【てぬぐい】紺や茶色、エンジでできた世界を壊すこと 〜その1〜
注染を世の中に浸透させるべく、東京のにじゆらさんには、実演できる小さな工場がお店の中あります。今日は、名物社長の中尾さんと東京の所長の田中さんの名コンビで注染の流れを教えてくれました。注染職人でもある中尾さんが注染の実演をしながら、随所随所で田中さんのツッコミ説明がはいる。さすが大阪ご出身、お二人の掛け合いがとっても面白くて、ちょっと難しそうな注染の世界にもすんなりはいれました。
社長中尾さん曰く、元々は、古典的な柄や文字の入った手ぬぐいを作られていたそう。でも、このまま同じコトをつづけていても、価格競争にまけ、昔ながらのこの素晴らしい注染の技法もすたれてしまう。業界を疲弊させないためにも「職人がプライドを持って仕事ができること、工場が一番大事というビジネスモデルを作りたい」と考えられたそうです。だからこそ、「人が振り向くような、人が欲しがるようなものをつくらないといけない。そして「注染」という伝統工芸品を次世代に伝えたい。
そんな熱い思いで、これまでの染色業界では型破りともいえるファクトリーブランドの注染てぬぐい「にじゆら」を立ち上げ、展開されました。この「にじゆら」は、いままで手ぬぐいの世界で使われていなかったパステルカラーを使い、作家性の溢れるイラストで構成されています。
社長でもあり注染の職人さんでもある中尾さん。 注染の職人さんは全国でも50人ほどしかいないそう。「絶滅危惧種のイリオモテヤマネコでさえ100匹ほどだというのに、それよりもすくないんだよ」っと一言。だからもっともっとなり手をふやすために、時代とともに進化してゆきたいとおっしゃられていたことに、ギュッと心をつかまれました。
名物社長 中尾さんのおはなしは次回へつづきます。