まだまだ暑さが残る9月上旬。てならい堂としては念願のたつけをつくるワークショップがスタートしました!

こんにちは。てならい堂スタッフのまるです。

かねてからお世話になっている”石徹白洋品店”から講師の松本先生をお迎えして、伝統衣のたつけをつくるワークショップ。オンラインでのワークショップは開催していましたが、やっぱり対面でたつけの魅力を堪能しながら学ぶのがいいですね。全5回でたつけを縫っていきます。

初回の今日は、石徹白やたつけについてのお話から始まり、寸法の出し方、布の裁断までいきたい!

こちらがたつけです。後ろにゆとりがあるシルエットが特徴です。

まずは石徹白地域の歴史、空気を感じます。

石徹白の土地やたつけというズボンをご存じない方も多いと思いますが、はじめての開催ということもあり、開催を待ってました!という方が多く参加してくれました。

織りや日本刺繍、洋裁を習っている方、和裁士を目指している方など、みなさんそれぞれの興味の延長線上にある”たつけ”を、一度縫ってみたいという方が多いです。

たつけは和裁の集大成といわれるだけありますね。

さっそく取り掛かりたいところですが、まずは石徹白地域とたつけについて知りましょう。

「石徹白」は、岐阜県と福井県の県境、標高700メートルに位置する山深く雪深い小さな集落。縄文時代から続く石徹白で、そこに伝わる服の形をベースとした服づくりをしているのが石徹白洋品店です。

地域の伝統的な文化や暮らしを再生していくことを目指し、日本人が古来よりつくってきた直線裁ちの服を、現代のライフスタイルに合う形にリデザインしています。当時の生活着の作り方をまだ覚えている方が石徹白にいらっしゃるので、直接教えていただけたそうです。

”たつけ”は、もともとは作業のときに誰もがはくズボンとして使われていたもので、お尻にゆとりがあって足裾が絞られているスリムパンツ。今回はそのたつけを1枚の布からつくっていきますよ。

ここを測るんだ!と学びながらお互いを採寸していきます。

たつけの背景を学んだら採寸に入ります!二人一組になって、身体のどこを測るのか、どう計算するのか、採寸のしかたを覚えます。

そして、採寸が終わったら生地にアイロンをかけて、自分の身体に合わせた裁断線を描いていきます。

1枚の生地のどの部分がたつけのどこの部分になるのか、パーツが見えてきます。本当に1枚の生地を無駄なく使って作っていくんだ、、と実感できる工程です。

今回教えてもらう松本先生も、和裁の無駄の無さに感動して”たつけ認定講師”になられたそうです。

たつけ認定講師は、たつけの作り方はもちろん、たつけが作られてきた石徹白地区のこと、そこで暮らしてきた人々の暮らしのことを学んだ方々。石徹白の風土を全国に運んでくれる方ですね。

もともと洋裁をやっていた松本先生。石徹白洋品店と出会い、日本人の知恵の深さ、物を大切にする心を改めて知り、たつけの魅力を伝えられています。

いよいよ裁断!

生地にハサミを入れるってかなり緊張しますよね。でもみなさん慣れている方が多いからか、黙々と思い切って入れていきます。

たつけのパーツになっていく生地を見て、やはり無駄のなさに感動です。

おうちにある生地の持ち込みも可能です。完成が楽しみですね。

こちらは完成見本。全体像を把握しながら裁断しましたよ。

終わらなかった方は次回までの宿題、、と思っていたのですが、なんと時間内に終わりました!みなさんかなり優秀!と先生もびっくり。

次回は基本的な縫い方のレクチャーから、いよいよ縫製に入ります。楽しみですね。

松本先生、参加いただいたみなさん、ありがとうございました!