【てならい後記】初めて靴下を自分で編み上げる。季節を楽しむかぎ針編み2月~1回目~
こんにちは。 てならい堂スタッフの五十嵐です。
暦の上では春を迎える2月。昼間の陽射しにその訪れを感じることもありますが、まだまだ毛糸の温もりが心地よい季節……ということで、今回は「季節を楽しむかぎ針編み教室」をご紹介します!
こちらの教室は全2回の開催で、中間にオンラインの勉強会も行います。チャレンジするのは靴下。ひとりで編み上げるにはちょっとハードルの高いアイテムですが、先生にしっかりと教えてもらえるとあって、たくさんの初心者さんにも参加してもらいましたよ。
先生はかぎ針編み作家piggiesagogo(ピギーズアゴーゴー)の赤星さんです。
まずは初回の教室恒例の自己紹介からはじまります。
すでにてならい堂の金継ぎ教室やダーニング教室などにもご参加いただき、さまざまな手しごとを楽しんでいる方も多かったのですが、かぎ針編みの経験は少ないという方がほとんど。
「かぎ針を触るのは何十年ぶりで……」 「まったくの初心者ですが、以前からとても興味があったんです!」 「ひとりでは挫折してしまうけど、先生に教えてもらえるならできるかも、と思って」
このときはまだ、ワクワクよりもドキドキがやや優勢だったでしょうか。でも、みんな同じ気持ちだね、という一体感に包まれたところで、いよいよかぎ針編みの世界に飛び込んでいきましょう!
机の上には、みなさんが持ってきた色とりどりの毛糸と、小さなクリップがどっさり。このクリップは、編み目の数を間違えないためのステッチマーカーです。本日は靴下の筒の部分を編むのですが、まずは鎖編みで90目ほど編み進めていきます。どんなに集中していても、90ともなれば、このステッチマーカーが欠かせません。
まずは先生のデモンストレーションをしっかりと頭に入れ、編み目の数を間違えないように編んでいきましょう。
「……」 「……」 「……」
今は絶対に話しかけてはいけません。(笑)
そしてこの時間は、静かであればあるほど盛り上がっている、という「手しごとあるある」ではないでしょうか。
鎖編みはできるだけゆるく編む、というのがコツだそう。ゆるく編んでいたのに、いつの間にか目がきつくつまってしまって、という方も。
編み方はシンプルですが、力加減がなかなか難しい。作り目の90目を編み、次のステッチへと進むこの工程が、もっとも編みづらいそうです。みなさん苦戦しながらも積極的に質問し、靴下の土台は着々と仕上がってきました。
今回の靴下は、先生が考案した「さざなみステッチ」で編んでいきます。細かなカーブが規則的に表れるステッチはまさに「さざなみ」。ふっくらとした優しい印象の靴下に仕上がります。
一つひとつの編み目がこの柔らかさを生みだしていると思うと、目の数や力加減にも慎重になりますよね。
「先生、私、もしかしたら違ってるかも……」 「1、2、3、4、5、……うん、大丈夫ですよ、合ってますよ」
不安げなみなさんと、軽やかに対応する先生との会話が続きます。
「集中していると、今なにをやっているのか分からなくなることありますよね。1段前の自分と会話しながら編んでみてくださいね。」
と先生。さらに2段目へと進み、次のステッチを編み始めるころになると「先生!」と呼ぶ声が、より一層多く聞かれるようになりました。編み目の数とステッチのかたちを素早くチェックし、魔法のように解決していく先生。その迷いのない判断となめらかに動く指先に、「すごーい!」と感嘆の声があがっていました。
質問もたくさんありましたが、それ以上に、一生懸命、黙々と編み進める時間もありました。かぎ針編みの世界に没入していましたね。みなさん、とても初心者さんとは思えませんでした!
ここまできたら自分だけでも編み進められそう……というところで、本日の教室は終了です。
「おしゃれは足元から」
ふと、そんなことばが頭に浮かびました。意味についてはいろいろな捉え方があるようですが、自分で編んだ靴下を履いたら、おしゃれであることはもちろん、足元から幸せになれそうです。
次回はかかととつま先の編み方を学びます。 少し複雑になりますが、また一緒に悩み、楽しんでいきましょう!
ご参加のみなさま、赤星先生、ありがとうございました。 次回もよろしくお願いします!