『器の金継ぎ修理』依頼承ります。
大切な器が割れてしまう、欠けてしまう。仕方のないことではありますが、簡単には諦めきれないですよね。
てならい堂では、“壊れたものは捨ててしまう”だけでなく、“直して長く使う”という選択肢が手に入れば、生活はもっと豊かになると考えています。
自分で直す技術を手に入れたいという人のためには、『初めての金継ぎ(きんつぎ)』教室を開催しています。
とはいえ、金継ぎは時間がかかりますから、自分で修理するのはなかなか大変。とにかく器を“ちゃんと”直したい人、気軽に金継ぎの器に触れてみたい人に向けて、『器の金継ぎ修理』依頼を受け付けます。
遠方のため金継ぎ教室に参加できなかったよー、という方もぜひご利用ください!
そもそも金継ぎって何?という方もいらっしゃると思うので、簡単に金継ぎの説明を。金継ぎは、破損した磁器や陶器などの焼きものを修理する伝統的な技法です。
“金”継ぎという言葉の通り、金を使って繕っている器を想像するかもしれませんが、金継ぎのベースは実は“漆”です。漆で接着剤をつくり、隙間を埋めるペーストを作り、線を描き、そうやって何度も漆を使って仕上げていった上で、最後の仕上げに金などの金属の粉を蒔くので金継ぎと呼ばれます。なお、金粉を蒔かずに漆だけで仕上げることもできます。
家で眠っているお気に入りや思い出の器に、新しい命を吹き込んでみたい方は、お気軽にお問い合わせください。
修理を担当、監修してくださるのは、てならい堂の金継ぎ教室もご担当してくれている、大きな“うるし愛”を持ち、漆のアクセサリーの製作でも人気の梅澤さん。(ページ内の修理画像は、全て梅澤さんの手によるものです。)
そして、金継ぎをはじめ、蒔絵、沈金、髹漆・・・と漆芸のエキスパートであり、塗師屋としてご活躍している行庵さん。お2人をはじめ、数名の先生に担当いただいています。お願いする先生については、こちらで割り振りさせていただきます。
修理を依頼してから手元に戻ってくるまではおよそ3〜4ヶ月、複雑な直しは半年以上お時間をいただく場合もあります。かかる費用は器を購入したときより高くなってしまうかもしれません。
けれども、時間や手間をかけた分、よりいっそう大事に思える器になるはずです。どうぞ、ゆっくりとお楽しみに。
金継ぎ修理ご利用にあたって
修理できる器の条件: |
大きさ:縦30cm,横30cm,高さ10cm以内 形状:食器類(お皿、おわん、カップ等)、口の広い花器 素材:陶器、磁器素材のもの 割れた破片の数:10片まで
<下記の場合は相談ください> 大きさ:上記を超え、縦50cm,横30cm,高さ30cm以内 形状:上がすぼまってる等器の内側に触りづらいもの 割れた破片の数:10片以上のもの ※マグカップやコーヒーカップ、急須などの持ち手部分は、お直し後も負荷がかかり取り扱いに注意が必要なため、破損状態によってはお断りする場合があります。 |
修理できないもの: |
大きさ:縦50cm,横30cm,高さ30cmを超えるもの 素材:漆、木、ガラス、金属など陶磁器以外のもの その他:直火にかけて使用するもの(土鍋など)、接着剤がはがれていないもの
※破損箇所が接着剤などで修理してあり、接着剤が付着しているものはお引き受けできません。必ず接着剤をはがしてから送付をお願いします。 ※金彩の補修はお引き受けできません(薄れや剥げの塗り直しなど)。破損箇所が金縁や金彩にかかる場合は、別途追加修理代金が追加となります。 |
受付から 修理完了までの流れ: |
