こんにちは。てならい堂スタッフのひのです。

miyazonospoonの宮薗さんに学ぶ、木のスプーンづくりワークショップを開催しました!

このワークショップでは、午前と午後で異なるスプーンをつくっていきました。午前はやすり3種を使ってプリンなどを食べるのにぴったりのデザートスプーンを。午後は小刀とやすり4種を使って幅広く使っていただけるスープスプーンを。

宮薗さんが用意してくれたキットをもとに、小刀の部分以外は基本的に同じ工程をたどっていきました。

今回スプーンに使ったのはひのき材。ひのきは軽く柔らかくて削りやすく、スプーンづくりにはもってこいの材。木の種類によっての削りやすさを体感してもらうため、ひのきの他に、3種類の削り比べ用の端材も用意してもらいました。

色や匂いはもちろんのこと、固さや削りかすの多さが違うのが体感できたのではないでしょうか。ひのきは爪で跡をつけられるくらい柔らかいのに対し、楢は全然やすれなかったり。

スプーンへのやすりがけ、1回目のやすりと2回目のやすりでは、触り心地が全然変わってきます。どんどん気持ち良くなっていくのが触ってわかります。

また、綺麗にやすると、見えていなかった木目がはっきりとみえてきます。やする前後で、こんなにも変わるのかと驚きました。そしてみえてきた木目がこれまた可愛い・・!

各やすりの間には水拭きをして、一旦スプーンを乾かします。

水拭き作業をするのは、わざと木目をおこしてやするためで、こうすることで毛羽立ちしにくくなり、食べた時にざらざらしなくなるそうですよ。

また、削り比べの端材も、せっかくなのでお持ち帰りいただける箸置きとして、作業の合間にやすりで削ってもらいました。気がつくとそちらに方に熱中していたりという場面も。笑 

全体通して、モクモクとやすっていく時間が多いワークショップでもあるので、ストレス発散になって無心になる!との声もありました。

午後はやすりの作業にプラスして小刀で形を削っていく作業がありました。木目に沿って、角度を見ながら削っていくのがポイント。

小刀の場合、口に入れるスプーンの淵部分が薄くなるように削るのが難しそうでした。午後の回では、より食べやすいスプーンの形の追求がされていましたね。

最初は慣れるまで大変そうでしたが、途中から、削れるショリショリ感が気持ちよいとのお声も。

柄の部分もぷっくりさせるのか平らにするのか丸みをどのくらい残すのか、各自お好みの感じに仕上げていきました。

あっというまの1時間で目の前にたくさんの木屑が出来上がりました。

午後の回も、小刀の後は、午前の回と同様、やすりがけをしていきました。

いずれの回も、仕上げとして、最後にくるみをつぶし、でてきた油をスプーンに塗り込んでいきました。

油は塗れば塗るほどよいそうで、しっかりと塗り込んでいきました。最後には見違えるようにピカピカに!

おうちでのお手入れの際も、今回の工程と同様にやすりがけをして仕上げに油を塗っていくのが良いそうです。

また、スプーンだけでなく、お箸などの無垢の他の道具も、使ってきて白くなったらやすって油を塗って一晩置くというようにお手入れすると、新品のようになるんですって。

くるみ油の他に、エゴマ油、ひまわり油、亜麻二油、蜜蝋あたりが、中に浸透していくのでお手入れに使う油としてはおすすめだそうですよ。

水拭きを重ね油で仕上げたので、色も最初とはちょっと異なります。ピカピカのスプーンが出来上がりました!

木目もひとつひとつちがって個性があって、並べてみても、自分のスプーンの特徴がわかるよう。

今回のワークショップに参加して木目の可愛さに気づいた、などの感想があったのですが、わたしも今回改めて、木の道具の”木目”の魅力を再確認しました!

さて、最後は本命の?(笑)プリン試食タイム!

つくって終わりではなく、実際に使ってみるのを大事にしたワークショップなので、みなさんいろいろと気づきがあるようでした。

デザートスプーンは先がとんがっているため最後まで綺麗にプリンが掬い取ることができます。そんなことから、スプーンは料理によって使い分けてもいいかもしれないということに気づいたり。

スープスプーンで食べてみて、もうちょっと淵の部分を削った方が食べやすかったかも、と食べやすいスプーンの形を考えてみたり。

使って、学んで、また使って、生活に馴染んでいく。

木の道具、ってなんだか最初はちょっとハードルが高いかもしれませんが、自分でも使えるかも、って実感をもてるのが大事だと思うんです。今回のワークショップがみなさんにとってそんな一歩になったら嬉しいです。

いずれの回も、時にはモクモクと、また時にはお茶目な宮薗さんのトークで和気藹々と進み、とても楽しいひとときになったのではないでしょうか。

みなさま、今回つくったスプーンをこれからも生活の中で育てていってくださいね!宮薗さん、参加者のみなさま、どうもありがとうございました!