こんにちは。てならい堂スタッフの松本です。

お盆の台風上陸、皆さんも予定の変更や風雨に少なからず影響があったのではないでしょうか。。

第四回目の今日は、台風一過の火曜。灼熱で溶けそうです…。

さて、金継ぎ蒔絵教室も後半に入り、研ぎと黒漆を重ねていく中塗りを進めていきます。しっかりと研いで下地を整えられるのも今回まで。次回の粉蒔きにも影響してくる大切な作業なので仕上げの前に整えておきましょう!

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【割れ編の工程】麦錆漆を研いで黒漆で中塗りをする。

錆漆をスポンジやすりで水研ぎするところから始めていきます。上絵に赤絵や金彩が施してある場合は、研ぐと剥がれてしまう可能性があるのでマスキングテープで保護してから研ぎます。

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錆漆を水研ぎは、全体にうっすら白っぽくなるように研ぎ、細かい箇所はペーパーやすりを折って凸凹のあたってない箇所を見極めてやすりをかけていきます。

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こちらは、全回の盛り漆を研いで中塗りをした器。初めての金継ぎでこれだけの割れを中塗りをするのは、本当に大変そうでしたが、無事にきれいな線が書けていました。

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一方、黒漆を木地に吸わせて乾かしておいたブローチ。こちらは前面を水につけてからペーパーやすりで研ぎます。

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そしていよいよ卵殻の作業に!外から内にグラデーションになる様、デザインイメージを形にしていました。集中力がすごく、あっという間に半分進んでいます!

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螺鈿の貝の時は、微細な粒一つひとつを置いていく楽しさがありましたが、卵殻の場合はブローチの上に卵殻を置いて割れるところが楽しい!と生徒さん。

流れるようなグラデーションが表現出来ていてキレイですね!

流れるようなグラデーションが表現出来ていてキレイですね!

 

【欠け編の工程】中塗りを研ぎ、黒漆を再度塗り重ねる。

午後の欠け編も同様に、スポンジやすりで丁寧に水研ぎをする作業から。行庵先生にチェックしてもらいながら、少し盛り上がりのある丸みを縁の欠けは意識して研いでいきます。

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綺麗に研げたら、器の欠けの大きさ・ヒビの具合を見ながら、2種の黒漆を塗り重ねていきます。粘度が異なるので、半ゲル状の漆は小さな欠けにちょこんと置くようなイメージで作業します。

右の小さなぐい呑みは半ゲル上の盛り上げ漆、左の器は通常の黒漆を塗りました。

右の小さなぐい呑みは半ゲル上の盛り上げ漆、左の器2点は通常の黒漆を塗りました。

深めの器の内側は均一な線を引くのが難しいのですが、引っ張るようなイメージで少しずつ塗り重ねることが出来ていました!

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色漆で仕上げを希望した生徒さんは早速朱漆を塗り、次回も塗り重ねて仕上げていきますよ。と行庵先生。

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そしてブローチはというと…引き続き卵殻の作業を進めた、「ハチワレの猫ちゃん」がより表現されています!

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波模様を描いたこちらのお箸もステキですね!

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今日の作業はここまで。

次回は粉蒔き。金粉・錫粉、色漆で仕上げる生徒さんがいらっしゃるので、どんな仕上がりになるのか楽しみです!