【てならい後記】深める金継ぎ(欠け編)と深みにハマる蒔絵教室。7月期(第6回)
こんにちは。スタッフの大石です。
朝寒かったのに昼は思いのほか暑くなったりと、このごろは寒暖差が激しいですね。
今回は6回目ですが、私は久しぶりの金継ぎ蒔絵教室。
虚空庵に行くのも初めてだったのですが、入った瞬間にお香の良い香りがして、少しリラックスすることができました◎
みなさん粉蒔きも終わり、いよいよ磨きの工程に入る段階。作業に入る前に、先生から仕上げ方の種類についてお話いただきました。
同じ金属粉仕上げでも色々あって、教室で教わるのは平蒔絵技法という仕上げ方。金属粉の上から黒漆を塗ってコーティングし、乾かして、研いで仕上げます。この方法は強度があり、日常使いの器に向いているそうです。
ちなみに金色の発色が一番綺麗に出るのは金箔だそうですが、強度的には一番弱く、普段触ることがないような仏像などに使われるそうです。輝かせたいのか、強度をもたせたいのかなど、用途に合わせて適している仕上げ方を使い分けるのがよいとのことでした。
また、漆の乾き具合(乾くスピード?条件?)は作られた土地によって変わるそうで、行庵さんの教室では同じ黒漆でも産地の違うものを使い分けています。以前漆の種類について行庵さんが説明されているのを聞きましたが、漆だけでも奥が深いのですよね。。
こちらは前回すでに黒漆を塗ってコーティングができているもの。表面を研いで、輝きを出します。
器がひと段落したところで、ブローチの作業も。今回はみなさん卵殻を施しました。
卵殻って白いから鶏卵と思っていたのですが、うずらの卵なんですって。表面の模様は膜状なので、酢酸で溶かすそうです。ですが地の色は茶色~真っ白まで何段階もあり、1パックのうち使えるくらい白いものは3つくらいとのこと。裏面が黒いのは、表裏を間違えないようにわざわざ塗っているんですって!!想像をはるかに超える大変な作業にびっくりです。
水を付けた竹串で卵殻をのせていきます。あまりに細かい作業です。。
こちらは先生もびっくりの出来栄えの卵殻!縁から綺麗なグラデーションになっていますよね。完成が楽しみです◎
教室を見ていて思うのですが、何度も顔を合わせる中で先生と生徒さんの関係性が深まっていったり、会話の中で得られる情報が新たな刺激になって、次の興味へと繋がっているなあと思います。
今回、生徒さんの中で展覧会の図録を持って来られた方がいたのですが、作業の合間に先生の解説が始まったりして。その解説を聞いて、私も観に行きたくなりました!
教室はもうすぐ終わりですが、引き続き道場でもよろしくお願いいたします◎