【後記】 服を染め直して、育てていく。玉ねぎの染め替えワークショップ。2024-25、冬。
こんにちは。てならい堂スタッフのさくです。
もうすっかり冬で、朝は寒くて布団から出るのがしんどくなっている毎日です。
寒くて目覚めない身体を起こすのに朝の温かい味噌汁は沁みます…。簡単で手頃な材料でよく使う玉ねぎ。
さて、今回はその玉ねぎが染めの材料です。
染め替えという事で、皆さんお持ちになった素材は様々ですね。
セーター、ワンピース、ストール、サポーター、トートバック…
着るには少しだけくすんでいるから染め替えたい、汚れる事を前提色を入れたい、古着の色がどうなるか実験したい、以前も藍染めに参加だったりと、研究熱心な方々が集まりました。
そして今回も<染めの里 おちあい>の小川さんが教えてくれます。
おちあいさんではこの染め替えが近所で噂になっているのか、いつの間にか近所の方が寄付してくれる様になったそうです。地域と繋がりと素材を無駄にしない良い循環ですね。
さて、染料作りの前に、下処理として熱湯に浸けますよ。
天然染料なので、少し色が入りにくくなる事があり、この作業をすると随分と違うそうです。
準備万端、ホーローのボウルで煮込み始めますが、すぐに色が濃くなっていきます。
「…美味しそうな香り」
そう言葉が自然に漏れてしまう程に、オニオンスープの香りがするんです笑。料理をしていても玉ねぎだけではここまでの香ばしさは感じないんじゃないですかね。皮だけなのに不思議。
植物から採取する色は、昔は厄除けの意味もあったそう。その色に染まったものを着ていたら病気にならないと信じられていたり、天皇だけが着る事ができる色もあったりと、色には強い意味、位を示す歴史がある事も教えてくれました。体験から日本の歴史の一部を知れるのも何だか嬉しいです。
さて染料が出来上がった良い頃合いですね、湯から上げて染め始めましょう!
どんな具合に染めたいか希望を小川さんが伺いながら浸けていきます。
今回私も飛び入りで、日頃から使っていた、くたびれたミニトートバックを染めさせてもらい、グラデーションに挑戦しました。
何となくこれくらい染めて…と予測しながら段々と染料に入れ込んでいきます。
次々に染料から上がっていく染め物たちが仕上げの桶の中へ。今回は鉄媒染とミョウバンと2種選べました。
どれも玉ねぎで染めたの⁉︎という程に様々な染まり方で「玉ねぎだけで、こんなに幅広く染め替えできるなんて思わなかった!」と沢山の驚きの声がありました。
染め替えしていて感じたのは、普段使っていたものが不思議、より愛着が増した気がします。
私含め皆さん、また一つお気に入りが増えた満足感のある表情だった様に思います。
そして、玉ねぎの染め替えは年明けにもう一度、体験できますよ!
もし、年末のお片付けでちょっとくたびれた愛用品が出てきたら、是非この機会に生まれ変わらせてみてはどうですか?
小川さん、皆さん、今回も楽しく学ばせていただきました!ありがとうございました。