極細の筆や、猫の毛でできた柔らかい筆も見せていただきましたよ。

いろいろな道具に触れることで、自然と知識も深まりますね。

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それにしても、この細い筆でねっとりとした漆を扱うのはとても難しそう……という不安を払拭すべく、まずは感覚をつかむための練習です!

・筆に漆を含ませすぎない(漆でぷっくりさせない)
・筆を動かすときはゆっくりと
・長い線が難しければ、短い線の端と端を少し重ねて1本の線に
・小指でしっかりと支えながら塗る

先生からこのようなコツを伝授してもらいながら、ガラス板に細い線をたくさん引きました。

小指でしっかりと支えながら塗る先生。

小指でしっかりと支えながら塗る先生。

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準備が整ったら、呼吸も整えて、いざ本番です!

塗りに集中!

塗りに集中!

「あ~、息が止まっちゃう!」

呼吸をするのも忘れるほど集中していたみなさん。このひと言で、肩の力が抜けて、笑顔がこぼれました。これは金継ぎあるあるですね〜、なんてお声も聞かれましたよ。

また、湯呑やコップなど、内側の深い部分を塗るのが難しかったり、欠けの部分を均一に塗るのに苦戦したりする方も。

でも、そんなときの救世主はアマノ先生。細やかな目配りと軽快なフットワークで、器と真剣に向き合うみなさんにすぐさま駆け寄り、助けてくれました。

先生の細やかなチェック

先生の細やかなチェック

下地の段階からすでに美しい!

下地の段階からすでに美しい!

先生の丁寧な指導と、みなさんの集中力がきらりと光った4回目。次回もこの学びを活かして、漆の塗りを楽しんでいきましょう!