【てならい後記】子どもにつなぐ座布団。マイ座布団綿入れ体験。《2023年春の会》
こんにちは。てならい堂スタッフの山﨑です。
初春の心地の良いお散歩日和、京都にやってきました。
京都駅から歩いて約20分。五条通にお店をかまえる洛中高岡屋さんの工房で今回は座布団作りのワークショップです。
今回参加してくれたみなさんは、てならい堂ワークショップ経験者さんたち。ご夫婦でご参加した方は、以前の高岡屋さんの四角い座布団作りに参加してくれた方でした!
今回は丸い座布団、どんな作業が待っているのでしょうか。
作業の前に職人のみなさんにご挨拶。
座布団作りは縫製・綿入れ・仕上げに分かれていて、各工程で職人さんが異なります。申し込み時に選んでもらった生地を事前に縫製していただき、今回は綿入れから仕上げまでを体験します。
まずは綿入れ作業。
綿入れの職人さんが説明をしながらデモンストレーションをしてくれるのですが…
綿の大きさにまずびっくり!生地の何倍もボリュームのある綿、本当にこの中に収まるのか…?と思っていたら、手際よくちぎられてどんどん丸い形になっていく綿!
そして、スポッ!気づいたら薄かった生地がもちもちに。瞬く間にあの大量の綿が生地の中に入ってしまいました。
参加者さんの番。職人さんの手際が良すぎて簡単そうに見えたのですが、綿を手でちぎるのも、盛り盛りの綿を詰めるのもなかなか力が必要な作業です。少々苦戦しましたが職人さんが参加者さんひとりひとりについて教えてくれたので、無事綺麗に綿入れが完了しました!
この作業で気づくのは、座布団とクッションの綿の入れ方の違い。
クッションって綿を少しづつ詰めていく作り方が多いので、使い続けていくと綿が薄くなったり寄ったりして凸凹ができることがありますよね。一方で、座布団は大きな綿を一度生地の形に成形して、その際に中央により多くの綿を詰めます。そうすると一番多く体重のかかる中央が潰れても凹凸ができにくく、いつまでも座りやすさ、使いやすさを保つことができるんだそうです。
座布団には長く、心地よく使い続けられる工夫が詰まっているんですね。
綿を入れ終わったお座布団を見て、参加者さんはすでに愛着が湧いてきているよう…!みなさん異なる生地を選んだので見比べるのも楽しそう。
次は開け口の縫い作業!
先ほどは力作業だったのに比べ、こちらは細かく少々時間のかかる作業です。
ただ開け口を縫うと言っても、こちらもひとつひとつの作業に工夫と技術がつまっているんです。
縫い目が表から見えないように「くけ」と呼ばれる方法で、ひと針2~3mmで全て手作業で縫っていきます。
職人さんが縫うと開け口がスーっと一本線になり、仕上がりがとても綺麗。初心者はコツをつかむまで縫い目にそって線が左右に動きやすいので、この作業も職人さんがそばで見守ってくれます。
みなさん集中して、やっと縫い作業が終わりました!
1時間弱かかりましたが、職人さんが同じサイズのものを縫うと10〜15分ほどでできるそうです。実際に自分たちでやってみると、スピードと綺麗さのどちらも兼ね備えた職人技に脱帽します。
いよいよとじ作業へ!
座布団に合わせるとじ糸を選んで、中央と周り3点にとじ糸を刺します。
「とじ」を行うことで、座布団の中で綿が寄るのを防ぐことができるそう!表と裏で糸を刺す位置がずれるとゆがみに繋がるので位置取りは慎重に。
最後に専用の機械で座布団の中に針が入っていないか確認して…
ついに、座布団が完成しました!
とじ糸の色で座布団の表情も変化して、みなさんだけの座布団に。
「かわいい〜!」の声が止まりません!
職人さん達の工夫が詰まったまんまる、もちもちの座布団。たくさん、そして長く使い続けてくださいね。
参加者のみなさん、そして職人のみなさん、ありがとうございました!