「てならい365日」直すことについて私が学んだこと②
皆さん、こんにちは。てならい堂のリムです。
9月になりましたね。2020年も3ヶ月しか残っていないなんて、本当にあっという間ですね。今までを振り返ってみながら、残りの2020年をもっと充実させて過ごそうと思ってます。みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
前回のコラムに続いて、今日も「てならい365日」の「直す」ことを実生活に取り入れた話を共有したいと思います。「直す」という一つのカテゴリが私の暮らしの中にできて、いろいろな変化が起きました。もちろん大きな変化ではないんですが。
スタートから違いが生まれる
韓国から日本に来て一人暮らしをはじめてすぐに、写真にある2種類の鍋と壁にかけてあるフライパン、そしてもっと大きめのフライパンと、合わせて四つのセットを買ったんです。ところが、その後ずっと使ってきたフライパンのコーティングがはがれてきたのか、食べ物を炒めるたびにだんだん食材がフライパンにこびりついてきました。
それで母親に電話して、どうすればいいのか聞いてみたら、「それ、しょうがないよ。捨てて新しいやつ買いなよ。」と言われてしまいました…てならい堂で仕事をしいる娘には、なんと衝撃的な答えでしょうか。(こんなにみんなに見られるところで、お母さんごめんなさい…笑)
実家にいた頃を思い出してみると、お母さんは調理後、気をつけながらフライパンを洗い、乾かして、ちゃんと油を塗って保管したりしてましたけど、それでもどちらかといえば、使ったモノは捨てるという感じでやっていたんです。
一人暮らしをしながら、今まで家族と過ごしている時は当たり前だと思ってた、「安いモノを適当に使って、使えなくなったら捨てて新しいものを買うサイクルで仕方ない」という考え方や買い方に疑問が出てきました。「本当にこれしか方法がないのか?」「そもそもこういうものか?」などとずっと思っていたんです。
もちろん「高いモノを買えば全て問題無し!」とは思っていないし、結果は変わらないと思いますよ。ですから、皆さんに「安いモノじゃなくて高いのを買いましょうよ。」という話がしたいわけじゃないです。それより今回、私が皆さんと共有したいのは「モノのまわりのことをちゃんと知るといいね」そして「作り手が見えるモノがいいね」ということです。
私のフライパンは日本でもとてもポピュラーなフランスのブランドで、お気に入りとは言えないかもしれないですが、3年間の一人暮らしの寂しさを癒し、来日して頑張っている自分を慰めてくれたので、確かに私にとっては特別な存在です。とは言えむちゃくちゃに使ってきたのでもうボロボロ。お手入れをもっとしっかりしてあげたらよかったのですが、もう手遅れなんですよね。
さらにこれ、大きなスーパーで買ったので、店員さんもレジにしかおらず、お手入れ方法などについて全く説明も聞いてないし。「これ、そもそものスタートから間違っているかも」と思ったんですね。「そもそもこの用途はなにか」、「どこから来たモノなのか」、「誰が作ったのか」、「お手入れ方法はどうするのか」などを知っておくと長持ちさせることができるだろうし、さらに作り手が見えるところで買えたら話も聞けるし、使う間の悩みについても相談に乗ってもらえたのにと思うんです。
私は「てならい365日」に参加しながら、前回のコラムでお話したように、「壊れても平気」ということを学びましたが、続けて取り組んでみたら、モノがもう生活の中にある前の段階、つまり「買う時点(スタート)」について考え始めたんです。スタートがどこかによってそのモノの寿命も変わるだろうなーということに気づきました。
前回お話したようにモノは使えばいつか壊れるし、そしたら直せば良いのですけれど、スタートをきちんとしないと、使い続けるからこそのモノの美しさや良さを、感じることもできないで終わってしまうかもしれないです。
ですから「直す」という実技術を身に着けるよりも先に、モノを選ぶ判断軸を立てるということが最も大事ではないのかな、それが先行していないと、どれだけ直しても結果は変わらないなーと。そんなことを思いました。
皆さんは、今使っていただいてるモノのまわりのこと、どのくらい知っていますか?10月3日には共有会も予定しております。皆さんとお話しできることを楽しみにしております!