【てならい後記】おうちで金沢のお裁縫道具「加賀ゆびぬき」づくりのワークショップ
みなさんこんにちは。てならい堂スタッフの村上です。
夏が去って、秋の風を感じられるようになってきましたね。沢山の色に溢れた秋が私は大好きです。みなさんはどんな秋をお過ごしでしょうか?
10月10日に「おうちで金沢のお裁縫道具 加賀ゆびぬきづくりのワークショップ」を開催いたしました。オンラインでの開催だったので、道具をみなさまのおうちにお送りして、おうちから、ちくちく参加していただきました。
加賀ゆびぬきは石川県の金沢に伝わる、絹糸を一本ずつかがって模様を作る、色合いがとっても綺麗なゆびぬきです。加賀ゆびぬきの特徴は幾何学模様と真綿を使ってつくっていること。芯には厚紙と真綿を重ねていてとても丈夫につくられています。
講師は加賀ゆびぬき作家の大西由紀子さん。金沢で親子三代で加賀ゆびぬきを継承しています。大西さんはお母さまに、お母さまはおばあさまに加賀ゆびぬきづくりを教わったそうです。
まずは参加者の皆さまで自己紹介をして、大西さんに加賀ゆびぬきのお話をしていただきました。大西さんと手毬作家であるお母さまの「加賀てまり 毬屋」についてもご紹介していただきました。
沢山の糸が並んだお店はとっても綺麗でゆびぬきをつくり始める前からワクワクします。今回大西さんは金沢のこのお店から参加してくださいました。まだまだ少し遠出が難しい近頃ですが、全国各地の作り手さんや、参加者の皆さまと遠くにいながらも繋がることができるオンラインワークショップには、対面ワークショップとは少し違う面白さもあると思います。
大西さんのつくる加賀ゆびぬきはとっても繊細で美しく、見とれてしまいます。今回は2色のうろこ模様のゆびぬきをつくります。大西さんのおばあさまも最初は親戚の方から教わってこの模様をつくるところから、ゆびぬきづくりを始めたそうです。
なんと、オンラインでの加賀ゆびぬきワークショップは大西さんにとっても今回が初めて!オンライン用に普段よりも大きなゆびぬきを用意してくれました。質問も交えながら、糸のかがり方や、揃え方、始末の仕方など、大西さんから教わっていきます。途中一瞬質問もでなくなるくらい(笑)皆さま集中されて作業を行っていました。綺麗に糸を揃えていくのがなかなか難しいです。
加賀ゆびぬきは完成まで時間がかかるので、今回のワークショップでは、後はひとりで完成できる、というところまで教えていただき、皆さまにその後各自で完成にむけて取り組んでいただきました。
一週間後の10月18日に行った「加賀ゆびぬきフォローアップタイム」では、皆さま素敵なゆびぬきができあがっていました!「糸を並べるのが難しかったけど楽しく完成できました。」「今は2個目を作り始めました!」との声をいただきました。
フォローアップタイムでは、作品のシェアや大西さんへの質問、そして大西さんの数々の作品を見せていただきました。
「先生すごすぎます!」「見とれてました!」と参加者の皆さま。私も終始圧倒されていました。
ゆびぬきを作る文化は全国各地にあったようなのですが、今ではつくり方がわからないゆびぬきも沢山あるようです。「実用品だったというのもありますが、女の人のやっていた事は記録に残っていないことが多いみたいです。もし、骨董品店などでゆびぬきを見つけたら、貴重なものなので大事にして下さい。」と大西さん。
加賀ゆびぬきも一時期はつくる人が減ってしまい、伝統が途切れかけてしまったそうです。
「楽しく作らなきゃだめよ。といつも言ってくれる祖母でした」と大西さん。おばあさまはいつも「楽しくつくることのほうが上手につくるよりも優先だ。」と言っていたそうです。
大西さんの詳しいお話や作品の数々を見ているうちに、今まで遠い存在だった加賀ゆびぬきとの距離がぐっと縮まった気がしました。「今度金沢のお店に行きます!」と参加者の方。私もいつか金沢で大西さんの作品を近くで見てみたい!と思います。
大西さん、参加者の皆さま、ありがとうございました!
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