【てならい後記】深める金継ぎと初めての蒔絵教室(欠け編)第一回
こんにちは。てならい堂店主の中村です。
過ごしやすい日が続いてますね。今日からてならい堂では新しい金継ぎ教室が始まったのですが、昨日和食を食べに行ったら、金継ぎされた器が出てきまして、「それは金継ぎといいましてね」とご主人の熱い思いを聞かせていただきました。
ということで、今日は「深める金継ぎと初めての蒔絵教室」。先生は蒔絵師の行庵さんです。
これまで続けてきた「初めての金継ぎ」を終えたり、他で漆に触れたことがある方に向けた、金継ぎをさらに深めていくための教室です。
「初めての金継ぎ」はオーソドックスなやり方で、初心者の方も失敗少なく、一通りの方法を身につけることを主眼に置いてきました。
この「深める金継ぎと初めての蒔絵教室」では、生徒さんが自分で考えて、色んな方法に対処することを身につけていくことを目指しています。第一回目の今日は、皆さんの自己紹介から。皆さんそれぞれの動機を伺っていると、実際は2/3の方が初めての参加でした。でも大丈夫です。
行庵先生のスタイルはテキストなどは用意していません。ノートを持参してもらって、皆さん必死にメモをとっています。
磁器と陶器の違い、金継ぎに向いてる器、地域ごとの特性などなど、一つ一つの作業をやる理由に繋がる「なぜそうなのか」の解説が続きます。なかなかスパルタです。笑
メインは「コクソ」作りです。器の欠けたところを埋める、下地作りの作業です。
小麦粉、砥の粉、輪島地(輪島特有の珪藻土ですね)と水を混ぜ混ぜ。そこに背〆漆を加えて混ぜ混ぜ。
“地”とか”背〆”とか何のことやらという感じですが、そういう名前のものなのでこれは覚えるしかないですね。
皆さんのカケの大きさを見ながら、今日はこくそ綿は混ぜずにいきましょう。この辺り、教科書通り一辺倒ではなく、状況見ながら考えさせる中級編の味わいですね。
欠けた部分を紙やすりで研いだ後に、皆さんが自分の”感覚”で混ぜあげたコクソを、押し塗り、その上に盛り付けていくのですが、コクソの硬さによっては作業がしづらいみたいで、次はもっと硬くしようとか、柔らかくしようとかという感覚が磨かれていくんですね。これが上手くなるための一歩なんですね。
乾くと縮みますので、ちょっと盛り上がるように塗りつけて、本日の作業は終了。
そして、この教室のポイントは蒔絵も一緒に習うこと。金継ぎの装飾はそもそもは、平蒔絵と呼ばれる技法の応用なんです。
金沢のかわいい木のブローチが教材。サンプルを行庵さんがお見せすると「かわいい!」と黄色い歓声。このブローチへの蒔絵だけでも魅力的なワークショップだと思います。(そのうち開催しますね。)
器を漆風呂(ムロとも言います)と呼ばれるケースに収納して、本日は終了。
終わりに、共催の虚空庵さんから、美味しい国産の烏龍茶と神楽坂の美味しい和菓子屋さんの秋らしい栗のお菓子が振る舞われました。
これから全7回。どうぞよろしくおねがいします。