これからの季節にぴったりな天然麻100%のストールを
草木染め入門。日本の春は桜染め
桜の花びらの淡いピンクを出すのに、化学染料は確かに簡単で安いのかもしれませんが、できるだけ自然のものを使いたいし、ましてや肌に直接触れるものであればなおさら、というのが今の時代の自然な感情ではないですかね。
でも、桜の花びらを集めて染めるなどと単純なことでは、あの奇麗なピンクは再現できません。
花の咲く前のつぼみの付いた小枝を集め、これを小さく切り、40日にも渡って煮出したり冷ましたりすることでピンク色を抽出、これを熟成させてようやく染めの原液が出来上がるんです。
やっとでき上がった原液も、染める素材や、温度や湿度によっても仕上がりの色は変わっちゃうという、まさに生き物と対峙する作業。
これを状況に応じ、時には時機を待って、一定の色を出すのが熟練の技。
とは言え、相手は生き物。
毎回の微妙なニュアンスの違いはどうしても生じることで、逆にこの一期一会の色こそが、自然の草木染めの魅力とも言えます。
そして、一期一会の色だからこそ、自分で染上げたアイテムは、世界でたった一つのアイテムとして、自分の暮らしに長く寄り添っていけるのだと思ってます。
京都から、これからの季節にぴったりな天然麻100%のストールを
さて、今回の企画の内容はMAITOさんと何度か相談して決めました。
「春だから桜がいいと思うんですよねー」「あー桜やりたいです!」とすんなり。
じゃあ染めるものは? コートを脱ぐにはちょっと早い3月。
そして三寒四温を繰り返しながら温かくなるこの時期に、使い勝手のいいストールをチョイス。
素材はこれまたMAITOさんのおススメで麻100%。
まだ寒さの残る時期には綿と合わせて春らしいアクセントを、温かくなってきたらこれ一枚で活躍する、まさにこの時期に染めるなら麻100しかないんじゃないの!?と思わずにはおれないアイテムになりました。
こちらのストールは京都の織物メーカーさんのもの。
最新の機械ではこの風合いは出せないと、30年以上前の織機を大切に使い続ける、こだわりの職人さんによって作られています。
100%自然素材なのはもちろん、Made in Japanの安心で気持ちの良い風合いのストールを春の桜色に染上げちゃいましょう。
もうひとつ、MAITOさんから提案。「これまでのワークショップの経験上、意外とひとつでは物足りないという方が多いんです。」とのこと。
また、せっかくの機会だから自分のものだけでなく、お土産にもしたいと、ストールを染めた後に、ハンカチや靴下などの小物を染めて喜んで帰られる方が多いそうです。
なので、またまた相談の結果、オプションとして、奈良の靴下メーカーのシルク100%の5本指ソックスをご用意してお待ちしてます。
こちらのソックスはMAITOさんのアトリエショップでも草木染めグッズの入門編として、人気の高い商品。100%天然シルクの肌触りがとてつもなく気持ちよくて、リピーター続出のマストアイテムです。
そしてこちらの靴下も、靴下作りが盛んな奈良の地で、100年近くに渡り品質を磨いてきた伝統あるメーカーさんの靴下。
腕に覚えのある方、せっかくの機会を欲張りたい方、靴下染めも合わせて体験してみてはいかがでしょう。
共に年を重ねていける様な人生に寄り添うアイテムを目指して
さて、今回のワークショップを実施していただくMAITOさん(本名)。
MAITOは真糸につながるわけですが、彼自身の実家は福岡で草木染め工房を運営されてます。
実家の工房を手伝い、東京芸大で区染織りを専攻し、伝統技法を学ぶ傍ら、革の草木染めなど新しい技術表現を模索されてきました。
子供の頃から草木染めに触れ、これを次の世代に残して行くことが自分の使命と次第に感じ始める中で、自分にしかできないことは何だろうと考えたMAITOさん。
伝統的な技法は活かしつつも、それをベースに新しいことに常にチャレンジをしていくことが、彼の活動のアイデンティティとなりました。
「伝統ってそういうもんでしょ」という屈託の無いMAITOさんの言葉に、てならい堂は深く共感してます。
デザイナーでもあるMAITOさんの魅力は、彼の作る商品がそのまま人になったかの様な、その自然体でおおらなか人柄。
お付き合いする職人さんを探すにも、「一生の付き合いになるから、面白い人と一緒に仕事をしたいし、絶対に妥協はしたくない」と、こだわりと良い意味での野心(?)を感じさせるところなども、まるで野生の草木の様です(笑)。
MAITOさんが掲げるのは、「愛用するヒトと共に年を重ねていける様な人生に寄り添うアイテム」。