1)下部「お申し込み」ボタンよりお申し込み 2)こちらから、仮お見積もり用のフォームをご案内いたします。 ※破損箇所の大きさ・長さ、お写真等が必要となります。必ずお手元に器をご用意の上ご確認をお願いいたします。 ↓ ※先生の工房へ送付いただきます。(お直し作業は神楽坂のお店ではなく先生の工房で行います。) ※現物を確認し、破損部分長さの変更や追加でお直しすべき所があるなど、仮お見積もりから変更になる場合があります。 ※破損の状態により修理期間は変動します。 ※往復の送料はお客さま負担となります。 ※お申し込み状況によっては、仮お見積りのご案内や器の受入れまでお時間いただく場合があります。 |
キャンセル規定: |
-修理開始後はキャンセルできません。 -現物を送付後のキャンセルや接着剤が付着していての返送など、器の返送料はお客さまのご負担となります。 -お見積り確定後、修理代金のお支払いを1週間に確認できなかった場合、お申込みをキャンセルさせていただきます。 |
期間内保証: |
お手元に到着後、6ヶ月間の保証期間を設けております。 <到着〜2週間までの不具合> <2週間以降〜6ヶ月内の不具合> (例)接着部分が剥がれた、直した部分から漏れた、欠けを埋めた部分が取れた等
<下記の場合は保証対象外になります> -修理前の器を送付する際の破損、紛失 -食器洗浄機や電子レンジの使用によるダメージ -お客さま自身の過失による破損 -擦れ(摩耗)による仕上げ部分の薄れ ※摩耗や剥がれの原因になりうる行為以外で、仕上げの一部がペリッと剥がれてしまった場合は保証対象内です。
<返送時に修理箇所、もしくは別の箇所が破損した場合> 返送に際しては、厳重に梱包致しますが、万一の際には、無料で修理いたします。なお、一週間以内にご連絡ください。 |
お直し後の器について: |
・直火、電子レンジ、オーブン等でのご使用、また食器洗浄機や乾燥機での使用はしないでください。(冷蔵庫でのご使用は、漆が乾燥しやすく劣化の原因となるのでご注意ください。) ・つけ置き、水分のあるものを入れたまま長時間置くと剥がれの原因につながりますのでお避けください。 ・中性洗剤を使って、やわらかいスポンジで洗って下さい。たわし、磨き粉は使用しないで下さい。 ・他の器と直接重ねると、擦れてしまい摩耗がおきる可能性があります。心配な場合は、器と器の間に紙や布などを挟むと安心です。 ・修復後もお直し箇所の強度は元のものより弱くなります。破損箇所を持ったり、負荷をかけることは避けてください。(特に割れのお皿の場合、上に物を重ねたり重ねおきは負荷が大きくかかる可能性があるためお気をつけください) ・お直し後、強度はしっかりと確認した上でお返しいたします。 ※お直し品には取り扱いのご注意を記載した用紙を同封します。必ずご確認ください。 |
修理金額目安
素材と状態、形によって変わります。(下記の①+②+③ = 金額の目安となります。)
※お見積もりは現物をお送りいただいてから確定となります。目安としてお考えください。
※往復の送料はお客さま負担となります。
※価格はすべて税込表示です。
<割れた器の場合>
①基本修理代金
何片に割れているかで金額が変わります。
2~3片 | 7,700円 |
4~6片 | 9,900円 |
以降1片ごと | 1,100円/片 |
※破片の大きさにかかわらず。
②追加修理代金
ヒビや欠けの有無、釉薬仕上げ等によって金額が変わります。(下記に記載している内容以外での追加修理代金が発生する場合があります)
ヒビの長さ合計15cmごと |
660円/15cm |
欠け(厚さ6mm以下)5箇所まで | 1,100円 |
欠け(厚さ7mm以上)5箇所まで | 1,760円 |
パーツ作成費(外径7cm以上) | 3,300円/片 |
取っ手等、補強補修費 | 6,600円 ※1 |
釉薬なし・マットな釉薬等、金縁・金彩を含む場合 |
3,300円 |
※ヒビは表裏仕上げる場合、両面の長さの合計になります。
※欠けが5箇所以上になる場合は要相談。
※深めのカップや花瓶など、器の形状により破損箇所に手が届きにくいものや器の状態によっては別途料金を追加する場合があります。
