「板締め(いたじめ)」という技法を使って、てぬぐいを2枚染める体験を開催します。

2枚には訳がありまして、それは1枚染めると必ず、もう1枚染めたくなるからなんですね。笑

板を使って、折りたたんで、色をつけて、、、ご自身の思う様に、けれど思い通りにはいかない、板締めの魅力をぜひ楽しんでみてください。

自分で染めたてぬぐいがカバンの中にあると、きっと少しだけ、あなたの生活が変わると思いますよ。

 

染めと一口に言っても、その技法は様々です。刷毛で色を刷り込んだり、染料を型に注ぎ込んだり。

今回は、てぬぐいを色のついた液にドボンとつける、一番単純なやり方。けれどですね、染色液につける時にちょっと工夫すると、いろんな柄が楽しめます。

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布を絞って(結んで)、染色液に付ければ、絞った部分には色は入らなくて白くなりますよね。こうやって柄を表現することができます。

この柄をもっと複雑にしようと思うと、例えば「型」を使うことで、色が入らない部分を、ただ絞るだけよりももっと複雑に、意図的につくることができます。

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どう畳むかで、幾何学的な柄は限りなく変化しますし、染色液に端だけつけたり、角だけつけたりすることで、さらに複雑さは増します。さらには、液に漬ける時間によっても、色の入り方が変わります。

色はあらかじめこちらで準備したもの(複数色の組み合わせ)となりますが、締め方、色のつけ方による仕上がりの違いを楽しんでください。

それは、ムラのない均一な工業製品の対極にあるモノづくり。

染め上がった1枚目を開いて、おそらく自分で想像したのとは違う柄が目の前に現れた時、きっとあなたも2枚目の誘惑にかられるはずです。

自分の感覚を頼り、想像力をたよりながら、自分の思う通りの柄を出そうとするのか、思いも寄らない偶然を楽しむのか、作り手たちが編み出してきた、そういう工夫を体感してみてください。

 手ぬぐいは一枚かばんに忍ばせておくととても便利ですね。

〇〇専用みたいな道具のストイックさも惹かれるけど、あまりモノを持ちすぎたくないなーと考えると、用途を限定しないてぬぐいの万能感がやっぱり好きなんです。

自分で染めた手ぬぐいがカバンの中に入っている、その愛着、信頼感はどれほどでしょうか。

てぬぐいをつくる技法といえば、注染。てならい堂でもずっとワークショップを開催しています。(注染のワークショップの詳細はこちらから。)

注染は、折りたたんだ生地に上から注ぎ込むことで同時に何十枚ものてぬぐいを完成させる、「当時の」大量生産の技法。

一方で今回の体験は、一枚ずつ染める一点ものの技法。もちろん型板を使って板締めするので、同じ柄を何枚も作れる工夫でもあるわけです。その目的によって、モノづくりは様々な技法を編み出し、使い分けてきました。

これらの技法は、つくり手がお客さんの求めるものを楽に作る、良いものを作る、うまく作る、そういう工夫の賜物です。

そうしたつくり手の工夫を、私たちが一度体験したことがあるということが、他の道具はどうやって作られているのかという視点につながると、てならい堂は考えています。

だから、初めての人こそ一度やってみてほしい、てぬぐいを染める体験です。

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会場は染めの里おちあい。 100年続く着物の反物を染める工房です。工房の溢れる色をあなたも五感を使って体感してください。

過去に開催した際の体験レポート「てならい後記」を記載しています。気になる方は是非ご覧ください。

https://www.tenaraido.jp/ohanashi/2010itajime/