【金継ぎ】『刻苧』ってなんて読むんだ?
「みんなの金継ぎ」今日は「欠け」次の工程2回目、3回目のお話を。
今日のメインは「刻苧(こくそ)」を作って欠けた箇所に付けます。
この日常で聞きなれない「刻苧」は「こくそ」と読み、欠けを埋めるためのもので、糊漆と地の粉と刻苧綿の3つの材料でできています。
まずは、上新粉を水で煮て作った糊に、同量の生漆を少しずつ加えながら、ヘラにくっつく位まで良く練って、糊漆をつくります。(「割れ」の最初の作業の復習ですね)
この接着の際に使う糊漆は小麦粉と漆で作る方もいらっしゃるそうで、その場合は「麦漆」とよばれますが、刻苧の時には麦漆は使いません。
この糊漆に、細くちぎった刻苧綿を少しずつ投入していきます。ダマにならないように少しずつ少しずつ入れるのが今日のポイント。刻苧綿は普通の綿よりも繊維が長いのが特徴で、かさましの為に使用します。
ちゃんと混ざったら、地の粉という、砥石を細かく砕いて粉末状にしたものを少しずつ投入します。ダマにならないようにヘラで練り、刻苧の完成です。
出来上がった刻苧を少量とって、細いヘラで押し込むようにつけていきます。器の表面と同じくらいの高さになるまで繰り返します。
その後はムロに入れて2、3日乾かしましょう!
乾かしたあともう一度、刻苧をつける同じ作業を行います。
ここでポイント!刻苧は一度にたくさんつけてしまうと、中が生乾きになってしまうため少し塗って2、3日乾かしまた塗っては乾かしを繰り返します。
刻苧もベースは漆が入っているのでなまものです。ラップに包んで2、3日はもちますが、外側の濃い茶色になって固まっているところは古くなっているので使わず、作りたての時と同じ、ベージュっぽい色の柔らかいところを使用してくださいね。
今日はここまで。最近やっとヘラの動かし方を習得しました!
次回は約3週間乾かした「割れ」の次の工程 錆漆(サビウルシ)をつくっていきますよ!お楽しみに!
みなさんも金継ぎの基本、いっしょに探しませんか?
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