※1 補強の状態により前後します。
③仕上げ代金
仕上げの素材によって金額が変わります。
色漆仕上げ(黒漆仕上げ) | 165円/cm |
色漆仕上げ(上記以外のお色) | 220円/cm |
錫仕上げ | 220円/cm |
銀仕上げ | 330円/cm |
金仕上げ | 770円/cm |
※表裏両面仕上げますので、割れ面の長さの2倍となります。
※ヒビや欠けがある場合、その長さ(両面)も含みます。
例えば・・・
<欠けた器の場合>
①基本修理代金
欠けの数と器の厚さ、ヒビの厚さで金額が変わります。
厚さ6mm以下の場合 | 厚さ7mm以上の場合 | ||
1~5箇所 | 7,150円 | 1~5箇所 | 7,700円 |
以降1箇所ごと | 440円/片 | 以降1箇所ごと | 660円/片 |
※厚さは、欠けている部分の厚みで見ます。
※外径が7cm以上の大きな欠けがある場合、別途パーツを作成し接着するため、割れた器として扱います。上記の<割れた器の場合>料金をご参照ください。
②追加修理代金
ヒビの有無、釉薬仕上げ等によって金額が変わります。(下記に記載している内容以外での追加修理代金が発生する場合があります)
ヒビの長さ合計15cmごと | 660円 /15cm |
釉薬なし・マットな釉薬等、金縁・金彩を含む場合 | 3,300円 |
※ヒビは表裏仕上げる場合、両面の長さの合計になります。
※深めのカップや花瓶など、器の形状により破損箇所に手が届きにくいものや器の状態によっては別途料金を追加する場合があります。
③仕上げ代金
仕上げの素材によって金額が変わります。
色漆仕上げ(黒漆仕上げ) | 165円/cm |
色漆仕上げ(上記以外のお色) | 220円/cm |
錫仕上げ | 220円/cm |
銀仕上げ | 330円/cm |
金仕上げ | 770円/cm |
※ヒビがある場合、その長さ(両面)も含みます。
<欠けの直径→必要な仕上げ長さ換算表>
直径3mmまで | 仕上げ1cm |
直径6mmまで | 仕上げ2cm |
直径9mmまで | 仕上げ4cm |
直径12mmまで | 仕上げ6cm |
直径15mmまで | 仕上げ8cm |
直径18mmまで | 仕上げ10cm |
直径21mmまで | 仕上げ12cm |
※欠けの場合、欠けた箇所を漆のペーストで埋めてその上を仕上げるため、直径から必要な仕上げ長さ(欠け全体を仕上げるために必要な仕上げ素材量)に換算してお出ししています。
例えば・・・
※ヒビのみお直しの器の場合、欠けと同様の基本修理代金となります。(ヒビが複数ある場合、基本修理代金は1箇所のみ。2箇所目〜は追加修理代金の計算です)
梱包例
※配送時は厳重に梱包をお願いいたします。ダンボール箱の中央に器を入れ、新聞紙等の緩衝材で動かないように梱包してください。割れた破片がある場合は、破片同士がぶつかって割れるのを防ぐため、できるだけひとつずつ梱包をお願いいたします。
実際にご依頼を受け、修理した器の写真もご紹介しています。
修理のご依頼をいただいたお客さまの、修理後の器を”金継ぎ修理ギャラリー”でご紹介しています。
ご依頼検討中の方は是非ご覧ください!
梅澤瑠美子
1985年生まれ。
宮城県在住。
2010年東北芸術工科大学 工芸コース漆芸専攻 卒業。漆がもっと身近なものになればと活動する中で、現在は金継ぎをしながら、漆の箸やアクセサリーなどの小物を中心にものづくりをされています。
塗師屋 行庵
1981年生まれ。
父、三世黙知に工芸のいろはを仕込まれ、金沢にて、沈金を前史雄氏に、蒔絵・髹漆を市島桜魚氏に学ぶ。
お父さまと共に東大寺華厳茶会記念品制作に携わり、千二百年以上前のものでありながら目新しさすら覚える宝物にふれ、伝統的な図柄の中から新しさを再発見できるような作品づくりをされています。