【てならい後記】初めてのしっかり金継ぎ教室。2024春~3回目~
こんにちは。
てならい堂スタッフの五十嵐です。
小雪がちらつき、しんしんと冷え込んだ週末のこと。朝いちばんのてならい堂も、底冷えのするような寒さでした。 ストアがゆっくりと暖まってきたところではじまったのは、アマノ先生の「しっかり金継ぎ教室」3回目。全8回のこの教室は、早くも中盤にさしかかろうとしています。 今回の工程も盛りだくさん!先生と一緒に、一歩一歩進んでいきましょう。
3回目の教室では、
・割れの下地を調整する
・割れの下地にできたすき間に「とのこさび」を塗る
・欠けの部分(前回埋めきれなかった部分)を「コクソ」で埋める
という作業を行います。
毎回いろいろな道具や材料が登場しますが、今回は「とのこさび」が初登場! それっていったいどんなもの? と、気になるところですが……その前に、まずは下地を整える作業からはじめていきましょう!
前回、「糊漆」で接着した割れの器。その接着部分を見てみると、しっかり乾燥していますが、糊漆がはみでたりもしています。この部分を彫刻刀や耐水ペーパー、そして天然の紙やすりである「トクサ」を使って、なめらかに整えていきます。 削り過ぎないように、ほかの部分を傷つけないように、慎重に、慎重に……。
下地を整えたら、前回もつくった「コクソ」と、今回初登場の「とのこさび」をつくります!
聞き慣れない名前が増えて、少し混乱してきたでしょうか。(私は混乱しています……)
・割れを接着するのが「糊漆」
・大きな欠けを埋めるのが「コクソ」
・小さなすき間を埋めるのが「とのこさび」
まずは糊漆をベースにして、コクソを作ります。これは前回と同様ですね。
続いて初登場の「とのこさび」。 粒子の細かい「砥の粉」に水を加えて練り、さらに生漆を加えてヘラで混ぜていきます。見た目が「ツヤのないチョコレートクリーム」のようになるのが正解だそう。どろっとしたウスターソースのようだと、生漆の量が多すぎるそうです。食べ物に例えてもらうと分かりやすいですね!
コクソ、とのこさび、ともに完成しました。
それでは、さっそく塗っていきましょう!
コクソは、前回埋めきれなかった欠けの部分に。 「埋める作業は今しかできませんよー」と先生。しっかり埋めていきましょう!
そして、とのこさびは割れの接着部分にできたすき間を埋めるように。 こちらも丁寧に塗っていきます。
下地を削って整え、またあらたな下地をつくって塗る。もちろん、その都度道具もきれいにしなければなりません。なかなか忙しい教室でしたが、みなさん写真を取りながら、積極的に質問もして、着々と作業を進めていました。これにて本日は終了です。
ある生徒さんの「器と向き合っていると、気づかなかったことが見えてきますね」ということばに、ハッとさせられました。割れや欠けの部分だけでなく、器に触れ、あらゆる方向からよく見てみると、また違った美しさに気づくことができるんですね。
自分で器を修理する、その価値について考えさせられました。
次回も下地を整えるところからはじまります。そしていよいよ「漆」を塗る作業に入ります!
みなさま、どうぞお楽しみに!