染め屋で学ぶ、型染め体験。新しい柄を作りました。

型紙と図案。なかなか見ることはないですよね。

型紙と図案。なかなか見ることはないですよね。

トートバッグに染めたもの。春っぽい色合い。

トートバッグに染めたもの。春っぽい色合い。

これまで会場の二葉苑さんから染める型をお借りしていましたが、図案師の古城里紗さんにお願いして、今回ついに、てならい堂オリジナルの型ができました。

さりげない小花と蔦の模様と、やわらかい幾何学模様が組み合わさった素敵な柄です。

華やかさはありながらも派手ではなく、普段の生活で使いやすいですよね。

染めるのは約45cm角の小風呂敷もしくはトートバッグからお選びいただけます。

小風呂敷はハンカチとしても、お弁当包みとしても、用途はいろいろ。

せっかく自分で染めるのですから、ぜひ日常で使ってもらえるとうれしいです。

これは型を中心に固定して、90度ずつずらして染めたもの。

これは型を中心に固定して、90度ずつずらして染めたもの。

小風呂敷は、型を4回送って一枚を染め上げる想定ですが、送り方は色々。

トートバッグの方は、真ん中にシンプルに配置するほか、型の中から好きな部分を残し、あとは紙で伏せて、染めたい箇所を染めるというやり方もあります。

配置もタテヨコナナメなど、型を自由に使ってみてくださいね。

どのように使っても美しく見える柄の構成に、図案師さんの技術を感じます。

色は今回は、見本と同色となる予定です。

100年目、そして更にその次の100年を見据える染め屋にて

あちこちに色が溢れている、染め工房ならではの風景。あちこちに色が溢れている、染め工房ならではの風景。

あちこちに色が溢れている、染め工房ならではの風景。

道具萌え必至です。

道具萌え必至です。

会場となる二葉苑は2020年で100周年を迎えます。

大きな染め工場から独立し、職人3人を迎えてスタートした”二葉屋”(のちの二葉苑)は、震災後には蒔炭を売って不況を凌ぎ、大戦の時代には軍需品を作ることを強いられるといった幾多の困難を経て、現在に至ります。

そして着物、呉服の需要が圧倒的に縮小する現代も、やはり困難な時代と言えるのではないでしょうか。

けれど4代目の小林さんは、100年の節目の後の、その次の100年を見据えています。

「次の100年間残していきたいのは、受け継いできた染めの技法とそれを支える職人たち。それを残すためであれば、他の何を変えても構わないし、むしろ時代時代に応じて変えていかなければならないのではないか」と、小林さんは話してくれました。

実際に、早くから海外の展示会へ独自に出展を続けたり、江戸時代の板場を再現しつつ、町の人がいつでも見学できるようにガラス張りにしたり、といった多くの新しいことに取り組んできました。

職人と聞くとやはりおじいちゃんのイメージを持つ人も多いと思いますが、二葉苑さんの職人はみな若く、女性が多いです。

伝統を守りつつ、いや伝統を守るために、新しいことに挑戦する姿勢は世の中にちゃんと伝わり、その伝統を本当の意味で受け継いでくれる人が集まってきているのではないかと思いました。

染めの技法を学ぶことも去ることながら、伝統を受け継ぐということの意味も、普段は立ち入れない職人の工房へ踏み入るこの貴重な機会に、ぜひ感じてもらいたいです。

染め夜塾3年目のリニューアル

一口に染めと言っても、その技法は様々。

一口に染めと言っても、その技法は様々。

2013年に”江戸の染め屋を学び舎に”と題して、本物の染め工房をワークショップ会場としてお借りして始まった”染め夜塾”。

様々な技法が存在する染めの世界の、その技法や意味を体系的に学べるように、様々な染めの技法にチャレンジしてもらえる機会を、毎月つくっていきます。

柄や色の選択肢を増やし、また、せっかく体験を通じて作ったものを、暮らしの中でちゃんと使ってもらえるように、染める材料も様々なものを用意していく予定です。

段階的な拡充になると思いますが、どうぞご期待くださいませ。

皆さまのお越しをお待ちしております。