【てならい後記】裂き織りワークショップ。モノを愛おしむ気持ちを映す北国の手仕事、「裂き織り」を学ぶ。
こんにちは。てならい堂スタッフのてんです。
今年の秋はいづこに〜なんて話をしていた11月中旬。6月に引き続き、裂き織りワークショップが開催されました。実は6月に裂き織りワークショップに参加してハマってしまった私。今回もみなさんに混じり参加!!織りをちゃっかり楽しみました。
このワークショップでは、裂き織りの技法でランチョンマットを織り上げていきます。
色々な色の組み合わせが本当に可愛いんです。
教えてくださるのは、お馴染みの幸呼来(さっこら)Japanの代表石頭さん。スタッフの順子さんにもお越しいただきました。
「裂き織り」は、衣服や布団などの使い古した布を、ひも状に細く裂いて、緯糸(よこいと)として織り上げる技法。
特に東北では綿花の栽培や木綿の入手が難しかったため、貴重な布地を最後まで使い切る暮らしの知恵として、盛んに作られていました。
衣類をまた紐状にして、織って新しい形へ生まれ変わる。さまざまな色の布は鮮やかに、次の役目を担います。
6月には無かった新しい布の糸も加わり、今回もさまざまな色味の緯糸になる布糸が並びました。使われる布糸は着物を解いたものや、染め損じの生地、浴衣の記事にデニムの残反など。
そして今回は、なんと経糸が3色!!
白もシンプルに可愛かったですが、3色の色味も素敵…。この経糸を張るのがとても大変なんですが、こちらは先生が張ってくれています。100本を超える経糸を張っていく下準備は何度見ても「う〜ん」とすごい作業だな〜と感じます。
それでは、Let’s Tryです。
まず、織りたい糸を2〜3種選びます。素材、糸、太さ、厚さは布地によってさまざま。触り心地も考えつつ選んでいきます。
糸が決まれば、いざ織りの作業へ。
最初は、ランチョンマットの端の部分を綿糸でしっかり織っていきます。ここは機織りに慣れる時間も兼ねているので、みなさん感覚を掴む時間です。
4往復ほど織って慣れてきたら、いよいよ裂き織りの生地を織っていきますよ。
板杼(いたひ)という道具に生地を巻いて、経糸の間を右から左へ板杼(いたひ)を渡したらトントン、トントン、と目を詰めながら織り、ヘドルを下げて今度は左から右へと順番に動かして織っていきます。この生地の出方や目の詰め具合で、十人十色の織りが生まれます。
手順は簡単ですが、油断は禁物。ちょっと気を抜くと「ヘドルを下げたかな?次右だったな?」と頭がこんがらがる作業。
織り進めていくと、だんだん「このくらい力を入れて目を詰めてもいいかも」など、感覚が少しづつ見えてきます。
また面白いポイントは、布地によっては色や模様が出てきたりして表情が変わること、途中で色味や質感の異なる布を小刻みに切り替えられるのが、裂き織りの面白いところ。どのくらいで次の糸にしようか。どんな色の割合にするか悩みつつ織り進めます。選んだ緯糸(よこいと)と経糸の色の重なり、見え方がさまざまに変わるのも面白いところです。
ランチョンマットの全貌が見えてくると、かわいいとワクワクがどんどん増していきます。
「何に使おう。どこに置こう」なんて考えながらあともう少し!
最後は、最初と同じく綿糸に戻して、端をしっかり織ります。機織り機から切り離したら、等間隔で玉結びをして房をつくっていきます。
完成したランチョンマットは、それぞれの個性溢れる仕上り。いろいろな色の組み合わせが参加者さん同士の刺激にもなっていましたね。新しい形に生まれ変わった布糸はどこか誇らしげです!
お家でもたくさん使ってあげて下さい。
ご参加いただいたみなさん、幸呼来Japanの石頭さん、順子さん、ありがとうございました!