よれたり、毛玉ができ易い天然素材のアイテムを、摺れたり褪せたりし易い草木で染める。
合理性だけでは測れない、長く愛用し、人を幸せにする商品への彼の価値観は、是非デザイナーと直接お話しする中で、ご自身のアイテムとともに持ち帰ってもらいたいと、てならい堂は思います。
クリエイターが集まる、古くて新しい下町“蔵前”
蔵前の所在地は東京都台東区。
北は浅草と接し、隅田川を挟んでスカイツリーを臨む、東京きっての下町エリア。
近年はこの台東区、墨田区を中心とした東京の東側”EAST TOKYO”にクリエイターが集まり、築30年を超えるビルを改装して活動拠点にするなど、下町から新しいムーブメントがおきています。
特にこの蔵前エリアは、お隣で古くからファッションパーツなどを作ってきた御徒町エリアとともに、ものづくりの街・徒蔵(かちくら)として、積極的にイベントなども行っており、新進のショップがどんどん生まれている大注目スポット。
MAITOさんのアトリエも元々、御徒町の高架下にものづくりのショップやギャラリーが集まった2k540 AKI-OKA ARTISANにありましたが、昨年、新たにここ蔵前にアトリエショップをオープン。
周辺には大人の文房具屋さん“カキモリ”や、革小物の“M+(エムピウ)”、日本のデザイン雑貨を牽引するアッシュコンセプトが運営するショップ“コンセント”等、オシャレで何度も行きたくなるショップがいっぱい。
蔵前に来たら、町歩きも是非、楽しんでみてください。
現地へ来られる方のために、地元の人に聞いた「耳寄り情報」を教えます。
これぞ地元飯!地元の人に聞いた、地ランチ&地ショップ情報
Riverside Cafe Cielo y Rio(シエロイリオ)
隅田川沿い、180席を有する開放的なカフェ。晴れてれば、ブランケットを借りて1Fのテラス席へ。3Fの壁一面の窓からはスカイツリーが一望。お洒落なんだけど、やっぱりどこか下町の親しみ易さがあって、ついつい長居してしまいます。色々選べるスイーツも美味しいですよ。
<Riverside Cafe Cielo y Rio DATA>
TEL:03-5820-8121
住所:東京都台東区蔵前2-15-5
営業時間:平日11:30~23:00/土日祝11:00〜23:00(いずれもランチは15:00ラストオーダー)
定休日:無休
NEWOLD STOCK(by otogi designs)
リノベーションプロダクトをコンセプトに活動するオトギデザインズさんのアート雑貨ショップ。ショップも築40年以上のビルをリノベーションした古くて新しい空間。彼らの作品の他、デッドストックのグラスや、有機野菜のピクルス等。お洒落な駄菓子屋みたいな楽しさ!
<NEWOLD STOCK DATA>
住所:東京都台東区蔵前2-15-6 寺輪ビル3F
営業時間:木曜〜日曜の12:00~18:00
定休日:月曜〜水曜
カキモリ
書くことが楽しくなる筆記具や文具を集めた、大人のための文房具屋さん。今年のテーマは手紙を出す、だそうです。そして、なんと言ってもオーダーノート。表紙を選び、中紙を選び、リングを選び、留め金を選ぶ。店内の機械で店員さんがガチャリンコ。あなただけのノートが完成。失神しそうなくらい嬉しいですよ。
<カキモリDATA>
TEL:03-3864-3898
住所:東京都台東区蔵前4-20-12
営業時間:12:00~19:00
定休日:月曜(月曜が祝日の場合はopen)
M+(エムピウ)
革小物のM+さん。「+」は、つくり手+つかい手のための「+」。使い込んで初めて完成するのがM+の革小物。デザイナーは、界隈ではイタリア人とも呼ばれるおおらかで、そして、こだわりの強い、みんなの兄貴。スタッフは奇麗な女性ですが、男らしい店内は必見です。
<M+(エムピウ)DATA>
TEL:03-5829-9904
住所:東京都台東区蔵前3-4-5 中尾ビル
営業時間:平日11:00~19:00 / 土曜休日13:00~18:00
定休日:日曜・月曜(月曜が祝日の場合は火曜休)
結わえる商家
いつも満席の人気店。メインの肉魚から汁物、おばんざいまで、ぜんーぶ選べるランチ。本当のメインは、これが玄米?と驚くもっちもちの「寝かせ玄米」。日本の食生活を変える!というミッションが実現できそう!と思えるのは、何より旨くて楽しい!からだと思います。
<結わえる商家DATA>
TEL:03-5829-9929
住所:東京都台東区蔵前2-14-14
営業時間:11:30~14:30(14:00 L.O.) / 17:00~23:00(22:00 L.O.)
定休日:日曜・祝日